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Tokyo Otaku Modeのゆるめチームから学べること──なぜ30人で大成果が出せるのか

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • スタートアップ企業の経営者
  • 新しいチームビルディングを模索しているリーダー
  • アニメやオタクカルチャーに興味があるビジネスパーソン
  • 日本国外でビジネス展開を考えている企業
  • チームマネジメントに興味がある人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読むと、Tokyo Otaku Modeがどのようなチームワークの在り方で大きな成果を上げているかについて学べます。Tokyo Otaku Modeは、フラットで緩やかな組織を構築し、メンバー全員にリーダーシップを期待することで、変化に柔軟に対応し、個々の能力を最大限に活かす環境を作り出しています。メンバーは全員がプロジェクトの進行状況に応じてリーダーシップを発揮できるよう促されており、変化の激しい市場にも迅速に対応できるようになっています。

さらに、スタートアップの成長のためにスピード感を持つことが重視されており、価値観が近いメンバーを集めることで、コミュニケーションコストを削減し、より効率的な業務遂行が可能となっています。失敗を恐れず、リスクを取って行動することの重要性をチームに浸透させることで、Tokyo Otaku Modeは試行錯誤を重ねながら成功を掴んでいることがわかります。

また、若いリーダーが直面する可能性のあるチームマネジメントの壁に対して、この「ユルめのチーム」アプローチが有効なヒントを提供しており、スピーディーに成果を出し続けるための組織作りに役立つことが示されています。これらの成功の背後には、単に「やりたい」という情熱から発展した柔軟で実践的なチーム構築の哲学があることが理解できます。

Text AI要約の元文章

Tokyo Otaku Modeのゆるめチームから学べること──なぜ30人で大成果が出せるのか

成功を収めているチームから新しいチームワークの在り方を探る特集「ベストチーム・メソッド」。今回は1000万いいね!を超えるFacebookページを運営し、日本発・世界で脚光を集めるTokyo Otaku Modeを取り上げます。

友人ら数名で立ち上げたTokyo Otaku Modeが世界で大きな成果を上げていく。その過程で意識していたチームの作り方は「ユルめの組織にして変化にすぐ対応する」「メンバー全員にリーダーシップを求める」といったものでした。リスクを積極的に取り、とにかく物事を前に進めようとする姿勢は、小さなチームを率いて大きな仕事をしたいと考える若手リーダーの学びになります。

Tokyo Otaku ModeのCEO 亀井智英さん(右)、CTO 関根雅史さん(左)、COO 安宅基さん(中央)に聞くベストチームの作り方。詳細はベストチーム・オブ・ザ・イヤーのコンテンツ「前編」「後編」をご覧ください。

Tokyo Otaku Modeチームのリーダーシップ

「あなたをリーダーに選んだのは偉いからではなく、メンバーの中で一番リーダーという役割に適しているからだよ」と伝えます(亀井)

「メンバー全員にリーダーシップを求めています。10人メンバーがいれば、タイミングや状況に応じてベストの人がリーダーの役割を担う」(亀井)

Tokyo Otaku Mode代表の亀井智英さんは、「やりたい」という思いからTokyo Otaku Modeを立ち上げました。伊藤穣一さんや小澤隆生さんといった業界の重鎮を巻き込み、シリコンバレーからの投資にも結びつけるなど、日本発・海外で存在感を発揮するスタートアップを率いています。

今Tokyo Otaku Modeには「海外で日本のアニメにハマって、こういう仕事がしたかった」という帰国子女や「Googleにはいつでも入れるけど、日本のコンテンツに触れる機会はなかなかないから」とインターンにやってきたスタンフォード大学生もメンバーにいます。多種多様なメンバーでチームを作る際に大切にしているのは「メンバー全員にリーダーシップを求める」姿勢です。

昨日の常識が通じなくなり、変化が激しいスタートアップのチームだからこそ、誰か一人だけに仕事の比重を置くのではなく、その時々に応じて全員がリーダーシップを発揮できるよう、チームの意識作りをしています。

Tokyo Otaku Modeのチームの作り方

「あえてあまりかっちりした組織にしないようにしています。ユルめの組織にして、その時々の状況に応じて柔軟に配置を変えられるようにしています」(安宅)

米国に本社を置くTokyo Otaku Modeですが、日本支店では30人程度のメンバーが働いています。「EC」「メディア(広告)」「開発」という3ユニットでチームが動いているのですが、基本的にユニットチームはどれもフラットで、プロジェクトリーダーとメンバーの階層分けはなく、各々が自由に仕事を進めています。

ある事業を突然やめることもあれば、逆に成長事業には人員を厚くすることもある――スタートアップが直面する変化の速さに対応するべく、「ユルめの組織」にして、変化に応じて人員配置を柔軟に変えるといったチームづくりをしています。このチーム作りが奏功し、「なんでこの人が自分より上のポジションにいるの?」(亀井さん)といったチーム内の摩擦が起こることもなく、集中して活動に取り組めています。

Tokyo Otaku Modeのメンバーの選び方

「価値観が近く、志を1つにできる人を選ぶ」(亀井)

「スタートアップはスピードがとても大切なので、コミュニケーションに時間を取られると、本当にやるべきことができなくなる」(安宅)

スタートアップのチームはスピードが命。スピード感を持って全員が仕事をできるようにするために、Tokyo Otaku Modeでは考え方や価値観が近い人を採用することを心掛けています。これにより、説明に時間を割いたり、メンバー間の意識合わせをするといった余分なコミュニケーションコストを減らし、本業に集中できる環境が作れます。

日本のオタクカルチャーを世界に広げるといったビジョンに強く共感する人を中心にチームを組むことで、「一を聞いて十を知り、行動する」といったアクションがすぐに起こせるようになり、事業のスピード感が保てているのです。

Tokyo Otaku Modeのプロジェクトの進め方

「これは失敗するかもと思っても、あえて動いて失敗してみる」(安宅)

「最初から無理と思わずに、“とりあえずバッターボックスに立って、バットを振ってみる”」(亀井)

新しいプロジェクトを率いることになった若手リーダーは、これまでの仕事と異なり、チーム全体で成果を上げるという新しい視点で仕事をしないといけません。多様なメンバーが集まるTokyo Otaku Modeでは、「あえて動いて失敗してみる」というスタンスを実践していますす。失敗して分かることを学び、次はそれを繰り返さないようにして成功に一歩ずつ近づいていくスタンスです。

代表の亀井さんは「失敗から学ぶ」ことの体現者でもあります。「やりたい」という気持ちで立ち上げたTokyo Otaku Modeを軌道に載せるために、亀井さん自身が「最初から無理と思わずに、“とりあえずバッターボックスに立って、バットを振ってみる”」というやり方で、Tokyo Otaku Modeの成長を切り開いてきました。

「迷い、リスクを避けること」よりも「まずは実践・行動しながら学ぶこと」が何より大切だと分かります。

最後に

多くの人が若くしてリーダーになった時、必ず突き当たるのがチームマネジメントの壁です。Tokyo Otaku Modeのユルめのチームは、「チームのアウトプットを最大化する」ことを考え、スピード感を持って成果を出し続けるための組織作りのヒントにあふれています。

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」では、Tokyo Otaku Modeのプロジェクトストーリーを追いかけました。前編「オタクカルチャー発信源 Tokyo Otaku Modeに1300万いいね!――「やりたい」を追求、シリコンバレーも世界も巻き込めた」、後編「なんでこの人が自分より上なの?って葛藤、イヤじゃないですか――あえて失敗しながら深めたTokyo Otaku Modeのユルめチーム観」もお楽しみください。

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(編集:藤村能光/撮影:橋本直己

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撮影・イラスト

写真家

橋本 直己

フリーランスのカメラマン・エディトリアルデザイナー。趣味は尺八。そして毎日スプラトゥーン2をやっています。

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編集

編集部

藤村 能光

サイボウズ式2代目編集長。新生サイボウズ式をどうぞよろしくお願いします。

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