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実はリスキー? 副業のススメにちょっと待った!

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 会社員で副業を考えている人
  • 副業に興味があるビジネスパーソン
  • キャリアアップを目指す若い世代
  • 時間管理や生産性向上に関心がある人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事では、副業に関する考察と、その良し悪しについて詳しく述べられています。副業は単に所得を増やす手段ではなく、「複業」として考えるべきであり、特に会社の外の環境で働くことによって得られるスキルや知識の広がりなどのメリットが期待できると述べられています。特に、自分のキャリアの「柱」を確立し、その柱を基に副業を考えることの重要性が強調されています。

一方で、副業にはリスクも伴うとし、本業との両立が難しいことも指摘されています。特に若い世代にとっては、複数の仕事を持つことでかえって集中力が散漫になる可能性があるため、時間とスキルのバランスを取ることが重要です。また、短期的な所得増加を目的に副業を行うと、長期的なキャリアの成長を阻害する可能性もあります。記事は、自分のキャリアプランをしっかりと見据え、副業を考えるべきであることを読者に提案しています。

副業を通じて生産性や管理能力が向上することも期待でき、時間管理や体力の調整の重要性が指摘されています。また、副業を通じて視野を広げ、新しい人脈を築くこともキャリアにとってプラスとなり、最悪の場合でも自信を持って生きる力を培えるとしています。そして、冷静に自己分析を行い、自分の今と将来を俯瞰的に考えることの重要性を促しています。

Text AI要約の元文章

ブロガーズ・コラム

実はリスキー? 副業のススメにちょっと待った!

サイボウズ式編集部より:著名ブロガーによるチームワークや働き方に関するコラム「ブロガーズ・コラム」。今回は特集として、最近関心を集めている「副業」から、働き方を考えてみようと思います。ブロガーズ・コラム チーム4人で1週間ごとにお届けします。第1回目ははせおやさいさんです。

新しい「副業」のかたち

会社員をしながら、週末や空いた時間で違う仕事をする人が増えているそうです。このコラムを掲載していただいている「サイボウズ式」の運営会社であるサイボウズ社でも、副業を許可しているとのこと。

ここで言われている「副業」は、それまでのイメージとは少し異なる印象です。本業で足りない分の所得を増やすというよりは、「会社」にしばられずさまざまな「仕事」を手掛けることを指しており、「内職」や「ダブルワーク」とはまた違ったとらえ方みたいですね。

「本業は会社員、副業でコラム執筆」の経験から気づいたこと

わたし自身も、本業では会社員です。

20代をがむしゃらに働き、ある程度の結果や経験を通じて得た知見をまとめようと、自分のブログで働き方や仕事の仕方について、考えていたことを書き始めました。ありがたいことに、書いた記事を少なくない数の人に読んでもらうことができ、それをきっかけにして、こうしたコラムを執筆する機会をもらいました。

本業と並行して引き受けるにあたり、もっとも懸念したのは執筆の時間を作れるだろうか? という点でした。漫然と仕事をしていると、平日の夜や土日はあっという間に終わってしまいます。そのために、先を見越した予定管理をするようになりました。

プロジェクトがいそがしくなるタイミングや、個人的な予定も踏まえ、自分の体力や体調を整える時間も確保するとなると、必然的に優先順位が決まっていきます。付き合いで顔を出すだけの飲み会や気の進まない人との食事などは、どんどん断るようになりました。

つまり、優先度の判断と、工数の適切な割り振りを公私またいで行うようになってきたことで、休むときは休み、働くときは思い切り働く、というワークスタイルをとれるようになりました。

また、こうして仕事にまつわるコラムを書くというのは、本業で得た知見をより多くの人に伝え役立ててもらうためであるのと同時に、そのリアクションや書いていく過程で気付いたことを本業にフィードバックする、という相乗効果も生まれています

副業に寛容な会社はまだめずらしいかと思いますが、前述のように複数の仕事に携わることで所得を増やすだけでなく、生産性や管理能力の向上も期待できるのではと思います。またこうした経験を通じて人脈が広がり、「最悪、会社がつぶれてもなんとかなる」と思えるようになりました。そうなると、「仕事をイヤイヤやる」ということが減り、健全な気持ちで本業に取り組めるようになりました。

こうしたことを踏まえると、 年功賃金や終身雇用が幻想となりつつある時代に、「副業」というか「複業」が推奨されるのも、当然の流れではないかと感じます。

本当に「いいことずくめ」なのか?

よいことばかりのように感じられる「副業」ですが、本当にどんな人にとっても推奨されるべきことでしょうか? 実はわたしはそうは思っていません。

この空気が加速していきそうな気配を感じたとき、不安に思ったのは「本業との両立」をできる人がどのくらいいるのだろう? ということです。

多くの企業が副業を禁止しているのも、この点の懸念が拭い切れないのかもしれません。新しく始めたこと、不慣れなことというのは、どうしてもある程度の時間を割く必要があります。習熟に「コツ」はありますが、一定量の時間も必要で、バランスが取れるようになるまでは、しっかりと自律しなければいけません。

これは個人的な感覚ですが、もし自分が20代でこの状況に立ったとき、前述のようにバランスよく、本業と副業の時間を振り分けることができただろうかと考えると、正直難しかったと思います。わたしが執筆の仕事をはじめてもっとも手こずったのは、「自分の時間や精神状態を完全にコントロールすること」でした。もちろんビジネスマンとしてのキャリアが浅い人でも、きちっとコントロールできる人はいると思うのですが、個人的には、ここが一番苦しかった。

原因は、2つあったと思っています。

まず、慣れるまでの時間が必要だったこと。締切がしっかりと決まり、決められた条件を満たすように構成した文章を書き、見直して納品するというのは初めての経験で、まったくつかめなかった。それまでは書きたいものを書きたいように書いていたからです。

もう1つは、その慣れない作業の進行の読みが甘かったこと。思わぬリテイクや企画の変更もありました。また突然、短い期限の依頼が来ることもあり、どこまでなら受けられるか、断るべきかの判断基準が持てていませんでした。

とはいえ、両方が破綻せずなんとか軌道に乗ったのは、それまで培ってきたプロジェクトマネジメントの経験があったおかげでした。そしてその経験を通じて、仕事を受けるときに「今、本業で磨こうをしているスキルとの相乗効果が産めるかどうか」を判断基準の1つに持とうと思ったのです。

キャリアのフェーズに合わせて考えよう

基本的なスタンスとして、「複業」はメリットが多いと実感しています。

とはいえ、それは自分自身に柱となるスキルがあってこそ、なのではないでしょうか。やみくもに複数の仕事をもつというのは、若い世代にとっては逆に視点の拡散を招いてしまい、目の前の仕事に向き合う熱量が分散してしまう。時間は有限です。その中で、まだ柱となるスキルがないうちからあれもこれも、と追ってしまうと、結果的に二兎をも得ない状態を招きかねない。

うまくいかないぞと思ったとき、それまで得た知識や技術を用いて壁を突破して初めて次のフェーズに移ることができるのです。目先の興味に引っ張られてあれもこれもとかじってしまい、結果「何のプロだかわからない」という人にならないよう、まずは自分のキャリアプランを考えてみるべきなのではと思います

また、いたずらに所得アップだけを目指して時間消費型の副業に手を出すのも、最終的なメリットを損ないかねません。「時間」を投資して得るのが「現金」になってしまうと、短期的な利益にしかなりません。

特に若い世代にとって、もっとも投資するべきなのは、自分の技術や知識を増やすことです。それを資本としてより大きな所得につなげることこそが本質であり、自分の時間をそのまま現金化してしまうのは、長期的に見て、あまり得策ではないと思います。

自分の「今」そして「将来」を俯瞰で考えよう

まずは自分のキャリアの「柱」を考え、その柱を立てることを目標に複業も考えてみましょう。

その上で、会社外の人たちと働くことは、自分自身の技術を定型化するきっかけにもなります。つまり「会社の中で培ったスキル」の一般化を、ほかの環境を使って実行できるのです。

以前、あるNPOにボランティアとしてサポートで入ったときに、その感覚をつかめました。わたしはWeb業界でのキャリアが長く、彼らは逆にWebの活用を苦手としていたことからマッチングされた縁でしたが、お互いの前提があまりにも違いすぎて、単語の共通認識の統一から入る必要があり、四苦八苦しました。逆にわたしも彼らが活用している制度や仕組みについて、まったくの無知だったので、さまざまな資料や記事を見せてもらいました。

そのチームにかかわったとき痛感したのは、社内でしか使えない言葉、社内でしか使わないツール、資料の作り方がうまくても、外部の人たちと効率的に働くことはできない。お互いの前提が違うことを当然として、よりシンプルに、より分かりやすく自分の仕事を相手に伝え、いっしょにチームワークを発揮する努力をすることが当たり前、というマインドを得ることができたのは、報酬よりもはるかに価値のある経験となりました。

価値観が変わっていくタイミングというのは、さまざまな意見が出てくるタイミングでもあります。肯定派、否定派、どちらの意見も見聞きして、あなた自身の今と将来をよりよいものにするために、今、どういう選択をしたらよいのか。ぜひじっくり考えてみて欲しいと思います。

今日はそんな感じです。
チャオ!

2016年6月 8日会社で自由に働けないなら、副業で自由に働けばいい──プライベートプロジェクトのすすめ
2016年6月15日副業は、時間を小銭に換金してはいけない。信用と実績を積み上げよう
2016年6月23日副業で身の程を知り、やがて副業を卒業した話

イラスト:マツナガエイコ

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執筆

ライター

はせ おやさい

会社員兼ブロガー。はてな(id:hase0831)を中心に活動。仕事はWeb業界のベンチャーをうろうろしています。

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撮影・イラスト

イラストレーター

松永 映子

イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。

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