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記事では、自立の概念について再定義される内容が議論されています。サイボウズ代表の青野慶久は元サッカー日本代表監督である岡田武史との対話を通じて、自立は単に個人の力で全てを行うことではなく、他者に依存しても問題ないとする新しい視点を示します。つまり、多くの依存先を持つことが、実は自立の鍵であると述べています。
これは、周囲に支えられることで自立心が高まり、大きな理想を実現する手助けになることを指しています。サイボウズの定義では、個人が選択し責任を取る覚悟を持つことに加え、他者と相互に依存し合うことでも理想を達成できると考えられています。この観点を社員間で共有し、議論を深めた結果、これが組織の中で新たな理解につながったことが報告されています。
また、相互依存の状態を多く作ることが、実際には「自立」を支える要因となり、安心感をもたらすという意見が複数上がり、組織の中での人材育成やキャリア形成の戦略として提案される流れが描かれています。
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サイボウズ
自立は、自分の力だけでは実現しない──「周囲に依存OK、他人の力を借りてでも理想を達成すること」
自立とは、自分で選択して、自分で責任を取る覚悟──。
社員に自立を求めるサイボウズ 代表の青野慶久ですが、最近 FC今治オーナーの岡田武史さんと話を聞いたことで、自立に対する認識を新たにしました。なんと「周囲に依存してもOK」とのこと。あれ、自分で責任を果たすことと、ちょっと意味が異なるのでは……? その意図を聞いてみました。
先日の岡田武史さん(FC今治のオーナー)との対談、ありがとうございました。その中で「自立」に話が及びましたね。
2016年9月15日「おかしいことをおかしい」と組織で言うには、1人で食えるだけの自立が絶対に必要──岡田武史×青野慶久 おもしろかったですね。「チームのことだけ、考えた。」で書いた言葉の1つが「自立」で、その考え方が変わりました。 自立は、多様性のあるチームにおいて、最重要レベルの風土の1つだと定義していますが、この「自立」というのが実はまだよくわかっていません。本では「自分が思ったことを発信し、議論していくこと」という感じで書きましたが、「そんな大変なことやらねーよ」と言われると返答に困ります。確かに、批判を覚悟して意見を表明するのは大変です。
そうですね。
その時は、人材登用について「どうして岡田さんは、カズを外したり、実戦経験のない野人(岡野)を投入したり、チャレンジングなことができたんですか?」と聞いてみたんです。 すると、岡田さんは「いやー、監督を首になっても、なんとか食っていけると思ったから」という答えでした。
FC今治のオーナーとしても活躍する岡田武史さん。2016年8月には今治の街を元気にするインキュベーションプログラム「バリチャレンジユニバーシティ」を開催し、愛媛出身の青野も参加した
つまり、自立というのは後ろ盾が必要だということです。そういわれてみると、わたしが総務省を一喝したとき、「みなさんに嫌われたとしても、何も困らない」と心の中で思っていました。そんなことを考えていたら、私のFacebookタイムラインにこんな記事が。これには、目からうろこでした。
「実は膨大なものに依存しているのに、「わたしは何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態なのだろうと思います。だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。」
(自立は、依存先を増やすこと。希望は、絶望を分かち合うこと)
自立するためには、依存する先を増やさないといけないと。
そうです。サイボウズのメンバーが「サイボウズを辞めさせられても、なんも困らねーよ」と言えるように、さまざまな外部に依存している状態が、「自立」につながるのだと理解したんです。
他人の力を借りてでも理想を達成すること。依存OK
この考えを、kintoneで社内に共有してみたところ、社員の間で盛り上がりました。
依存先を増やすのは、「消極的」な自立? (サイボウズ 人事部マネージャー 青野)。ちなみに「キャリアコネクト会議」とは、直近で異動希望を出したメンバーについて、該当部署のマネージャーが集まり、議論をする社内会議のこと
「依存」という言葉の意味を掘り下げる (社長室 青山)
「相互依存状態」をたくさん作ることが良いとする意見 (社長室 野水)
それを受けて、少々整理したいと思います。議論に出てくる「自立」には、言葉の意味がいくつかあるようです。自立とはこんな感じでしょうか。
- 自立心。自分で選択し、自分で責任を取る覚悟。サイボウズ的な定義。
- 自分の力で理想を達成すること。
- 他人の力を借りてでも理想を達成すること。依存OK。
(2)が一般的な定義ですよね。
はい。ですが、実際に自分の力だけで自立するのは困難です。 例えば、「経済的に自立する」と言っても、実際には、同僚や顧客やさまざまな社会基盤に支えてもらう必要があります。 サイボウズでは、(1)の定義を採用しています。自立というより自立心。自立マインドの大切さに気付いたので、これを理念にしています。
ここまではサイボウズの定義ですね。
そうです。で、今回の気付きは、(3)の大切さ。 誰かを支え、誰かに支えてもらっているという安心感が、自分の自立心を高めることにつながったり、自分の力だけではできない大きな理想を実現したりできる、というものです。味わい深い言葉ですね。 サイボウズの基本戦略はエコシステム。周囲を支え、周囲に支えてもらいながら、チームワークあふれる社会を実現していきたいと思っています。
写真家:Yumiko Tamai愛媛の地域発信サイト「海賊つうしん。」専属フォトグラファー
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