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- テクノロジーに興味がある一般消費者
- デジタルデータを多く扱うビジネスパーソン
- パソコンやクラウドサービスの利用者
- 情報セキュリティに関心のある人
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この記事では、PCやデジタルデータの整理についての重要性とその方法を紹介しています。特に、年末のタイミングに合わせてデータの大掃除をすることが推奨されています。普段利用しているクラウドサービスがデータ管理を楽にしてくれる一方で、情報漏洩やPCの紛失リスクに備える必要性についても述べられています。
筆者のデータ整理術としては、3段階のバックアップメソッドが紹介され、自動バックアップ機能を利用している様子が詳しく説明されています。「ライブバックアップ」で更新中のデータを保護し、その後NASで定期的に増分バックアップを実施しています。さらに、1年が経過したデータは物理メディアに移してNASからも削除し、効率的なストレージ管理を行っています。
クラウドサービスへの過信を避けながら、自身でデータをしっかり管理する方法が示されています。データ整理のメリットとして、パソコン内のストレージ容量が解放され、ファイル検索も効率化されることが挙げられています。また、突然のデータ消失に備えた二次的なアーカイブとしてクラウドを利用することの有効性が考察されています。年末の大掃除と同様にデータも整理し、効率的な作業環境を整えることが推奨されています。
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tech
年末はデータも大掃除──コデラ総研 家庭部(79)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第79回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「年末はデータも大掃除」。
文・写真:小寺 信良
普段はネットのモノカキとして仕事をしている筆者だが、「Dropbox」のおかげで仕事は大変楽になった。家のPCで書きかけていた原稿は、出先でノートPCを広げれば何も考えず続きが書ける。逆に出先で撮影した写真をノートPCに取り込めば、家に帰ったときにはもう家のPCに写真が揃っている。
多くの人がクラウドサービスを利用していると思うが、その一方でセキュリティ上の理由から、クラウドのファイル同期が使えない人もいるだろう。また学校や役所の一部の部署など、ネットから隔絶された職場も存在する。そういう方々は情報漏えい防止のためにUSBメモリも使えず、PCそのものに重要なデータを入れておくしかない。
クラウドが使える人もそうでない人も、実際には頻繁に使うデータというのはどんどん変わっていくものだ。いわゆる「生きているデータ」と「死んでいるデータ」があるわけである。
使わなくなった古いデータが地層のようにパソコン内に積み重なって、自分でもどんなデータが入っているか把握できないような状況は、情報漏えいやPC紛失のリスクを考えると、被害が計り知れないレベルになってしまう。また必要なデータを検索で探すときも、大量の余計なデータの中から探すことになるため、検索の時間もかかる。
そろそろ年末も近づいて、来週には仕事納めというタイミングである。ネットではそろそろ大掃除ネタも出てくるころだが、同様にPC内のデータも大掃除すべきだろう。今回は筆者が行なっているデータの整理方法をご紹介したい。
3段階バックアップメソッド
データのアーカイブには、3段階のステップを設けている。まだ頻繁に使用し、更新される可能性があるデータは、「ライブバックアップ」の対象とするのが望ましい。ライブバックアップとは、ファイルが更新されている途中でも自動的にバックアップされる機構のことだ。身近なところでは「MS Office」にも採用されている自動バックアップ機能がある。作業途中でWordやExcelが異常終了しても、再び起動すると直前のデータが復帰しているのを経験したことがある人は多いだろう。ああいう機能がライブバックアップだ。
Mac OSには「Time Machine」というバックアップ機能がある。これは1時間ごとに自動ですべてのファイルを差分バックアップしており、何か問題があった場合は1時間単位ですべての状態を「巻き戻す」ことができる。もちろん特定のファイルだけを戻すこともできる。
一方で1つの仕事が終わったら、基本的にはもう頻繁には中身を参照しないはずだ。だがたまに、そう言えばこないだはどうやって作ったかな、あのデータはどこいったかな、ということが起こる。
筆者の場合、原稿や写真データは毎週1回、2台のNASへ自動的に増分バックアップされるよう、スクリプト機能付きのバックアッププログラムを動かしている。そうして3カ月を経過した仕事のデータや写真などは、パソコン本体からは消してしまう。パソコンから消えてもNASには残っているので、「そう言えば……」のときはNASの中を探せばいい。
NASが参照できるのはホームネットワークの中だけで、外出先からは探せないという弱点はあるが、これまでそれで困ったことはほとんどない。なまじ大量のデータを持ち歩くよりもリスクは減るし、パソコン内のストレージ容量も空けられるので、ファイルがギュウギュウで身動きできないといったことにはならない。
さらに1年経過したデータは、NASからDVD-RやBD-Rに待避させ、NASからも消去する。NAS容量が無限大に追加できるならいいだろうが、記録として撮っておいた動画などは凄い容量になるので、1年分ぐらいガバッと空けると、買い増ししなくても十分な容量が空けられる。
昨今は「Google フォト」や「Amazon Drive」のように、写真だけなら無限に保存できるクラウドサービスも登場した。筆者も写真はこれらのサービスに自動同期するよう設定はしているが、それはあくまでも出先でPC内のファイルを消失した場合のバックアップであり、全面的に信頼するにはまだ時期尚早ではないかと思っている。
もちろん、上記2社が経営不振に陥るよりも、筆者のほうが先に経営不振に陥る可能性のほうがはるかに高いのは承知である。しかし、こうしたサービスは未来永劫このままの状態で続くことが保証されているわけでもなく、突然の事故で全アーカイブがなくなったり、何らかの理由でログインできなくなったりすることはあり得る。クラウドはあくまでも二次的アーカイブとして、元気に動いているときには便利に使うとして、本番のアーカイブは自分でしっかり管理すると言うのが、今のところベストかなと考えている。
リアルのお掃除も大事だが、バーチャルなお掃除も作業効率に大きく影響する。皆さんも自分の作業フォルダの中を見渡して、何のファイルだったか思い出せないぐらい昔のデータがないか、年内のうちにチェックしておいたほうがいいのではないだろうか。(了)
本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)
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