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油断してたら大惨事! 海外でのお尻事情──コデラ総研 家庭部(81)

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 日本人の一般的な家庭の主婦
  • 海外旅行や出張を頻繁に行う人
  • 温水洗浄便座の便利さを理解している消費者
  • 日本と海外の文化や生活環境の違いに興味がある人
  • 海外での生活や訪問を考えている人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事は、日本での温水洗浄便座の普及状況と、その便利さを享受している日本人の視点から、海外特にアメリカでの状況について述べています。日本国内では温水洗浄便座が非常に広く普及しており、その影響でお尻の清潔さに誇りを持つ話が紹介されています。一方で、海外ではそれが全く一般的ではなく、高級ホテルでも装備されていないことがあるという。その差によって、特に海外出張や旅行中に困る実体験が語られます。

筆者は、アメリカのトイレットペーパーの質が良くないため、長期間の出張中にお尻の状態が悪化したエピソードを紹介しています。これを解決するために、筆者が持参したのはハンディタイプの洗浄機であり、その利用が快適さを大きく向上させたと強調しています。筆者は、温水洗浄便座の快適さを一度体感すれば、その良さがわかるはずであると述べつつ、アメリカのトイレ事情に謎を感じている様子が伝わります。

最終的に、同様の問題を経験したことのある読者に対して、ハンディ・トワレのような製品を検討することを勧めています。また、文末には読者からの意見や質問を募る姿勢も見せており、読者との関係を築こうとしていることがうかがえます。

Text AI要約の元文章

tech

油断してたら大惨事! 海外でのお尻事情──コデラ総研 家庭部(81)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第81回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「油断してたら大惨事! 海外でのお尻事情」。

文・写真:小寺 信良

今の日本では、かなり温水洗浄便座が普及している。何だそれはと思われるかもしれないが、いわゆる「ウォシュレット的なもの」である。ウォシュレットは言うまでもなくTOTOの製品で、1980年代に戸川純を起用したCMによって、知名度を上げた。従って温水洗浄便座はTOTOの発明だと思われているが、実際には1967年に当時の伊奈製陶、現在のLIXILが最初に発売した。

現在は多くのメーカーから類似品が登場しており、2016年3月時点での一般家庭における国内普及率は、81.2%(「トイレナビ」の統計資料)にも上る。そもそも安いものだと、ホームセンターで7,000円ぐらいで購入できるので、普及も進むだろう。自分で取り付けできる工具類も入っているので、水道の分岐が簡単にできる構造になっていれば、取り付け費もかからない。

また家庭だけでなく、オフィスビルや大型商業施設のトイレにも、かなり普及している。一部駅のトイレで未整備なところもあるが、次のリニューアル時には装備されるだろう。

こうした事情もあって、日本のトイレ事情はかなり良好だ。お尻の清潔さにかけては、世界に誇れる民族と言っても過言ではなかろう。

ところが、である。海外に行くと、先進国であってもまったくそんな事情にはなっていないので驚く。毎年CESなどの取材で米国ラスベガスに出張するわけだが、どんな高級ホテルのトイレに入っても、温水洗浄便座は装備されていない。もしかしたらスイートルームのトイレにはあるのかもしれないが、少なくともロビーフロアのトイレにはどこにもない。もちろん筆者が泊まる安ホテルなどは、最初から望むべくもない。

出張なんて1週間ぐらいなんだから、それぐらい我慢しろよと言われるかもしれない。もちろん、単に気持ちいい気持ち悪いの問題ならば我慢もしよう。だが、実害があるとなれば話は別である。

海外出張歴は相当長いほうなのだが、これまでウォシュレットなしでもやってきたことには違いない。だが昨年のCESの出張中、ついに限界が訪れたのだ。各国のトイレ事情は、ウォシュレットの有無もさることながら、トイレットペーパー事情も異なる。アメリカのトイレットペーパーは、水なしで良く拭き取れるようにとの配慮なのか、表面がガサガサしている。単に紙質が悪いだけということかもしれないが、控えめに言っても柔らかい紙ヤスリぐらいの硬度である。

これに対して、ついに肛門が悲鳴を上げた。普段なら多少擦れたぐらいならすぐに直るところなのだが、取材中はだだっ広いCES会場をひたすら歩かなければならない。この過剰な歩行によって、ダメージが拡がった。とうとう会期3日目のお昼にはこれ以上歩けないと判断、いくつかのブース取材を残したままでホテルに戻らざるを得なくなった。

ものすごい威力、「ハンディ・トワレ」

こうした経験から、今年のCESは対策を講じた。ハンディタイプのお尻洗浄機を持参したのだ。購入したのはパナソニックのハンディ・トワレ「DL-P300-K」という製品である(写真1)。要するにタンクに入れた水を噴射するだけの機構だが、実売6000円程度と、それほど安くはない。だがこの値段で売れるということは、それだけ需要もあるのだろう。

写真1:今回持ち込んだ秘密兵器、パナソニックの「ハンディ・トワレ」

ノズルは折り畳み式になっており、使わないときはボディ内にピッタリ埋め込まれる。タンク部分と重ねるようにすれば、体積は半分ぐらいになる(写真2)。タンク部は、別途ペットボトルも使えるようになっている。水量が欲しい場合は、500mlのペットボトルを使うわけだ。

写真2:展開するとかなりの長さに

海外のペットボトルは口が広いものもあるが、製品には海外ペットボトルの規格に合わせた広口のアダプタも付属している。

タンクに水を入れ、モーター部を取り付けたら、あとはノズル部を伸ばしてボタンを押すだけだ。前からでも後ろからでも好きな方向からノズルを差し込み、噴射すれば良い。水流は「強」と「弱」の2つがあるが、「強」でもそれほど強力ではなく、一般の温水洗浄便座の「中」ぐらいである。

この効果が絶大であった。いや、使わない状況と比較はできないのだが、日本にいるときと変わらないコンディションで取材を続けることができたのは、ハンディ・トワレのおかげだろうと確信している。さすがに会場にまで持ち出すのは面倒だったのでホテル内だけでの使用だったが、十分に快適であった。水を入れると冷たいので、適温のお湯を入れて使うといいだろう。

しかし、アメリカという世界最大の先進国でありながら、いつまでもトイレに関してはデリカシーに欠けるのは、不思議である。ハリウッド俳優が来日するたびに温水洗浄便座の虜になって購入して帰るというのは有名な話であるが、アメリカ人だって一度経験すれば、この快適さは理解できるはずだ。

海外で尻が痛い思いをしたことがある諸氏には、ぜひとも検討して頂きたいグッズである。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


変更履歴:
2017年01月30日:初出時「1980年代に故 戸川純を起用したCMによって」と記載しておりました。戸川純さんは、現在も御活躍中です。本当に申し訳ありませんでした。お詫びして訂正いたします。


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