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「株主といっしょに作る」株主総会は、本当に実現できませんか?──カヤックCEO柳澤さんとサイボウズで議論してみた

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 経営者
  • 株主
  • 企業文化に関心のある人
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Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読んで得られる知識は、まず、サイボウズと面白法人カヤックがどのように株主との関係を再定義し、株主総会を単なる業績報告の場から株主との対話の場へと変革しようとしているかという点である。サイボウズは「チームワークあふれる社会づくり」を目標に掲げ、株主を会社の一員と見なして積極的な関与を促す姿勢をとっている。一方、カヤックは「面白株主制度」を通じて株主を巻き込み、彼らからの意見を基に新しい試みを積極的に実施していることが明らかにされている。

柳澤大輔氏は株主を単なる資金提供者とするのではなく、企業の価値を共に創造する仲間として迎え入れる考えを持っており、例えば「株主会議」や、全国を縦断しての株主説明会などを開催している。これに対して、サイボウズの青野慶久社長もまた、株主総会を株主との良好関係を築く場にしようと模索しており、株主にも会社の一員としての意識を持ってもらうにはどうすればよいか考えている。

カヤックの事例では、株主が会社のビジョンや活動に積極的に関与することで企業の発展に貢献している姿が示され、一方でサイボウズは、まだ株主との関係構築に苦慮していることが伺える。この記事からは、企業と株主との関係の再定義が、ただの財務面での関与を超えて、社内外からの最上のアイデアや支援を引き出す可能性があることが読み取れる。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

「株主といっしょに作る」株主総会は、本当に実現できませんか?──カヤックCEO柳澤さんとサイボウズで議論してみた

株主総会というと、かしこまった雰囲気の中で業績発表をし、決まりきったアジェンダに沿って拍手をもらって終わり──。こんなイメージかもしれません。

しかし、「チームワークあふれる社会づくり」を目指すサイボウズでは、株主のみなさんにもサイボウズのチームの一員であってほしいと願い、年に1度の株主総会で「どうやったらサイボウズがもっとよい会社になるか」「会社と株主との関係をどのようにつくっていくべきなのか」を議論できる場にしたい、と考えました。

3月29日、サイボウズの第20回定時株主総会の後、「株主と良好な関係を築き上げるには?」というテーマでパネルディスカッションが開催されました。

ゲストは、面白法人カヤックの代表取締役CEO 柳澤大輔さん。カヤックが実施している株主を巻き込んでいくための施策の数々を聞いて、株主のみなさんも含めて一堂、目からウロコ状態。サイボウズからは社長の青野慶久と副社長の山田理が登壇し、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューで編集長(当時)を務める岩佐文夫さんのファシリテーションで、白熱のディスカッションが行われました。

自分がつくる側、かかわる側になると何でも面白くなる

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(以下、DHBR)の岩佐です。この雑誌は、米国ボストンのハーバード・ビジネス・スクール(以下、HBS)が出しているマネジメント総合誌で、世界13カ国語で発行されています。僕はその日本語版の編集長です。

岩佐文夫さん。1964年大阪府生まれ。1986年に自由学園最高学部を卒業し、同年、財団法人日本生産性本部入職(出版部勤務)。2000年ダイヤモンド社入社、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部。2004年書籍編集局に異動し書籍編集者に。2012年より編集長に。2017年3月末に編集長を退任した

僕自身、ビジネス書や経営誌の編集を30年近くやっていて、「企業って何だ?」「理想の企業ってどういうものだ?」といつも考えています。 「今、日本の中で理想の企業はどこだろう?」という問いに対して、僕はよく4つの会社の名前を出します。実はその1つがサイボウズなんです。好きだからこそもっと知りたい、ということで、今回は司会を務めさせていただくことにしました。

ありがとうございます。

今日の本当の意味でのゲストは、柳澤さんです。カヤックさんのことはいろいろ存じ上げていて、「何なんだ、この会社? どこまで本気なんだ?」と思っていたら、現実に上場企業の社長としてビジネスを展開されるまでになってしまった(笑)。 まずは柳澤さんから、カヤックの経営や株主と経営の関係について、お話いただけますか?

柳澤です。「面白法人」というキャッチコピーをつけたカヤックを、19年前に創業しました。現在、社員数は300人くらい。ほぼ9割がクリエーターです。アプリやゲーム、広告などをつくっています。

柳澤大輔(やなさわ・だいすけ)さん。面白法人カヤック代表取締役CEO。1974年香港生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。1998年、学生時代の友人と共に面白法人カヤックを設立。鎌倉に本社を構え、鎌倉からオリジナリティのあるコンテンツをWebサイト、スマートフォンアプリ、ソーシャルゲーム市場に発信する。ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給)や、ワークスタイル(旅する支社)を発信し、「面白法人」というキャッチコピーの名のもと新しい会社のスタイルに挑戦中。2015年株式会社TOWの社外取締役、2016年クックパッド株式会社の社外取締役に就任。著書に『面白法人カヤック会社案内』(プレジデント社)、『アイデアは考えるな』(日経BP社)などがある

カヤックは15年前から鎌倉に本社を置いています。人間の生活を豊かにするITが発達すれば、どこでも働ける時代が来るだろう、ということで鎌倉に本社を立ち上げたのですが、実際はほかのIT企業がなかなか来なくて……。ここにきてようやく増えてきました(笑)。 そんな中、鎌倉投信という会社の投資対象にウチとサイボウズさんがなりました。そのご縁で青野社長と知り合い、今回、参加させていただくことになったんです。

なるほど。

鎌倉投信は、「よい会社にしか投資しない」というポリシーを持っている投資会社です。とはいえ、事業内容で良し悪しを判断するのは難しいじゃないですか? 例えばゲームにしても、好きな人にはよいものですが、嫌いな人にとっては意味のないものですから。 そうすると判断の基準は、「どういうビジョンを持って世の中に価値観を示しているか」になるわけです。そこを上位概念に置いていないと、株式会社というのはそもそもお金を集めて増やすために生まれたものなので、おかしな方向に行ってしまいかねません。

カヤックの最上位概念とは何でしょうか?

面白法人というキャッチコピーにもあるように、「面白がる人を増やす」ことです。 「面白い人」を増やすのは無理なんですよ。けれども「面白がる人」は増やせるし、増えれば世の中が楽しくなるだろうと。 とはいえ、ただ面白がってくださいというのもまた難しい(笑)。そこで、「つくる人を増やす」というのを理念にしました。 何にしても、自分がつくる側、かかわる側になると面白くなるじゃないですか? ゲームもただやってくださいというのではなく、ユーザーに運営に参加してもらう。また、社員に鎌倉関連の活動に参加してもらって、会社のある鎌倉を好きな人を増やすこともやってきました。 同様に、株主にもカヤックという会社をいっしょにつくっていると感じてもらえるようになれば、もっと好きになってもらえると考えたんです。

具体的には何をしたんですか?

面白株主制度」というのをつくりました。例えば、オンライン上で株主だけがブレストして、そこからアイデアをもらう「株主会議」とか。「とにかく巻き込んでいこう」ということでいろいろやっています。

面白株主制度では、株主会議のほかに、株主経由で社員の入社が決まると鳩サブレーを39(サンキュー)枚プレゼントする「株主人事部化大作戦」、1日限定でカヤックについて株主に真剣にブレストしてもらう「株主版ぜんいん社長合宿」、ラッピングバスで全国縦断し、個人投資家向けに会社説明会をする「全国縦断!バスで旅する投資家説明会」も実施している

会議の中で一番嫌いなのが株主総会。どうしたらいい?

いきなり僕の予想を超えていましたね(笑)。いろいろ聞きたくなるんですが、まず1つ、株主と合宿に行って歩調が合うんですか? 柳澤さんはカヤックのことを四六時中考えているけど、株主は面白がって来るだけかもしれないし、そもそも株なんて売っちゃえばいいわけですよね? そのへんの温度差はどうなんでしょう?

岩佐さんによると、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)では、2008年にリーマンショックを機に「株価を追求する経営って本当に正しいのか?」「経営って何なんだ?」「企業は社会とどう向き合うべきなんだ?」と自問自答し、自らを見直したという。「今ではHBSの卒業生の半数がNPOに行くようになっていますし、社会的価値と経済的価値の融合が、経営学の一番ホットなトピックになっています」(岩佐さん)

回答になるかわかりませんが、われわれはモノをつくって世の中に出している企業なので、社会との接点は多ければ多いほどいいと思っているんです。 今、株主は4000人くらいです。そのみなさんがカヤックのことを広めてくれたり、意見を言ってくれたりすると、社会との接点が増えるじゃないですか? 実際、上場してから、新サービスの情報が広まる初速は、格段に速くなりました。注目度が高まるのにはよい面も悪い面もありますが。

なるほど。

例えば、「採用キャンペーンをいっしょに考えてください」というお題をだした時に、ある株主から「佐藤採用」というアイデアが挙がりました。「名字が佐藤という人だけを採用するキャンペーンをやったらいいのでは?」と。 こういうアイデアに真剣に取り組みます。もっとよいアイデアにしようということで、面接官を全員佐藤という名前の社員で揃えたり、エントリーフォームも名前を入力する名字の箇所がすでに佐藤で固定されているとか(笑)。

ははは。

そうすると、「言ったことが本当に実現して何かが生まれるんだ」という空気が株主の側にも出てきます。実際に意見を言ったり参加してくれたりする人の割合は、まだまだわずかですけどね。

最初のジャブがこんなに面白いとは思いませんでした(笑)。今のお話を受けて、青野さんと山田さんから、サイボウズが考える株主との関係や、株主総会に対する想いを語っていただけますか?

僕はそのあたりについてずっと悩んでいて……。

青野 慶久(あおの よしひさ)。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。2011年から事業のクラウド化を進める。総務省ワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある

サイボウズは2000年に、創業からわずか3年で上場したんです。正直、「株主とこんな関係を作りたい」みたいな思考が深まる前に上場して、それからどんどん株主が増え、ずっと普通に株主総会をやってきました。 そんな中で柳澤さんが、「株主はメンバーなんだ」とうたっていることを知り、「すごくいいな。株主にも味方になってもらえればそれに越したことはないな」と思いました。それに近づけたいと模索しているところです。

柳澤さんとお目にかかるのは初めてなんですが、(カヤックさんの株主との実際のやりとりを聞いて)、いかに自分がまっとうな人間かを思い知りました(笑)。ここに座っているのがちょっと恥ずかしいくらいです。

僕はサイボウズが2000年に上場してから17年間、ずっと株主総会に出席していますが、実は会社がやる会議の中で一番嫌いな会議が株主総会なんです(笑)。株主の方々は、会社を所有していただいている本当にコアな人たちであるにもかかわらず、僕は株主総会ではほかのどの会議よりも緊張して、話もぎごちなくなるんですよ。どうしたらいいかとずっと考え続けているんですが……。 結局、株主の方々は投資する会社を選べますが、僕たちは株主を選べないじゃないですか? カヤックさんがここまで能動的に株主と仲良くしていこうとしているのは本当にすごいなと思いました。

株主総会の場で、株主同士にも仲良くなってもらう

僕は仕事柄、インサイダーになる可能性が否定できないので、株を買えない立場であり、あまり株主総会に出たことはないんですが、今回サイボウズさんの株主総会に出てみて、やはり堅いな、つまらないなと思ってしまいました(笑)。サイボウズさんなら違うかもと期待していたんですが。

ああ。

何でだろう? と考えながら思い出したのは、マンションの管理組合の総会です。会議には2種類ありますよね。「何かを生み出す会議」と、「ミスがあってはいけない会議」があります。 マンションの理事会の総会や株主総会は、後者そのものです。やはりそこに楽しさを求めてはいけないのでしょうか

株主さんと「どんな株主総会にしようか」とブレストをしたことがあって、「議題とそれ以外のパートを分ける」とよいのでは、となりました。議題のパートは、発言内容によっては問題になりかねないので、話す側はどうしても緊張しますよね。業績がよい時と悪い時でトーンを変えるわけにもいかないので、どうしても淡々とせざるを得ないですし(笑)。

サンドイッチ構成にしているんですね。

ええ。議題パートの前にブレストをやって、終わった後にも「おまけ株主総会」でフリーディスカッションをするといったように、パートを分けているんです。おまけ株主総会では、全役員がくだけた話もします。人柄もわかるし、何を考えているかわからない、ということにもなりません。

場所はどこでやっているんですか?

鎌倉の建長寺です。われわれは鎌倉関連の活動もしているので、建長寺さんの好意でお借りしています。

建長寺ですか!(笑)

毎年そうですね。遠いからもっと来やすい場所がいいなど、賛否両論ありますが。カヤックは鎌倉が本社ですし、株主さんにも鎌倉を好きになってもらいたいと思っていて。「ついでに鎌倉を観光してはいかがですか?」と伝えてみたりします。

そういうところも含めて面白さをわかってくれる人に株主になってほしいということなんでしょうね。

そうですね。場所は大事だと思いますよ。すごく温かい雰囲気になります。 最初にブレストをやるのもいいです。株主同士5〜6人でチームを組んでアイデア出しをしてもらうので、そこで仲良くなってもらえる場にもなっていると思います。

へえ~っ、いいですね! 通常の株主総会だと、座席の配置が向かい合っていることもあってか、「経営者vs株主」みたいに、お互いファイティングポーズを取り合うような構図になりがちですよね。

ブレストには社員も入りますし。

面白いですねえ。

株主同士も顔見知りになるとなごみますよね。今日、会場にいらっしゃる株主のみなさんについて、僕らも誰かは知りません。知らない人同士が1年に1回だけ集まってマジメな話をするんだから、どうしても堅くなりますよね。ここでもまずは株主さん同士の自己紹介でもしましょうか(笑)

カヤックさんは株主総会を、「カヤックが好き」という人と「鎌倉が好き」という人を束ねる場にしているのもうまいですよね。 サイボウズさんも、「サイボウズが好き」にプラスして、何かもう1つキーワードを設定して、それで場をつくれるといいのではと思いました。

確かに。

サイボウズは株主にもっとコミットしてもらわなくてはいけないのかもしれない

株主の方々は、サイボウズのために平日にわざわざ時間を割いて、株主総会に参加してくださっています。サイボウズに何を期待して、来てくれているのだと思いますか?

僕は他社の株主総会に出たことがないんです。ということは、あまり期待したことがないということでしょうね。そこは探求が足りていません……。

すごく好きか、嫌いかはわかりませんが、ものすごく興味を持っていただいているのだと思います。特に毎年来てくださる方は、好意というか、「サイボウズは面白いな」と思ってくれているのかなと。

山田 理(やまだ おさむ)。サイボウズ 取締役副社長 兼 サイボウズUSA(Kintone Corporation)社長。1992年日本興業銀行入行。2000年にサイボウズへ転職し、責任者として財務、人事および法務部門を担当し、同社の人事制度・教育研修制度の構築を手がける。2014年からグローバルへの事業拡大を企図し、米国現地法人立ち上げのためサンフランシスコに赴任し、現在に至る。

柳澤さんは客観的に見て、サイボウズの株主の方々は、どうして株主総会に来てくれていると思いますか?

サイボウズさんのここ数年の情報発信は突き抜けていますから、いらしているのは、そこに対する理解がある方々なんだろうと思いますね。

ほかには?

社会に役立つ事業に投資することに、興味関心を持っている方々なのかなとも思います。 2008年にリーマンショックが起きましたよね。投資をしていない人の記憶にはほとんど残っていないかもしれませんが、あれは金融資本主義の中ではかなりのインパクトがあった出来事です。

うんうん。

そこから「行き過ぎた会社に投資するのは良くない」という大きな転換がありました。今は、お金の出し手であるファンドも、そういう考えになるところも出ています。 ただ、結局、大もとにあるお金は個人の資産なわけで。個人株主の意識が「よい会社にしか投資しない」と変わっていかないと、世の中は良くならないと思います。 そういう意味で、ここにいる方々は、サイボウズさんがやっているのはよいことだと共感しているのではないでしょうか。

青野さんは、「会社はチームであり、株主も入れたチームにしたい」とおっしゃっています。チームであるならば、極端な話、サイボウズと株主の関係はホストと客ではないということになりますよね。「株主もチームの一員」となった時の具体的なイメージはありますか?

正直、その関係性はイマイチ具体的なイメージにまではなっていないですね。 社員と株主の違いは、社員は時間を割いて労働を提供してくれているのに対して、株主は「お金を出します、以上」なわけです。 そうじゃなく、もっとコミットしていただける関係にならなくてはいけないのかもしれません。「サイボウズの株主になったら、申し訳ないけれどもこの点はコミットしてほしい」みたいに。そうすると、より主体性が生まれ、チーム感も出てくるのかなと。

お金だけじゃなく、もっといろんなものを出してほしいと(笑)

株主「逆」優待みたいな(笑)

そういう意味では、カヤックさんは株主からアイデアを出してもらっているわけですよね。

ええ。

僕ら自身、株主さんに「チームのメンバーとして必ずこうしてください」と課すわけでなく、「こういうことをやりたいな、やってあげたいな」と思ってもらえる関係をつくっていきたい。現状、唯一の接点が、僕の一番嫌いな株主総会なわけですから(笑)

DHBRの最終ページに、「前号を読んで」というコーナーがあるんです。毎号2名に、前号を読んで感じたことを辛口で書いてもらうのですが、副次的な効果もあって。書いてくださった方のHBRに対するコミットが、以後、格段に高まるんですよ。 人と関係を結ぶ時って、こちらがサービスを提供するのではなく、「何かをしてもらう」関係ができると強まるんだと実感しています。

おっしゃるとおりだと思いますね。カヤックで以前、注文住宅を建てたい人と建築家をマッチングさせるサービスを提供していたことがあるんです。その際もやはり、建てたい人が「買う」という感覚だと、後々ちょっと気に入らない点が出てきた時にモメたりするんですよ。 そうではなく、「いっしょにつくる」という感覚だと、失敗も愛せて、「いっしょに直していきましょう」となる。そのほうがお互いハッピーですよね。

「いっしょにつくる」ですか。確かにそうですね。

後編に続きます。

2017年5月10日役員のボーナスの一部が、株主のさじ加減で決まるのはアリですか?──株主と会社の理想の関係について議論してみた

文:荒濱 一/写真:谷川 真紀子

2016年6月29日経営者は株主を重視しすぎじゃないか?──「会社は世の中を豊かにする器」をサイボウズ株主総会から掘り下げる
2016年10月11日お金や利益が目的になってしまった会社は、基本的にダメになります──鎌倉投信 新井和宏 ×青野慶久
2014年8月27日「赤字って本当にいけないことですか?」東京糸井重里事務所 篠田CFO×サイボウズ 山田副社長対談

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執筆

ライター

荒濱 一

ライター・コピーライター。ビジネス、IT/デジタル機器、著名人インタビューなど幅広い分野で記事を執筆。著書に『結局「仕組み」を作った人が勝っている』『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)。

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