サイボウズ株式会社

「今日からスーツやめます」——年中スーツ姿のサイボウズ青野が、スマイルズ遠山社長の複業コーディネートを受けてみた

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • ビジネスパーソン
  • ファッションに興味がある人
  • 企業経営者
  • 合理的な考え方を持つ人
  • 時間を効率的に使いたい人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事では、サイボウズの青野慶久社長が、自身の服装をスマイルズの遠山正道社長にコーディネートしてもらう様子を通して、合理性とファッションを両立させる方法について紹介されています。青野は普段、服選びに時間をかけたくないという考えから、シンプルで機能的な服装を好んでいました。しかし、遠山社長の手配したファッションコーディネートにより、合理的でありながらおしゃれであるスタイルを実現します。

遠山社長は、青野が常に同じスタイルでいられるように、機能的で着回しが可能なアイテムを選び出し、サイボウズのテーマカラーであるブルーに合わせたシャツやジャケットを用意しました。また、パターン違いのシャツを用いることで、日々の変化をさりげなく演出し、着心地の良さだけでなく、おしゃれも意識したコーディネートを提供しました。

さらに、青野にとって必要のない「オシャレをする時間」を短縮する工夫がされており、合理性を重視した視点からも納得できるファッションを楽しむことができるようになっています。この一連のプロセスを通して、仕事の効率を上げながらも新しいスタイルを取り入れることで、ファッションが持つ潜在的な価値に気づく内容が展開されています。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

みんな、どんな複業をしているの?(30〜50代)

「今日からスーツやめます」——年中スーツ姿のサイボウズ青野が、スマイルズ遠山社長の複業コーディネートを受けてみた

ある日、サイボウズ式編集部は気づいた

某日。サイボウズ式編集部員の明石は、あることに気づきました。

明石悠佳
以前せっかくZOZOTOWNの方にコーディネートしてもらったのに、青野さんの服装が全然変わってないな……!?

約4年前、ZOZOTOWNさんにコーディネートしていただいた時のビフォーアフター。


ここ最近の青野の服装。約4年前ZOZOTOWNさんにコーディネートしていただいた服はお気に入りで何度も着ているが、青野自身でファッションを楽しむまでには至っていない様子……。


代表取締役社長の青野慶久は極度に合理的な性格の持ち主であり、着る服についても「楽で無駄がなければいい」と考えています。そのため、服装選びに時間をかけることは青野にとって「無駄」であり、会社では年中スーツ、講演会では時にTシャツ姿で登壇することも。

明石悠佳
青野さんでも毎日着たくなるお洒落なコーディネートって、果たして存在するのかな……?

せっかくなら経営センスだけでなくファッションセンスも身に付けてほしい明石は、ある人に会いにいくことにしました。

複業でファッションコーディネーターを務める社長のもとへ……!

明石が訪れたのは、Soup Stock Tokyoなどで知られる株式会社スマイルズさん。


中目黒にあるスマイルズ本社へ。オフィスも社員さんもとんでもなくお洒落。

同社は今年の春「業務外業務」というユニークなサービスを開始し、時間の切り売りではなく"ヒト×コト"が紐づいた唯一無二の商品を扱っています。遠山正道社長自らも複業人として、本来の業務とはまったく関係ない分野で複業されています。

遠山社長のページを見ると、“あなたのコーディネート”や“茶話会”、”ナレーション”といった商品がズラリ……!


今回はこの「業務外業務」の商品を注文し、遠山社長に青野のコーディネートをお願いすることにしました。

経営者が考える経営者のためのコーディネート企画、始まります!

「服を選ぶ時間」がもったいないと感じる青野のために……

明石悠佳
ということで、青野さんのビジネスファッションをカッコよくしたいんです。よろしくお願いします!

遠山正道
青野さんは、どんな雰囲気がいいんだろうね? 元松下電工の方だから、松下幸之助風に仕上げるとか?

遠山 正道(とおやま・まさみち)さん。株式会社スマイルズ 代表取締役社長。食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイ専門店「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファミリーレストラン「100本のスプーン」、コンテンポラリーフード&リカー「PAVILION」、海苔弁専門店「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」を展開。また、株式会社スマイルズがアーティストとして「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」や「瀬戸内国際芸術祭2016」に作品を出品する取組みも行っている。近著に『成功することを決めた』(新潮文庫)、『やりたいことをやるビジネスモデル-PASS THE BATONの軌跡』(弘文堂)がある。

明石悠佳
(松下幸之助風……!?)青野さんはファッションに興味がないわけではないんです。以前ZOZOTOWNさんに協力いただいたときも、着こなし方についてノリノリで聞いていたので。

遠山正道
じゃあ、どうして自分でコーディネートしないんだろう?

明石悠佳
たぶん、合理的すぎて、1パターンで十分って考えてしまうんです。無駄な時間を極度に嫌うので、「服を選ぶ時間」がもったいないと感じているのかと。

遠山正道
なるほど。じゃあ、考える時間が不要な「"着回しアイテム"一式」を手配したら、きっと毎日楽しんでもらえるかな?

明石悠佳
それです……! それを是非お願いしたいです!

遠山正道
じゃあ講演会から普段のビジネスでも使えるようなものを一式選んで、買ってこようと思います。

明石悠佳
え!? 社長自ら買いに行くんですか?

遠山正道
通常は、ご本人様と一緒に店舗を回りながら買い物をするんですが、今回は青野さんとスケジュールが合わないようなので、私の方で店舗を回ってきます。

じゃあ、また準備ができたら連絡しますね。

明石悠佳
ありがとうございます、よろしくお願いします!(松下幸之助風の着回しアイテム一式になったら、青野さんにどうやって説明しよう……)

ということで、銀座の老舗テーラー「壹番館洋服店」に出かけていった遠山社長。写真左は、壹番館洋服店の社長、渡辺新さん。


「本当は青野さんと一緒にお店に行って、サイズ感とかも確認したいんだけどね」と言いながら、青野に似合う服をひとつひとつ選んでいきました。

壱番館洋服店の他にも、「オニツカタイガー」や「MINOTAUR」などで、その他の着回しアイテム一式を選んでくださった遠山さん。そして約2ヶ月後、とうとう、青野が変身する日が訪れたのです。

【コーディネート当日】遠山社長による「青野のためのコンセプト」

青野慶久
忙しいのにわざわざすみません。本当にうれしいです。

遠山正道
いえいえ。本業ではないですけど、これも仕事のひとつですから。むしろ、このコーディネートの複業をしている時が一番楽しかったりするんですよ(笑)。

テーブルに並べられた、選りすぐりの洋服たち。「さっそく見てみましょうか」と遠山社長。

遠山正道
これまでも「業務外業務」として何度かコーディネートを担当させてもらったんですが、いつも最初に、コンセプトを決めることからやっています。

青野慶久
じゃあ、今回もコンセプトが?

遠山正道
はい。編集部の方から相談されたとき、青野さんはかなり合理的で、理系的な考え方をされる方だと伺いました。

青野慶久
はい、自分でもそう思います。

遠山正道
そこで今回のコンセプトは、「できるだけ機能的であり、伝統的かつ革新的であること」にしました。

なおかつ「何も考えずに選べる」ように、着回しアイテムを一式ご用意しました。経営者であり合理的である青野さんには、ピッタリじゃないかと。

青野慶久
とても期待できますね、それは!

遠山正道
わかりやすいところで言うと、スティーブ・ジョブズみたいに、いつも決まったスタイルでいられるようにしました。

青野慶久
うわー、もう、それが一番欲しかったやつです!

得意じゃないことは、自分で考えても時間の無駄だと思っているんですよ(笑)。だからいつも、服にできるだけ悩みたくない。決まったスタイルでいられるのは本当に助かります。

遠山社長が選んだこだわりづくしの洋服たち


ひとつずつ手に取りながら、どうしてその商品を選んだのか説明していく遠山社長。繰り広げられる専門的なファッションの話に、青野はついていくので必死な様子……。

遠山正道
サイボウズさんなので、テーマカラーはブルー。シャツを5枚、同じ生地でオーダーしましたので、月~金で着ることができます。

青野慶久
本当にジョブズみたいですね。何も悩まなくていいのが嬉しい。

遠山正道
でも、この5枚はすべて襟の形が違うんです。ワイド、ラウンド、開襟など、本人もわからないうちに毎日変化できています(笑)。

ボタンダウンや開襟や丸襟など、1枚1枚それぞれに襟の形が違う。果たして、このさりげないお洒落にサイボウズ社員は気づくのだろうか……

青野慶久
じゃあ社員から「毎日同じじゃないですか」ってツッコまれても、「襟が全部違うんだよ!」って返せるんですね。すばらしいですね(笑)。

遠山正道
ジャケットの素材は、機能性を重視して、シワになりにくいアクリルを選びました。

青野慶久
シワを気にしないでいいのも、助かります。

遠山正道
あとは、大きな流れで言うと、青野さんが今着ているものはスーツなんですけど、これは、ジャケットとパンツなんですね。

青野慶久
??????????

遠山正道
スーツっていうのは、肩にパットが入っていて、着崩れないように型がキッチリしていて、服に自分を当て込んで着るイメージなんです。それに、上下セットで着ることが一般的です。

青野慶久
はい。

遠山正道
でも、セットアップのジャケットとパンツっていうのは、パットもないし、他の服と合わせてもいいんです。スラックスじゃなくてデニムを合わせてもいいし、パンツに違うジャケットを合わせてもいい。分離してカジュアルにも使えるんですよ。

青野慶久
はい……。

遠山正道
あと、ジャケット・パンツスタイルに白いTシャツとかを合わせると、今どきな感じになりますよね。白いスニーカーもそうかな。代表格はスタンスミスとか。そういった組み合わせが今、また流行ってきていますよね。

青野慶久
??????????

遠山正道
……実際に着た方が早いですかね?(笑)

青野慶久
お願いします(笑)。


ということで、実際に着てみることに!


1着目 シャツをタックアウトしたイマドキコーディネート

青野慶久
じゃーーーん!

明石悠佳
おおーーーーーーー!

遠山正道
いい感じですよ。ぜひ鏡を見てください。

BEFORE

















AFTER

タックアウトしたシャツを第一ボタンまで締めることで、カルチャー感を演出したコーデ。ロールアップしたパンツで足元に抜け感を。

青野慶久
とても動きやすいですね! 驚いています。このジャケットが本当に軽いんですよ……!

遠山正道
ジャケットとパンツは「MINOTAUR(ミノトール)」という国産ブランドのものです。私もよく着ているんですが、このブランドは機能性とデザインどちらも両立されていて、なにより素材がとにかく軽いんです。

「いやあ、衝撃的ですよこれは……。」


「パンツの裾をロールアップされたことは、ありますか?」「初めてです。」「シャツを第一ボタンまで留めたことは?」「初めてです。」「シャツをパンツにしまわない格好は?」「初めてです……!」「初めてだらけですね(笑)。」

遠山正道
そのうち慣れてきて、もうタックインには戻れなくなると思います。ラクでしょう?

青野慶久
違和感すごいですけど、ラクですね。集中力が上がりそうです。

初めてのタックアウトに照れる青野。遠山社長「ちょっと裾が長いので、あとでお直しに出しましょう」

遠山正道
あと、壹番館でオーダーしたシャツには、少し遊び心を入れています。

青野慶久
遊び心……?

遠山正道
腰の上ぐらいを見てみてください。

「腰の上……?」

青野慶久
CYBって書いてある!

遠山正道
はい、「Cybozu」の「CYB」です。

青野慶久
芸が細かい!(笑)

遠山正道
また、足元には伝統的なものをと思って、アシックスのオニツカタイガーを用意しました。

青野慶久
スポーツシューズですよね?

遠山正道
オニツカタイガーを履いた選手が東京オリンピックで金メダルを20個取ったなどの歴史がありますが、現在もオニツカタイガーはヨーロッパのファッション界隈ではかなり人気で、日本を代表するブランドなんです。

青野慶久
知らなかったです。

遠山正道
1960年代から続く、流行を越えた傑作。最近になって本革でできた国産高級モデルが出たので、今回はそちらを用意しました。伝統と革新の一足です。

青野慶久
海外のお客様に日本の良さをアピールできそうですね。『日本発、世界へ』というのは、サイボウズが目指すところと同じです。ストーリーがあるので、履くことに誇りを感じられます。

遠山さん、僕は今日、ここにきて良かったです……!

遠山正道
ありがとうございます。

2着目 濃紺×濃紺でつくる上級リラックスコーデ

今回は着回しできる服ということで、別の組み合わせも試してみることにした青野。遠山社長に付き添ってもらいながら、2着目にお色直しです。

そして出来上がったコーディネートがこちらです!

BEFORE

















AFTER

遠山正道
今度は、ミノトールのTシャツに、オニツカタイガーのジャケットを合わせたスタイルです。

青野慶久
これもまた動きやすいですね! 解放感があります。

遠山正道
もう窮屈な服には戻れなくなりますよね。あと、このジャケットは、非常にユニークですよ。

青野慶久
え、何かあるんですか?

遠山正道
このように、フェイクで別素材を付けることができて、インナーにジャージを合わせたように見せられます。

青野慶久
すごい! なんですかこれ!

遠山正道
私はこういうの好きなんですが、レイヤード、つまり重ね着しているかのように見えるジャケットなんです。

青野慶久
かなりユニークですね。

遠山正道
ハードルが高いなと思ったら、ファスナーで外せますから。使いたくなったときに付けてみてください。

青野慶久
できるようになるかなあ……。

遠山正道
「あれ、青野さん何ですかそれ?」と社員さんに尋ねられたら、「ああ、レイヤードだよ?」って余裕そうに言えばいいんですよ(笑)。

青野慶久
言える気がしないです(笑)。

着回しコーディネートの反応は……?


こうして2着の着回しを終えた青野。遠山社長が、さっそく感想を聞いてみます。

遠山正道
以上が手配したコーディネートでした。いかがでしたか?

青野慶久
天地がひっくり返ったような感覚です。

遠山正道
うれしいです(笑)。

青野慶久
これまで、「オシャレ」は窮屈で時間がかかるものだと思っていたんですね。でも、今回遠山さんが提供してくださった服を着て、「機能性・合理性を追求してもいいんだ」ってことに気付けたんです。

快適性や機能性とオシャレは両立する。むしろ、そこに見えてくる「美」があるなあと思えました。

遠山正道
そうですね。私は、サイボウズという会社の代表である青野さんのような方こそ、服に関して「窮屈であるべき」という発想は捨てたほうがいいと思っています。

「自分らしく、働きやすくいる」って、大切なことですからね。

青野慶久
おっしゃるとおりだと思います。もう、今日からスーツやめます! ありがとうございました!

「このままサイフとか小物も変えて、床屋にまで連れていきたいんですけどね(笑)」と冗談交じりに話していた遠山社長。本来の業務とは違ったところで、自分の得意な分野、好きな分野を仕事にすることをとても楽しんでいるようでした。

後編では、スマイルズさんの「業務外業務」をはじめ、遠山社長と青野が考える「これからの働き方」について対談した内容を公開します。

おまけ

ちなみに今回の企画にかかった費用◯十万円は、青野のポケットマネーで全額お支払となりました。「現金で受け取ることなんてなかなかないですよね。複業っていいですねえ(笑)。」と話す遠山社長が印象的でした。

11/8,9に開催されたCybozu Daysの基調講演にて。さっそく青野がミノトールのセットアップを着ていました。

執筆・カツセマサヒコ/撮影・橋本直己(一部橋本美花、泉谷由梨子 / ハフポスト日本版)/企画編集・明石悠佳

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撮影・イラスト

写真家

橋本 直己

フリーランスのカメラマン・エディトリアルデザイナー。趣味は尺八。そして毎日スプラトゥーン2をやっています。

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編集

ライター

あかしゆか

1992年生まれ、京都出身、東京在住。 大学時代に本屋で働いた経験から、文章に関わる仕事がしたいと編集者を目指すように。2015年サイボウズへ新卒で入社。製品プロモーション、サイボウズ式編集部での経験を経て、2020年フリーランスへ。現在は、ウェブや紙など媒体を問わず、編集者・ライターとして活動をしている。

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