サイボウズは、革新的なイメージを持たれることも多いが、実際には非常に基本に忠実な企業であるということがわかります。給与決定の基準として市場価値を参考にするなど、外から見ると新しい事例がある一方で、日常的な業務運営においては、一般的に「普通」とされることをしっかり実行しています。この「普通」とは、情報の公開や会議の目的の明確化といった基本的なビジネスのルールに従った運営を指しており、それを徹底することで、理想的な「普通の会社」として機能しているという点が特徴です。

また、サイボウズでは期日厳守を重視しすぎず、業務の見直しやプロジェクトの柔軟な対応をすることにより、独自の「ゆるさ」を持ちながらも成果をあげる運営を目指しています。しかし、この方法が時に「ゆるすぎる」と外から見られることもあるようです。

サイボウズは、内部の情報共有の透明性にも力を入れており、グループウェアを活用することで社内のやり取りをオープンにし、社員全員がその情報を元に組織文化を学ぶことができる環境を整えています。このような情報公開の姿勢は、他社にはあまり見られない点として特筆されます。

さらに驚くべき点として、サイボウズは自社の存続よりも社会に役立つことを目標とし、最終的にはNPOや財団のような形態になる可能性についても検討しています。この視点は、企業の将来ビジョンとして非常にユニークです。サイボウズが描く未来は、組織の形を超えた広がりを持っており、これからの活動が注目されます。