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いずれ親は死ぬということ──コデラ総研 家庭部(96)

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 成人している子供のいる親世代
  • これから親の介護や葬儀を視野に入れている人
  • 葬儀について事前に知識を持っておきたい人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読むことで、読者は親が亡くなった際に準備しておくべき事柄について学ぶことができる。具体的には、まず自分の実家の宗教やその宗派、そして檀家寺の有無を確認しておく重要性が述べられている。また、葬儀社や葬祭場の選定についても、親が事前に積み立てをしている可能性があるため、事前に確認しておくと良いとされている。葬儀に関連しては、連絡先データベースを作成することで通夜・葬儀の際に困らないようにすることや、生花・花輪の発注、受付の割り当て、挨拶する人を決めておく必要性が強調されている。さらに、葬儀費用についても事前に把握しておくことの重要性が述べられており、具体的な費用や予想されるローンについての考察が紹介されている。記事全体を通じて、親を亡くすという避けられない現実に備えて様々な事前準備が必要であることが説明されている。

Text AI要約の元文章

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いずれ親は死ぬということ──コデラ総研 家庭部(96)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第96回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「いずれ親は死ぬということ」。

文・写真:小寺 信良

先日、母が亡くなった。親にはいつまでも元気で居てもらうのが一番だが、通常の順番であれば、我々よりも親のほうが先に亡くなる。親の死というのはいくら薄々は覚悟していても、やはり突然訪れるものだ。元気なときから死んだときの話をするのは不謹慎だと叱られるかもしれないが、今回、事後の話を内々に決めておいて良かったと思うことが多々あった。

まず基本的なところとしては、自分の実家の宗教である。筆者宅は神道なので宗派などはないが、仏教はかなり複雑のようだ。宗教信仰の薄い家庭では、自分のところの正確な宗派を知らないという人も希にある。また檀家寺があるのかないのか、今ある墓にそのまま入れるのか、そういうことも確認しておくべきだ。

次に注意すべきは、葬儀社および葬祭場である。当然、亡くなってから手配するものではあるが、親が懇意にしていたところはないか、あらかじめ聞いておいたほうがいいだろう。昨今は葬祭社が事前の積み立て制度などを導入している。うちは親自身が長いこと積み立てしていたので、いろいろな割引が使え、支払いの面で半額程度まで下がった。

多くのことは葬儀社さんに任せれば段取りしてくれるが、葬儀社さんがやってくれないのが、通夜葬儀の連絡である。親の代の親戚付き合いを、子供の代が把握していないケースは珍しくない。特に親のいとこや友人、すでに亡くなったおじ・おばの子孫の代になると、なかなか分からない。それこそ親がしっかりしている間に、住所と電話番号、親との関係を記した連絡先のデータベースを作っておくべきだ。

こうしたベースがないと、葬儀の際に親族として座ってもらう順番も分からない。そういうことを仕切ってくれるおじ・おばがいればいいが、いざ会葬にみえてから、あなたはどなたですかなどとマヌケなことを聞くわけにもいかないだろう。血縁の近い順を間違えて、あとから本当はオレのほうが先だったなどと言われるのも面倒な話である。

葬儀に必要なこと

葬儀に必要なものには、発注して時間がかかるものもある。悲しんでいる場合ではなく、そういうのだけは先にまとめておかなければならないので、そこは覚悟が必要だ。

まずは生花・花輪の発注である。親族として出す分は、斎場に発注するのが普通だろう。誰の名前で何本出すのか、その取りまとめが必要だ。遠方の縁者の場合は、他に発注して持ってくるケースもあるだろう。受け取りなどは、斎場のスタッフがやってくれるので、そこは心配することはない。

通夜・告別式に際しては、受付が2、3名ほど必要だ。香典を預かる都合上、あまり物慣れしていない若い人に頼むと間違いが起こる。縁者でしっかりした人を選ぶべきだが、受付にいるということは、葬儀の大半には出席できないということでもある。あまり近親者を選ぶと気の毒なことになるので、バランスが大事である。地域によっては、自治会の方が受付を引き受けてくれるケースもある。実家近隣の方への連絡を早めにしておくと、そういったことが早めに分かる。

通夜、告別式に際しては、親族を代表して誰かが挨拶をする必要がある。通常は喪主が行なうのだが、喪主が年老いた父・母の場合、挨拶がままならないことは当然想定しておくべきだ。

その際、子供たちの代となれば誰が挨拶するのか、何となくイメージしておくといい。通夜は長男、告別式は次男といった振り分けでもいい。要するに、自分たちに挨拶が回ってくる可能性は大きいと考えておくべきだろう。

出棺に際しては、位牌、遺影、骨箱を持つ3名が必要である。場合によっては、位牌は会場に残す場合もあり、その場合は2名だ。これは当然、個人から数えて親等が近い者が持つことになるが、そんなことで当日バタバタするのは情けない。兄弟姉妹の間で、何となく話をしておくというのがいいだろう。

また出棺の際に、親族のどの範囲まで火葬場へ同行するのか、その際、香典を預かって会場で留守番するのは誰か、そういうこともイメージする必要がある。

最後にシビアな話として、葬儀費用についても考えておこう。どれぐらいの規模で葬儀を行なうかにもよるが、一般的な親戚縁者80名ぐらい集めた葬儀でも、おおよそ総額で200万円ぐらいとなる。

式場費だけではそこまでにはならないため、一瞬安心するが、葬儀屋から外注する仕出し、生花、酒類が別にかかる。加えて僧侶・神主等への謝礼なども含めると、200万円で収まるかどうか、といったところだ。さらに新しく墓地が必要だ、墓石が必要だとなれば、平均で150万円近く加算されることになる。

もちろん香典なども貰うが、結婚式のご祝儀と違い金額が少ないため、それほどの金額にはならない。80名参列しても、50万〜60万円ぐらいだろう。最終的には保険金などで相殺されるとはいえ、保険金が払い込まれるのは通常数カ月後になる。それまで支払いを待って貰えればいいが、そうでなければ葬儀ローンを組むことになる。

じゃあ200万円からのローンを誰の名義で、ということになると、進んで引き受けてくれる男気のある兄弟がいれば別だが、そうでなければそこはまたいろいろと難しい問題が発生するだろう。

葬儀とは、一般会葬者側から見える風景と、主催者側から見える風景はかなり違う。こればかりは慣れるわけでもないので、余裕のあるうちに何となく下調べしておくに越したことはない。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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