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Target この記事の主なターゲット
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- 共働き家庭の夫婦
- 家事分担に悩む人々
- 再婚家庭に興味がある読者
- 育児と仕事の両立を模索する親
- 家族運営についてのヒントを求めている人々
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Point この記事を読んで得られる知識
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この記事を通じて読者は、夫婦で家事を分担する際の新しいアプローチについて学ぶことができる。特に、再婚した場合の家事分担の方法として、片方ができることであれば全てを担当するというやり方を提案していることが分かる。この方式では、担当者に全ての決定権を委ね、文句を言わず、その仕事を尊重する関係が築かれる。さらに、家事を子育ての一環とする教育法も紹介されており、子供たちを積極的に家事に参加させることで将来の家事負担を減らすメリットがあるとされている。また、再婚家庭特有の課題として、子育て論の相違が夫婦間の争点となる場合があることも述べられ、これについては互いにコミュニケーションを取る必要性が強調されている。
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Text AI要約の元文章
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家族と仕事
tech
夫婦で家事分担の新ルール──コデラ総研 家庭部(107)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第107回(最終回、これまでの連載一覧)。今回のお題は「夫婦で家事分担の新ルール」。
文・写真:小寺 信良
「techな人が家事、子育てをすると」というテーマでお送りしてきた本連載も、これが最終回である。
techな人、と言いつつ、実態は理系シングルファーザー奮闘記みたいなことになってしまっていたわけだが、これはこれで反響が大きく、シングルファーザー名指しでの監修のお仕事をいただいたりと、面白い広がりができた。それもこの連載のおかげであろう。
ただその点も、この連載とともに卒業することとなった。実は昨年末に再婚し、シングルファーザーではなくなった。自分の子供と妻の子供を合わせて新しい家族となり、新しい数々の問題を乗り越えながら生きているところである。
さて妻帯者になったらなったで、今度は夫婦感の家事分担問題の当事者になったわけだ。この話題は、この連載で2回ほど取り上げている。「家庭内の『家事ハラ』事情を考える」では女性の立場から、「夫の家事に妻が納得しない理由」では男性の立場から分析したところである。
では双方が離婚経験者でシングル生活がそこそこある者同士の再婚の場合、どういう家事分担になるのか。おそらくそういう条件に言及したものはこれまでないように思う。
100%を渡し合う
再婚してまもなく半年になるところだが、家事の分担もだいぶ安定してきたところである。ただし、当家の家事分担はかなり特殊である。
当家の原則は、できるほうが100%やる、という方式だ。片方がサポートだったり手伝いだったりという立場にならない。夫のほうにも100%家事をやれる能力があるわけだから、互いに相手のやったことに文句を言わない(言えない)関係となる。家事に対する権限やら決定権、選択権は、担当者に全権委任である。
妻は週に3日ほど契約社員として仕事に行くが、その日はこれまでどおり、筆者が100%家事を担当する。逆に妻が休みの日は、筆者は仕事に集中させてもらい、妻が100%家事をやる。一緒に手分けしてやるのは、模様替えや買い物ぐらいである。
ただ、しっかりコンセンサスをとっておかないといけないのが、子育て論だ。ここが一番考え方がズレるところで、唯一の夫婦げんかの原因である。
これはやはり、それぞれが違った家庭環境やパートナー、考え方の元ですでに子供を育ててきた状況があるからであり、今さら誰を責めてもどうにもならない。だがどうしても、過去やってきた教育、あるいはやってきていない教育のことで相手を責めてしまう。
加えてそれぞれが当時の条件下で、できる限りのことをしてきたという自負もあるので、なかなか相手の指摘を素直に受け入れることができない。それは子供の不甲斐なさを自分の責任として受け止めるからであり、これまでやってきたことを否定されたように感じてしまうからである。この辺りが、シングル生活を長くやってきたことの弊害であろう。
ここはまだお互い乗り越えられていない部分だが、不満を黙って飲み込んでいてはダメで、できる限りお互いが思っていることを伝え合って理解を深める方向でやっていくしかない部分であろう。
妻からは日々多くのことを学んでいるが、その中でも大きなポイントの1つは、子供を積極的に家事戦力として育てるというスタイルである。男のシングルの場合、とにかく効率を最重視するので、子供の手伝いはどうしても足手まといになる。これまであまり積極的に手伝いをやらせてこなかったのだが、手伝い項目を限定し、毎日のサイクルの中に巻き込んでいく。今日はいいや、といったイレギュラーな例外を設けないで、徹底した教育を行なうことで、次第に自主的になっていく。
こうしたやり方に馴染んでいない筆者の実子は面食らっただろうが、子供達もいずれは一人ですべての家事をやることになる。今学んでおいても損はない。いつかこうした家事教育を受けたことに感謝するときが来るのか、そこまでは分からない。ただ、親の家事負担は日々確実に減ってきている。それだけ、しっかり戦力になってきているということだろう。家族全員が、自主的に家事を分担していく。「言われなくてもやってないなら自分がやる」という状況になるまで、あと少しだ。
もしかしたらこの後日談は、またどこかでお披露目するときが来るかもしれないが、本連載はここまででひとまず終了である。これまでご愛読いただいたことに感謝する。(了)
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