サイボウズ株式会社

「半年に一度、実家で一ヶ月間のテレワーク」が習慣に。離れたからこそ、変わりゆく家族を大切にしたい

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 都市部で働く若い社会人
  • テレワークを活用した生活を考えている人
  • 家族との関係を大切にしたいと考える人
  • 地方出身で都市に在住している人
  • リモートワークに関心のある学生や新社会人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を通じて得られる知識は、テレワークが家族との関係を深めるための一つの方法として活用できるという点である。大学時代にリモート環境に慣れた谷口さんは、就職を機に上京したが、半年に一度、地元に戻って実家でテレワークを行うことを習慣にしている。この習慣により、家族との時間を大切にし、コミュニケーションを取ることができている。特に、家族と一緒にリモートで食事をすることが新たな絆を生む機会となり、家族関係をより豊かにしている。また、テレワークの時間や場所の自由さを利用して家族との時間を増やすことができ、これは精神的なリセットにもなっていると述べられている。テレワークがもたらす自由な時間を家族のために活用することが、一つの生き方であると提案している。

Text AI要約の元文章
家族と仕事

テレワークを、家族のために。

「半年に一度、実家で一ヶ月間のテレワーク」が習慣に。離れたからこそ、変わりゆく家族を大切にしたい

家族関係をより豊かにするものとして「テレワーク」をとらえる人たちを特集する「テレワークを、家族のために」。

第4回目は、社会人になってから半年に一度、地元に帰省して一ヶ月間のテレワークをするという谷口さん(仮名)のお話です。

大学時代、授業や就職活動もリモートに

新型コロナウイルスが日本にやってきたのは、私が大学3年生の冬のことだった。

学校の授業も、目前に迫っていた就職活動も、急遽すべてがリモートに変更された。でも、思い返してみればリモートへの切り替えはすぐにうまくいったわけではなく、大型の合同説明会などの中には、対応が間に合わずに中止になってしまったものもあった。

いろいろと状況はバタバタしていたけれど、私はオンラインのツールを使うことに抵抗はなかったので、授業でも就職活動でも特に困ることはなかったように思う。むしろ就活においては、場所も移動しなくてよくて、気軽にいろいろな説明会や面接に参加できて、楽だな、ラッキーだなと思っていた。

こんな風に、私は大学から「リモートネイティブ」だったから、就職したあとに待ち構えているであろうテレワークへの心配も、あまりしていなかったのだ。

就職するとき、地元を離れ上京を決意

大学を卒業して、サイボウズに入社したのは2021年のこと。日本人の働き方に在学中から興味があり、それを、同じ価値観を持つ人たちとよりよいものにしていきたいと思ったのが理由だった。

全体研修は、すべてオンラインで行われることが入社前から決まっていた。けれど同時に人事の方から伝えられたのは、「配属先の部署での研修は、オンラインかオフラインかはまだわからない」ということ。

それであれば、もし配属先の部署の事情で出社しなければいけなくなった場合に慌てて東京に引っ越すのは嫌だったから、両親とも相談して、入社と同時に実家を離れ、東京でひとり暮らしを始めることを決意した。

大学までは実家で暮らしていたので、はじめての一人暮らし。新たな環境に飛び込むことは、楽しみで仕方なかった。

月に数回、家族と一緒にリモートごはん

実際にひとり暮らしをはじめてみると、ありきたりな感想だけれど、家族の存在のありがたさを痛感した。

生活のすべてを自分ひとりでこなさなければいけないことは、想像以上に大変だった。

でもテレワークだったから、慣れない環境ながらも、自分の生活をちゃんと守ることができたように思う。朝目覚めて、ごはんを食べて洗濯をしても、移動時間がないから余裕を持って仕事をはじめることができる。これが出社しなければいけなかったら、もっとバタバタとしていて、生活を大切にできていなかったんじゃないかな、と思う。

ひとり暮らしをはじめてから、2週間に一度くらい、両親とテレビ電話をつないで一緒に夜ごはんを食べることが習慣になった。

だいたい日曜日の夕方くらいから電話をつなぎはじめて、母と画面越しに一緒に夕食の準備をする。完成したら、同じテレビをつけたりして、他愛のない会話をして食卓を囲む。

父と母が一緒にごはんを食べている姿を見るのは純粋にうれしい。そして、離れていても家族とのつながりを感じられるこの時間は、私にとっても大切なものになっている。

実家に帰ると迎えてくれる家族のあたたかさ

「東京オリンピックのあいだ、しばらく地元に帰ってきたら?」

今から約1年前の初夏、東京オリンピックがはじまる前に、両親と話していてそんな会話になった。東京は慌ただしくなりそうなこと、感染拡大がまだまだ収まらなさそうなことがその理由だ。

たしかに私も仕事に少し慣れてきた頃で、配属されたマーケティングの部署でも特にテレワークでも問題ないことがわかっていた。ならば……ということで、一ヶ月間、地元に帰省をして、実家でテレワークをすることにしたのである。

仕事が終わって階段を降りてリビングに行くと、できたてのごはんが待っていること。何気ない話をしたいときに、すぐに話せる相手がいること。やっぱり家族がいることの安心感は、何事にも代えがたい。

それから私は、半年に一度くらいの頻度で地元に帰省して、実家で約一ヶ月間ほどテレワークをするようになった。

東京で暮らしていて、たまにある出社でのコミュニケーションは私の仕事にとって大切なことだ。だから今のところ、まだ東京でのひとり暮らしをやめるつもりはない。

でも、こうやって定期的に実家に帰って甘えられることで、「ひとりで頑張らなきゃ」という気負っていたものをリセットできる。半年に一回の帰省テレワークは、回復と安らぎの時間なのだ。

「また帰っておいでね」。

普段は寡黙な父が、たまにリビングでそうつぶやく。両親は私が帰省するたびになんだかんだうれしそうにしてくれて、私もつい、心が弾む。

家族のかたちは、状況とともに変わっていく

こうやって見ると私たちの家族はすごく仲良しのように思えるかもしれないけれど、昔からここまでだったわけではない。ふつうに仲は良かったけれど、大学時代、私は外でのつながりが楽しくて家にいないことも多かったし、反抗期もそれなりにあった。

そんな家族の距離がグッと近づいたのは、新型コロナウイルスがやってきて、家で過ごす時間が長くなってからだったと思う。

純粋にコミュニケーションが増えたこともそうだけれど、私の就職が決まって実家を出るということも、家族の関係に与える影響が少なからずあったと思う。

家族のかたちは、外的な要因、それぞれの状況でくるくると変わっていく。

私が家を出て、両親がふたりきりで過ごす時間も多くなった。両親がずっと仲良くしていくために、私ができることは積極的にしていきたいし、そのひとつの形が、この「半年に一度のテレワーク」なのかもしれないなあ。

企画:穂積真人・高橋団・田平貴洋
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サイボウズ式特集「テレワークを、家族のために。」

テレワークが、多くの企業で取り入れられつつある現在。時間や自由が増えて「ラッキー」だと思っている方も、少なくないかもしれません。そんな「ラッキー」を、自分のためだけではなく、家族のために使ってみませんか? もちろん「家族のため」がすべてだとは思いません。ただ、ひとつのあり方として。テレワークで生まれた時間を、家族のために。

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