この記事のAI要約
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  • サイボウズの社員
  • IT業界の求職者
  • 新卒求職者
  • 人事担当者
  • 企業の経営者
  • 働き方改革に興味がある人
Point この記事を読んで得られる知識

サイボウズは2027年の新卒採用に向けて初任給をビジネス職で40万円、エンジニア職で43万円に引き上げると発表しました。この決定は市場感を考慮しながらも、企業の成長を図るためのものであり、特にグローバル市場での競争力を高めることを視野に入れています。既存社員の給料についても関心が寄せられましたが、一律に引き上げることはせず、各社員がマネージャーとのコミュニケーションを通じて、個別の条件を設定する方式を取るとしています。この方針は人材の多様性を尊重し、個人が希望する働き方に応じて企業とのマッチングを重視するためです。その背景には、グローバルな競争力を高めるために、社内の多様なタイプの人材が共存することが必要という理念があります。また、新卒採用の基準については大きな変更はなく、カルチャーフィットを重視している点が強調されています。この初任給引き上げを契機に、社員が自身の給与や働き方について考える機会としても捉えてほしいという意図も述べられています。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

サイボウズ、新卒の初任給40万円へ。既存社員「自分たちの給料も上がりますか?」

サイボウズは2027年卒の新卒の初任給を月給40万円に引き上げることを決定しました(※エンジニア職は月給43万円)。

大幅な給与引き上げに、「既存社員はどうなるんだろう?」「採用条件は?」など社内外で関心が高まっています。

サイボウズ式編集部の若手社員が、事業戦略本部長 栗山圭太、人事本部 Recruiting部 部長 武内友紀に、素直な疑問をぶつけました。

初任給40万円にざわつく社内

深水
(5年目)
高橋さん! 2027年卒の新卒ビジネス職は初任給40万円(※)らしいですよ!!

※基本給400,000円(内訳:本給304,750円、固定残業手当95,250円)1か月所定労働時間160時間、固定残業時間40時間

高橋
(7年目)
見た見た! びっくりだよね。僕らの給料も上がるのかな?
深水
(5年目)
うーん、今回は新人だけみたいですけど……。
栗山
(執行役員)
いいね。ざわついてる?
高橋
(7年目)
栗山さん! 武内さん!
武内
(人事)
「給与について教えてほしい」ということで来ました。
高橋
(7年目)
お聞きしたいことがたくさんあります。よろしくお願いします!

はたして、既存社員の給与はどうなるのか……?

給与の引き上げは「世界をめざすため」

高橋
(7年目)
今回、初任給を40万円に引き上げたのはどんな背景があったんですか?
栗山
(執行役員)
市場感を考慮した部分もありますが、一番は「サイボウズがもっと上をめざすため」です。
高橋
(7年目)
上をめざす……。
栗山
(執行役員)
たとえば2018年、サイボウズの売上高は約113億円でした。そこから5年後の2023年は約254億円、現在は「2028年に売上高509億」という中期目標を立てていますが、これもだんだん見えてきました。

「5年ごとに売上高2倍」という堅実な成長ができています。

栗山 圭太(くりやま・けいた)。執行役員 事業戦略室長 兼 マーケティング本部長 兼 グローバル事業本部長。2003年、新卒で入った証券会社を辞め、第二新卒としてサイボウズに入社。公共営業、大阪営業所の立ち上げなどを経て、「サイボウズ Office」「kintone」のプロダクトマネージャーを経験。その後自身の強い希望で営業に戻り、ここ数年はアジアの拡販にも注力。アジア10カ国を訪問し、パートナー企業とのリレーションシップを図っている

高橋
(7年目)
社外の人にも「サイボウズは安定しているね」と言われることが増えた気がします。
栗山
(執行役員)
でも、まだまだなんです。ここで成長を止めるわけにはいきません。
深水
(5年目)
(空気がピリッとしてきたぞ)
栗山
(執行役員)
サイボウズの企業理念は「チームワークあふれる社会を創る」です。世界をめざすためにはこんなところで満足してはいけない。
高橋
(7年目)
海外でサイボウズはまだ認知度も低く、ベンチャー企業の立ち位置だと聞きます。
栗山
(執行役員)
現在サイボウズは、グローバル市場で名前もあがっていない状況です。グローバルシェア1%が取れれば、戦略次第で外資大手と戦える道筋が見えるので、まずこれが目標です。

そのために今、各国でさまざまな取り組みを進めています。製品力も高めないといけないし、営業やサポートなどあらゆる分野において、レベルアップする必要があります。

今回その一環として、人財投資を強化するため、ビジネス職の初任給を40万円に引き上げる決定をしました。
深水
(5年目)
「世界をめざすための投資のひとつ」なんですね。

既存社員の給与は上がる?

高橋
(7年目)
一番気になっていることを聞いてもいいですか。ずばり、僕ら既存社員の給与はどうなるんでしょう……? 
栗山
(執行役員)
結論から言うと、サイボウズ社員全員の給与を一律で引き上げるわけではありません。
深水
(5年目)
ガーーン。どうして一律で引き上げてくれないんですか……?
武内
(人事)
前提として、サイボウズでは毎年、社員一人ひとりがマネージャーと条件コミュニケーションの面談をして、給与が決まりますよね。
高橋
(7年目)
はい。 
武内
(人事)
来期の役割、給与や働き方などについて、メンバーは自分の希望を伝え、マネージャーは一人ひとりオファーします。給与もその中で決まります。

若手のメンバー間で、極端な給与の逆転が起きないよう多少調整は入る予定ですが、「一律いくら」ではなく一人ひとりマッチングで決める方針は、2027年以降も変わらないです。

武内 友紀(たけうち・ゆき)。人事本部 Recruiting部 部長。2013年に新卒でメーカーに入社し、工場でのバックオフィス業務に従事。 2018年9月にサイボウズに入社後、主にキャリア採用を担当。2024年から新卒・キャリア・グローバル採用全般をマネジメント

栗山
(執行役員)
高橋さんが「自分は新卒より成果を出している」と思うなら、それをアピールすればいいんですよ。
武内
(人事)
厳密に言うとそうでもなくて。
栗山
(執行役員)
違った?
武内
(人事)
入社から数年間の給与は、成果よりもポテンシャルの意味合いが大きいんです。伸び代への期待が込められています。

だんだん年次が上がるに従って、実際の成果を踏まえた評価に変わっていきます。
栗山
(執行役員)
たしかに。
武内
(人事)
年次や職種によって評価の考え方が違いますし、個人の希望やチームの事情も変化するので、一人ひとりコミュニケーションするしかないんです。
深水
(5年目)
(条件コミュニケーション、毎年大変なんだよなあ。一律で上がった方が楽なのに……)
武内
(人事)
毎年条件コミュニケーションをするのは大変だと思うんですけど。
深水
(5年目)
(心を読まれた?!)
武内
(人事)
でも、たとえば深水さんは、会社から一方的に「全員給与あげます! その分、もっと働いてください!」と言われたら、どう思います?
深水
(5年目)
うーん。給与が上がるのは嬉しいけど、「私はワークライフバランスも大事にしたいんだけどな……」とモヤモヤするかもしれません。
武内
(人事)
そう。どれくらい会社にコミットしたいかって人によって違うんです。
栗山
(執行役員)
サイボウズが他社と違うのは「初任給を40万円にしたから、みんなもっと成果を出して、給与を上げていこう!」ではないということです。

「自分はそこまでガツガツやるのは違うな」「給与はそこそこで、ゆとりを持って働きたい」という考え方も尊重されていい。
高橋
(7年目)
上をめざしてもいいし、めざさなくてもいいと。
武内
(人事)
給与や働き方は「マッチング」で決まるので、希望が全部通るわけではないのですが。チームとメンバー、お互いの期待がバランスするようにコミュニケーションをします。
高橋
(7年目)
給与を一律で引き上げないのは、必ずしも全員が同じ望みだとは限らないからなんですね。
栗山
(執行役員)
会社っていろんなタイプが必要なんです。短期間でガッと成長したい人も、コツコツ頑張りたい人もどちらもいてほしい。

どちらかがいい悪いではなく、共存していいんです。
武内
(人事)
いろんな貢献の仕方があるから、一人ひとりが「どんな貢献ができるか」マッチングして「チームの生産性」と「メンバーの幸福」を両立したいと思っています。
深水
(5年目)
今までになかったようなコミュニケーションが増えそうですね。マネージャーのみなさんは大変になりそうです。
栗山
(執行役員)
今までよりも求められるマネジメントスキルが上がるので、マネージャーの成長も欠かせません。トップラインの給与の引き上げも、今後視野に入れています。

新卒の採用基準は変わる?

高橋
(7年目)
SNSでの反応を見ていると「留学経験や、インターン経験がある学生でないと入れなくなるのではないか」と心配する声もありました。
武内
(人事)
採用基準は大きくは変わらないです。サイボウズの採用では、スキルや経験だけでなく、カルチャーフィットも重視しています。「この経験があった方が有利」などの明確な線引きはありません。
高橋
(7年目)
採用サイトでも人材要件として「Cultureを体現できること」「行動指針に沿った行動ができること」「役割を果たすことができること」と書かれていますね!
栗山
(執行役員)
ただ、今までより応募数が増えると思うので、競争は激しくなると思います。
武内
(人事)
実際に10月からスタートした27年卒採用には26年卒採用の同時期と比べての約2倍の応募が来ています。
深水
(5年目)
母数が増えるので、結果として採用基準が厳しくなる可能性はあると。
栗山
(執行役員)
はい。でもあまり萎縮する必要はないです。採用する側も急に変わることはできないので(笑)
深水
(5年目)
採用したい新卒のイメージはありますか?
栗山
(執行役員)
「こんな人が欲しい」という限定はあまりしたくないと思っています。

たとえば、サッカーはエースストライカーだけでは勝てません。 点を取る人もいれば、守る人、パスをつなぐ人、チーム全体のバランスを取る人も必要です。

 多様なメンバーが自分の役割を全うしてこそ、チームは勝てるんです。
武内
(人事)
採用でいちばん大事にしているのは「チームワークあふれる社会を創る」というサイボウズの理想への共感です。

なぜ共感するのか、その理想に向けて自分がどう貢献していきたいか、ぜひ面接でお伺いしたいですね。

ハードワークもワークライフバランスも共存をめざす

高橋
(7年目)
これまでサイボウズは、時短勤務や複業など、柔軟な働き方の選択肢を増やしてきた印象ですが、今回は「サイボウズ社内の仕事にしっかりコミットしたい人を増やしたい」ということなんでしょうか? 
武内
(人事)
さきほどもお話ししたように、初任給引き上げは世界をめざすための人材投資であり、「ハードに働く人を増やすため」ではありません。

時短勤務や複業などで、サイボウズで働く時間が短いメンバーにも引き続き活躍してもらいたい
と思います。
高橋
(7年目)
一般的には「全員ハードワーク」か「全員ワークライフバランス」か、どちらかに偏ることが多いと思いますが、サイボウズはあくまで共存をめざすと。
栗山
(執行役員)
「長期的に見るといろんな人がいた方が会社は成長しやすい」というのが、サイボウズの考え方です。

「全員ハードワーク」は短期的には成果を出しやすいですが、長い目で見ると勝ちにくいんです。
高橋
(7年目)
そうなんですか。 
栗山
(執行役員)
全員が、サイボウズの仕事ばかりにコミットする企業戦士だと、社外のことにアンテナが立ちにくくなるんです。

サイボウズの仕事にしっかりコミットする人、家庭の割合が多い人、複業している人など、いろんなタイプが集まれば、世の中の動きを迅速に捉えて、製品や施策に活かしていくことができます。
深水
(5年目)
たしかに。
栗山
(執行役員)
多様な考え方や働き方を受け入れるのは、やさしさでも、福利厚生でもなく、それが会社の成長につながるからです。信念に近い。

「チームワークあふれる社会を創る」ために、世界で使われるITベンダーになるために、できることはどんどんやっていきます。

「自分はどうなりたいか」考えるきっかけに

栗山
(執行役員)
初任給の引き上げをきっかけに、今いる社員のみなさんも「自分はいくらほしいのか」「どんな貢献ができるか」「どんな働き方をしたいのか」あらためて考える機会にしてほしいと思っているんです。

だから最初に二人がざわついているのを見て、いいことだなと。
深水
(5年目)
ざわつきますよ!(笑)
武内
(人事)
この機会に「自分がどうなりたいか」をぜひ考えてみてください。
高橋
(7年目)
ありがとうございました! 

Cybozu Future Talk 2025 を開催します!

今回の初任給引き上げの背景にある、今後のサイボウズのチャレンジについてお伝えする採用イベントです。

サイボウズが掲げる理想に向けて、どのような事業戦略・製品戦略に取り組んでいるのかを、事業戦略本部長と製品戦略本部長の対談形式でお届けします。

ご興味のある方は、特設サイトよりお申し込みください。

特設サイトを見る
企画:深水 麻初(サイボウズ)執筆:山本悠子(サイボウズ) 撮影:高橋 団(サイボウズ)
変更履歴:

・エンジニア職の方にもご関心をお持ちいただけるよう、リード文にエンジニア職の給与に関する情報を追記しました。(2025/11/18 11:38)

・ビジネス職のほかにも初任給が引き上げられた職種があるため、リード文の表現を一部変更しました。(2025/11/18 18:03)

2024年10月29日サイボウズは「100人100通りの働き方」をやめます。社員数1000人を超えても、成長と幸福を両立させるための挑戦
2025年10月 9日1000人1000通りで「個人とチームの理想を合わせる」なんて、ぶっちゃけ無理じゃないですか?

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執筆

編集部

山本 悠子

新卒で大手メーカーで勤務したのち、2016年にサイボウズへ入社。製品プロモーションやWebディレクションの経験を経て、サイボウズ式編集部に。組織づくりや働き方に興味があります。

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撮影・イラスト

編集部

高橋団

2019年に新卒でサイボウズに入社。サイボウズ式初の新人編集部員。神奈川出身。大学では学生記者として活動。スポーツとチームワークに興味があります。複業でスポーツを中心に写真を撮っています。

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編集

編集部

深水麻初

2021年にサイボウズへ新卒入社。マーケティング本部ブランディング部所属。大学では社会学を専攻。女性向けコンテンツを中心に、サイボウズ式の企画・編集を担当。趣味はサウナ。

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