
[Vol.4] できる幹事の気遣いポイント

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- ビジネスパーソン
- 接待の幹事を務める方
- 企業の新人研修を受ける方
- 接待に関心があるマネージャーや管理職
- 接待スキルを向上させたい営業マン
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この記事を読むことで、接待の成否は段取りで決まることが理解できます。効果的な接待を行うために必要な段取りの基本としては、まず日程の調整を早期に行い、社内外の参加者とコミュニケーションを取ることが重要です。次に、接待の対象者に関する情報を可能な限り集め、それを基に適切な店を選びます。この際、店選びは、電話対応の質や下見の際の観点から検討し、実際に訪れてチェックを行います。店の確定後には、案内状を出席者に送付し、店との具体的な打ち合わせを行い、予約の確認を怠らないようにします。当日は余裕を持って店に入り、最終調整を行い、接客に関しては一流のサービスを提供する店を選べば細かな配慮は店に任せることができます。接待後のフォローアップも忘れず行い、常に相手を喜ばせる気持ちを持つべきであるという接待の基本理念も著者から学べます。
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接待が成功するか否かは、ほぼ“段取り”で決まる。店選びは相手の情報収集から。
(Illustration:yoshifumi takeda)接待の成否のカギを握るのは“段取り”だ。幹事には日程の調整、店や料理の選択、案内状の発送、会計などやるべきことは山ほどあるが、恐れることはない。その“段取り術”を見ていこう。
まずは日時の調整から。相手の都合は1~1カ月半前には聞いておくのがマナー。社内の出席者には、接待の予定日前後は調整ができるよう伝えておこう。並行して、上司には、接待の目的、社内交際費ルール、土産の必要性の確認を。次に重要なのが、もてなす相手の情報収集だ。どうすれば相手は喜んでくれるか――。
イマドキ マナー作法
下見の際の7つのチェックポイント
1 お店までの道順
案内状を書くときに役立つ。 2 玄関周り
第一印象を左右する場所。ビールケースや段ボールなどが置かれていないか。 3 入り口近くのスペース
スペースに空きがあれば、退店時の混雑を防げる。 4 入店後の「いらっしゃいませ」
この言葉がすぐに掛かれば目配りができている証し。 5 ランチではランチセットより、ディナーに近い料理を食べる
味付けや量の具合が分かる。 6 トイレ
ごみはたまっていないか、掃除が行き届いているか。 7 ハンガー
人数分以上の数がそろっているか。そこに注力するのが幹事の務めだ。それには、もてなす相手の情報はあるほどいい。最低でも、酒や料理の嗜好、食材アレルギーの有無、住まいのエリア情報、行きつけの店のチェックは怠りなく。相手側の担当者や秘書の助けを借りればなお早い。
そして情報を基に店の候補を挙げていく。最終判断は店の下見をしてから決めよう。①店に電話 ②電話対応の良かった店でランチを食べてみる ③詳細にチェック(下見の際の7つのチェックポイント参照)の順に進めるのが効率的だ。
店の確定後は、出席者一人ひとりにメールで案内状を送りつつ、一方で店との打ち合わせを。個室内の設え、席次、乾杯のタイミング、料理を出す順番などを詰めておこう。そして、接待2日前には必ず店に予約の確認を。“○月○日○曜日○時”まで擦り合わせしておくと間違いない。
当日は20分前に入店し、店側と最終打ち合わせをしておく。相手を迎えた後は、もちろん目配りは必要だが、基本的には店に委ねればよい。一流の接客を提供してくれる店を選んでいれば、グラスが空になったときも、素早く対応してくれるはずだ。
会計は、終了時間15分前を目安にさりげなく席を立ち、済ませておこう。相手の帰る手段の確認・手配もこの時にお忘れなく。
さて後日。記念写真があれば、添えてお礼メールを送付する。幹事が持つべき心構えは “奉仕の心”。最後まで「相手を喜ばせたい」という気持ちで臨んでほしい。
- 篠原あかね 氏
- スマートコミュニケーションズ代表。リクルートの組織活性化事業部で研修、秘書などの業務に携わり、後にアヴァンティスタッフにてビジネスマナー講師活動を開始する。社員時代に幹事として多くの宴会をプロデュース。培ってきた幹事のスキルを体系化する。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』(スタジオタッククリエイティブ)など。