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この記事では、ビジネスにおける電子メールの利用について、「Yes!Eメール派」と「No!Eメール派」の代表による論争を通じてその利点と欠点が議論されています。共に企業のトップであるサイバーソリューションズの秋田社長とサイボウズの青野社長が、それぞれの立場から電子メールの有用性とその限界について意見を交わします。
青野社長は、ソーシャルメディアの普及により、Eメールの重要性が低下しつつあると主張し、Eメールには取り消せない、見落としやすい、引き継げない、経緯を追いづらい、整理しにくい、集計できない、添付ファイル関連でサーバーを圧迫するなどの欠点があると述べました。一方、秋田社長は、これらの問題点に対して既存のメールシステムやその運用の見直しで対応可能であるとし、メールの必要性を擁護します。
この対談を通じて、コミュニケーションツールとしてのEメールの位置づけや、その代替となり得るソーシャルメディアやグループウェアの可能性を探ることができます。また、今後のデジタルコミュニケーションのあるべき姿として、メールと他のコミュニケーションツールがシームレスに連携する未来が期待されることが示されています。最終的には、各ツールの長所と短所を理解し、適材適所での使い分けが重要であると伝えています。
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あなたはどっち派? 仕事で電子メール「Yes! or No!」激論バトル
最近ではソーシャルメディアやコミュニケーションツールの普及によって、プライベートはもちろん、仕事でもEメールを使う頻度が減ってきたなぁと感じている方も多いのでは?そこで今回は「No!Eメール vs Yes!Eメール 竜虎の戦い~激論バトル!」と題した対談をご紹介したいと思います。
激論を繰り広げるのは、メールサービスを提供する“Yes!Eメール派”のサイバーソリューションズ 秋田健太郎社長と、グループウェアを提供する“No!Eメール派”のサイボウズ 青野慶久社長。モデレーターを務めたのは、BCN編集長 の谷畑良胤氏です。
竜虎の戦いということで、まず登場した青野社長は、阪神タイガースの法被姿。「六甲おろし」の音楽とともに、颯爽と会場内に入ってきました。
一方、「燃えよドラゴンズ!」をBGMに入場した秋田社長は、中日ドラゴンズのユニフォームに扇子を持って、意気揚々と観客席を通り抜けます。左)青野社長は愛媛県出身だが、初めて野球と出会ったのが当時阪神タイガース所属でホームラン王だった田淵幸一氏。以来、阪神ファンになったそう。(中)谷畑氏はジャイアンツのユニフォームに身を包んだ。(右)愛知県出身の秋田社長は根っからのドラゴンズファン。
どうしてNo!Eメール?
ビジネスにおいてEメールは、今やなくてはならない、当たり前の存在。「No!Eメールなんて言われても、実際、毎日使っているし…」と疑念を抱かれるのも無理はありません。そこで初めに、青野社長がNo!Eメールを提唱し始めた経緯について、話が進められました。
そもそも、どうして青野さんはNo!Eメールと言い始めたのですか?
一昨年くらいからソーシャルメディアが盛り上がってきて、TwitterのダイレクトメッセージやFacebookのメッセージで連絡がくるようになってきました。メールだと見落としてしまいがちですが、ソーシャルメディアだとすぐに気付く。メールの重要性が下がって来ているのではないかと考えて、No!Eメールと言い始めました。こう言うと賛否両論あって、盛り上がるんですよね(笑)
なるほど。私も取材のアポイントはほとんどFacebookメッセージですが、秋田さんはNo!Eメールと聞いて、第一印象はどう思いましたか?
いやぁ、喧嘩を売っているんじゃないかと思いました。でも正直、プライベートは私もNo!Eメールなんですけどね(苦笑)
No!Eメールを勧める7つの理由
一般的には、まだ出てきたばかりのソーシャルメディアは"プライベート向き”で、すっかり定着したEメールは"仕事向き”というイメージがありますが、青野社長は『No!Eメール=仕事でもEメールはいらない』と考えているようです。その真意とは?
では、さっそく本題に入りましょう。青野さんにNo!Eメールの理由を言っていただいて、反論がある場合は秋田さんに反論してもらうという形で進めたいと思います。
理由その1:取り消せない
まずメールはボタンを押した瞬間に飛んでしまうので、宛先を間違えたら大変なことになる。情報漏洩のリスクになっています。ビジネスに定着しているので、みんな当たり前に使っていますけど、本当は危険なんじゃない?!ということを改めて問いたい。
そもそも宛先を間違えるのがダメですよ。誤送信防止機能なんて求めるのは、日本人だけです
いきなり斜め上行く発想で応酬する秋田社長。頭の上にはドラゴンズのマスコットキャラ「ドアラ」のお面。この先の展開が不安です。
理由その2:見落としてしまう
名刺交換をすると勝手にダイレクトメールの登録をされて、いらないメールでメールボックスがいっぱいになってしまいませんか?一件ずつ配信停止を申し込むのは大変ですし、大事なメールを見落としてしまいます。あと、日本人ってどうしてあんなにCCが大好きなんでしょう?とりあえずCCを入れられるので、本当に大事なのか分からなくて、さらに見落とす可能性が高くなってしまう。
理由その3:引き継げない
クライアントとすごく大事なやり取りをメールでしていても、その人がやめてしまうと引き継げないのは大問題。担当変更が縁の切れ目になりかねません。
うちの製品なら大丈夫なんですけどね。
もとより、メールアドレスを「個人名@企業ドメイン」にするのが問題の根源なんですよ。電話番号は部署の番号になっているんだから、メールだってそうすればいいのに。No-Eメールとはいえ、ビジネスからメールを切り離すのは、現実的に難しい。
言い訳させてもらうと、No-Eメールは「メールはダメだ」じゃなくて「メールだけじゃダメだ」のNot only Emailの略なんです(笑)
爽やか笑顔でサラっと言い訳をする、阪神ファンの方。
理由その4:経緯を追いづらい
メールでやり取りを続けると、使っているメーラーによっては、タイトルが「Re:Re:Re:Re…」となってしまい、どの発言に対する返答か直感的にわからなくなります。
整理しやすいメーラーもいろいろありますし、記憶を辿って検索すればいいんです。
理由その5:整理されない
メールは受け取ったらフォルダに整理しますよね?同じ内容のメールでも、100通あったら100人が整理しなければいけない。フォルダ分けにどれだけ時間をムダにしていることか!
そもそも整理できない人は仕事ができません!
もはや禅問答の域に近づく秋田社長。繰り返しますが、社長の頭の上には「ドアラ」のお面です。
とは言え、気持ちはわかりますけどね。でも今時のメールはフォルダ分けしちゃダメです。分けるとどれが新着かわからなくなる。来た順に処理するか、ステータス管理をしないと。
重要マークやスターを付けても、それで安心しちゃって、結局そのまま忘れるんですよ。スター機能みたいに安心させておきながら、一番危ない機能はない。
「サイボウズではメールを使わずに社内のメッセージのやり取りはどのようにされているんですか?」という質問が会場から出ておりますが。
サイボウズのグループウェアにはメッセージ機能があるので、それを使っています。10年前くらいに実装したら、自然とみんなそっちを使うようになりました。メッセージを作るとスレッドになるので、いろんな人が書き込んでもバラバラにならないし、宛先を間違えたりしないという安心感があるみたいです。
理由その6:集計できない
打ち合わせや飲み会のスケジュール調整など、いろんな人の回答を求めたいときに、メールで返ってくるとバラバラになって集計をするのが面倒じゃないですか。サイボウズ Office のカスタムアプリやkintoneを使えばWebでフォームを作ってみんなに入力してもらうだけです。結果もリアルタイムでグラフになって表示されるので、おもしろいですよ。
異議なし!メールでは集計はできません。それはサイボウズでやってください。
理由その7:添付できない
メールに添付するのは便利ですが、ファイルの修正が重なると、何重にも重複したファイルがサーバーに上がって、メールボックスが膨らんでしまいます。これはメールボックスの資源の無駄遣いなのでは?
弊社の製品なら中身は一通なので、ディスク容量は食いません。
最終的にどっちが勝ったのかよくわからなくなってしまいましたが、サイボウズではNo!Eメールになって生産性はよくなりましたか?
間違いなく上がっています!現状、社員同士でのEメールのやり取りはありえませんが、それでちゃんと仕事はできていますからね。外から来たメールを転送すると、「なんで(サイボウズで)スレッドにしてくれなかったの?」と嫌な顔をされるくらいです。この先、メールとグループウェアの連携がシームレスになってくると、とても便利だと思います。
いろんなソーシャルメディアのメッセージ機能を見張らなくても良いように、将来的にはメールもグループウェアだけじゃなくソーシャルメディアとも融合していけたらいいですね。
ということで、最後には会場から「両社協力をしながら、国内メーカーとして最高な製品を提供してもらいたい」という声も出て、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。
過去、Eメールが出てきた頃は、電話やFAX派とEメール派で同じような論争がきっと巻き起こっていたはず。これからも時代の移り変わりとともに、ビジネスツールは進化していくことでしょう。
それぞれの長所と短所をしっかり把握した上で最適な使い分けができるよう、サイボウズ式ではこれからも様々なコラボレーションツールをウォッチしていきたいと思います!お三方、ありがとうございました!
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- 青野慶久
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