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食洗機導入による圧倒的効率化──コデラ総研 家庭部(3)

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 家庭での家事効率化に興味がある人
  • 食器洗い乾燥機の購入を検討している人
  • 技術的作業に興味があるDIY愛好者
  • 賃貸住宅住まいの人
  • 小寺信良氏のファンやフォロワー
Point この記事を読んで得られる知識

この記事では、小寺信良氏が食器洗い乾燥機の導入による家事効率化についての経験を詳しく述べています。小寺氏は、洗い物による手荒れ問題の解決策として食洗機を導入したことを紹介しています。彼は訪問した三菱電機の工場や、システムキッチンにビルトイン型食洗機が普及している理由について触れ、特に後付けの食洗機市場の課題を述べています。ビルトイン型は設置が容易であるのに対し、後付け型はスペースや設置環境によって多様化していることを示しています。そこでパナソニックのコンパクト食洗機を選択し、自力で設置する手順を詳しく解説しています。設置では分岐水栓の選び方や、ナニワ製作所のサービスを利用して水栓の型番を特定する過程などが具体的に紹介され、自身で取り付けを成功させた様子が描かれています。また、実際に使用してみた結果として、食洗機の効率性や衛生面でのメリット、そしてそれによって手荒れの問題が解消されたことなどが述べられています。一方、動作音が大きいというデメリットを洗浄スケジュールの調整で対処したことも触れられています。さらに、普段使わない食器のくすみが取れ、家の食器が常に清潔に保たれている点も強調されています。全体として、食洗機が炊事を簡単にし、家事の負担を大幅に軽減するアイテムとして強く勧められています。

Text AI要約の元文章

tech

食洗機導入による圧倒的効率化──コデラ総研 家庭部(3)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第3回目。今回は「食洗機」について。取り付け作業を自力でやってしまうところがコデラ流。

本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)

文・写真:小寺 信良

前回は洗い物による手荒れの抜本的な対策をどうするか、というところで終わったわけだが、これを読んで多くの読者の方から勧められたのが、食洗機の導入である。そう、僕が到達した回答も、それであった。

以前、三菱電機グループで白物家電を製造している三菱電機ホーム機器の工場を見学させていただいた事がある。そこで伺ったお話しだが、永らく続いた景気低迷の中でも唯一出荷率が下がらなかったものが、システムキッチンのビルトイン型食洗機だそうである。なぜならば、それに変わるものが他にないからだ。

例えば煮物、焼き物といった調理器具には、昔ながらのガスレンジもあれば最新のIHクッキングヒーターも、電子レンジ付きオーブンもある。暖房ならエアコンやファンヒーター、火鉢からたき火まで色々選択肢がある。だが食洗機だけは、他に変わるシステムがない。まさに白物家電の鉄板なのである。

一方で後付けの食洗機市場は、バリエーションが多すぎて参入が難しい分野だと聞く。つまりビルトイン型ならあらかじめシステムキッチンメーカーと話がついていて寸法が決まっており、そのサイズで設計すればいいだけだが、あとから置くとなるとスペースに対するニーズがまちまちで、どうしてもバリエーションが多くなってしまうのだ。

この難易度の高いアフターマーケットに対して、近年革命的なコンパクトサイズを実現したのが、パナソニックの「プチ食洗」シリーズである。水切りかごの面積で置けるというコンセプトは、古いキッチンゆえに諦めていた主婦の皆さんに、「夢の食洗機」を現実のものとした。

水切りかごは、殆どのキッチンではシンクの一部を占領していることだろう。この部分はそのまま、シンクのデッドスペースになってしまっている。元々使えない空間であれば、その部分に食洗機を置けばいい。

価格もそう高くない。ビルトインタイプが実売8万円~10万円程度するのに対し、このシリーズはサイズによって多少値段は変わるものの、実売3万円~4万円程度である。

実際に購入したのは、「NP-TCB1」という2人程度の食器が洗える、一番低価格のモデルであった。上位機種には食器洗浄に加えて乾燥機能付きのモデルもあったが、ネット通販のユーザーレビューによれば「ほっといたら勝手に乾くので使わない」という意見が多かったことから、シンプルに洗浄だけのモデルにしてみた。

自分で設置できる強み

食洗機の設置は、電源の他に水道を接続する必要がある。設置場所は当然キッチンに決まっているわけだが、メインの蛇口から分岐して食洗機に繋がなければならないということが、アフターマーケットの難易度を上げている。

工事屋さんを頼めばなんとかしてくれるのだろうが、賃貸住宅では元に戻せない改造は避けたい。実はこのモデル購入に踏み切ったポイントは、水道の蛇口に分岐水栓を繋げば、賃貸住宅でも置けるというところであった。これなら自分一人でも設置できる。

問題は、どんな分岐水栓を付ければいいのかわからないことである。賃貸住宅でも新築で入れば蛇口の型番がわかるだろうが、我が家は既に築10余年が経過した住宅だったので、蛇口の型番はおろか、メーカー名のシールさえも摩耗して読めない。これではマッチする分岐水栓も探せない。

だがそこはさすがによく考えてある。分岐水栓を専門に作る大阪の「ナニワ製作所」というところに蛇口の写真を撮ってメールすると、マッチする水栓の型番を教えてくれるというサービスがあるのだ。

そこで早速写真を撮ってメールすると、2日ほどで返事が来た。マッチする型番の分岐水栓は、1万円ぐらいと結構なお値段である。実売2万5千円の食洗機に付ける水栓がそんなに高いとは驚きだが、他に方法もないのでこれも注文した。

取り付け工事は説明書を見ながらの一人作業で、2時間程度で完了した。途中蛇口の金具が特殊工具でないと回せない事が判明したため、ホームセンターに買いに行く事になったが、それでも大した時間はかからなかった。

導入前の懸念は、本体の高さがそれなりにあるので、調理にジャマなんじゃないかという事であった。いざ設置してみると、確かに以前よりは圧迫感を感じることは事実だが、食洗機はそれを我慢しても有り余るほど、劇的に家事の負担を軽減した。

2人用とサイズは少し小さいが、比較的食器を多く使う夜でも、すべての食器を一度に洗うぐらいのキャパシティはある。朝昼は使う食器が少ないため、中に余裕ができるが、その時はまな板を入れたり、小さい鍋釜蓋類をついでに洗ったりできる。大きな鍋は入らないが、とにかく箸だスプーンだと子供が使うチマチマした小物類が何でも洗えるため、大物を2つ3つ手洗いするだけで済むのは楽ちんだ。

食洗機による洗浄は、最後に高温ですすぎを行なうので、除菌効果も期待できる。手洗いよりも断然清潔だ。使っていないガラスコップなどは、長年食器棚の中に放置しておくと、いつのまにかくすんで白っちゃけてしまうものもある。多分こういうくすみは、洗剤成分が綺麗に流れていないせいなのだろう。こういうのを食洗機で洗うと、元の透明度が戻ってくるだけでなく、放置してもくすみが発生しない。

購入した当初はこれがうれしくて、いろんな食器を片っ端から洗ってみたものである。おかげでうちの食器類は、いつお客さんが来てもOKな透明度を保っている。これは予想外の恩恵であった。

一方デメリットは、結構水音がうるさいことである。ビルトインタイプならあまり音もしないのだろうが、後付け機は単にそこに置いてあるだけなので、防音もなにも処理できない。狭いダイニングでは、そばにいるとテレビの音も聞こえないぐらいの音になる。

この点は、洗浄するスケジュールを調整することで対応した。すなわち食事が終わって皆が台所を離れる時に、洗浄を開始するわけである。

すでに導入して1年半ほどになるが、1日3回から4回も使用している割には、調子が悪くなることもなく元気に動いている。この程度の出費でこんなに炊事が楽になるのであれば、毎年買い換えても元が取れるぐらいである。もちろん、導入後はシリコン手袋などしなくても、手荒れすることはなくなっている。

食洗機の導入は、炊事をこなす主夫にはガチお勧めだ。(了)


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