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この記事を読むことで得られる知識は、新しい視点や思考パターンを得るためには、自分の専門分野以外の学問や技術にも触れることが大切であるという考え方です。具体的には、プログラミングなど狭い範囲にこだわるのではなく、ストーリー工学といった全く別のジャンルにも積極的に挑戦してみることが、新たな発見や気づきをもたらす可能性があるという点が強調されています。さらに、新しい知識やスキルが実際に役立つかどうかは事前に判断できるものではなく、状況や人によって異なるということも述べられています。このため、意外性のある分野への挑戦が過去の自分にとっても面白い体験となる可能性があることをこの記事で学ぶことができます。
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tech
「ドラマとは何か?―ストーリー工学入門」──techな人にお勧めする「意外」な一冊(3)
tech@サイボウズ式のアドベントカレンダー企画、techな人にお勧めする「意外」な一冊の3日目は、サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんです。(編集部)
文:西尾 泰和
こんにちは! サイボウズ・ラボの西尾 泰和です。 今年のサイボウズのアドベントカレンダーは「techな人にお勧めする意外な一冊」だそうですね、じゃあ早速行ってみましょう。今回おすすめするのはこちら:
「ドラマとはなにか -ストーリー工学入門-」
ドラマとは何か?―ストーリー工学入門
映人社シナリオ創作研究叢書
著者:川辺 一外
出版社:映人社
ISBN:4-871002144
定価:2000円
発売日:1987年4月24日
判型:四六判
ページ数:382ページ意外でしょ? 意外だと思って下さい! っていうか大部分の読者さんはこれを書いている僕がどういう人間なのか知らないわけだから、「はー、この人は文学とかドラマに興味のある人なんだなー」って思うだけなんじゃないか? あれれ、実は「意外な一冊」って要件定義は酷いんじゃないか?
まあいいや。
さてさて、次はこの本をおすすめしましょう。おすすめです!
えっ、おすすめする理由が必要? 「この本を読むと、こういうことに役立ちます」って書くことが期待されている?
うーん、「役に立つ」かどうかってのは、状況次第、人次第なのです。ある本がすべての人に役に立つなんてことはなくて、ある本に書いてあった内容が、ある人にはある状況で「役に立った」ということ。後から振り返って初めて「ああ、あれは役に立ったな」と気づくものなのです。
プログラマ向けにはこういう説明の仕方をすればよいかな。「毎年一つ、新しいプログラミング言語を学びましょう」とものの本には書いてあるそうですね。そうすると新しい視点を得たり、新しいパターンの思考をできるようになったりする、と。でも「毎年一つ、新しいプログラミング言語を学ぶ」と言っても「毎年プログラミング言語ばっかりやってる」じゃないですか。新しい視点に価値があると思うんだったら、「プログラミング言語」という狭い分野に閉じこもるのは良くないんじゃないですか?
新しい言語を学んで役に立つかどうか、事前にはわからないのと同じで、ストーリー工学を学んで役に立つのかどうかは、事前にはわかりません。役に立つかどうかは、状況次第、人次第なのです。だから、僕は本当は「ストーリー工学」をすすめたくはないんです。これがあなたの役に立つかどうかは僕にはわからないのですから。でも「過去の自分」が意外に思うような、新しい分野へのチャレンジって面白くないですか? 僕は面白かったですよ? (了)
西尾 泰和さんのプロフィール:
24歳で博士(理学)取得。1年間のポスドクを経て、2007年よりサイボウズ・ラボにて、知的生産性を高めるソフトウェアの研究に従事。 プログラミング言語の多様性と進化にも強い関心がある。著書・特集に「Jythonプログラミング」「言語設計の基礎知識」「コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法」など。
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