サイボウズ株式会社

自分らしい働き方をデザインするには? チャンスをつかんだIT系女子の本音トーーク!

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • IT業界に興味のある女性
  • キャリアアップを目指す女性エンジニア
  • 柔軟な働き方を求める働く女性
  • 育児をしながら働く女性
  • リモートワークに興味のある人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読むことで、自分らしい働き方をデザインするためのヒントと具体例を得ることができます。2013年11月に開催されたイベントでは、IT業界で活躍する4名の女性が、キャリアの転機や働き方の工夫について語りました。それぞれが直面した人生の転機や働き方の選択を通じて、働きながらもプライベートを大切にする方法、リモートワークの工夫、また女性としての自己実現について学べます。特に周りの人と役割をシェアすることや、社会活動や地域活性化への参与が新たな仕事のエネルギーになること、働く楽しさを見つける大切さについての実体験が共有されており、自分自身がどのように働き方をデザインするかの参考になります。また、育児と仕事の両立についての考え方や、IT技術がどのように人生を豊かにし得るのかについても議論されています。

Text AI要約の元文章

自分らしい働き方をデザインするには? チャンスをつかんだIT系女子の本音トーーク!

「Engineer Woman Meetup!-私らしい働き方をデザインする1Day」と題し、2013年11月、パソナテック主催のイベントが開催された。

トークライブでは、 IT系大規模カンファレンスなどイベントの事務局統括を行うウィズグループ代表取締役の奥田浩美氏やパソナテックの執行役員を務める粟生万琴氏、サイボウズのプロダクトマネージャー河合真知子氏、リモートのグローバルチームで働くHerokuのテクニカルサポートエンジニア織田敬子氏が、それぞれの働き方や人生の転機等を語った。

左からパソナテック粟生万琴氏、ウィズグループ 奥田浩美氏、サイボウズ 河合真知子氏、Heroku 織田敬子氏

IT業界でのキャリアアップ

モデレーターのパソナテック粟生です。女子の本音をぶっちゃけながら皆さんにヒントを持ち帰っていただければと思います。河合さん、織田さん、どういう働き方、どういうキャリアを積んでこられたのか自己紹介をお願いします。

サイボウズの河合です。私は今6歳の子どもがいて「サイボウズ Office」という製品のプロダクトマネージャーをしています。新卒でサイボウズに入り最初は営業や販促の仕事をやっていました。2007年から1年2ヶ月間、産休・育休に入り、復帰してから再び販促の仕事をしていました。 実は入社一年目からずっと上司には「プロダクトマネージャーをやりたい」といっていました。復帰半年後、たまたまプロダクトマネージャー職で人が抜けたため「やってみないか」と声を掛けていただきました。そこから2年くらい修行のような形で入り、今は「サイボウズ Office」をメインに担当しています。

育休からの復帰後に念願のプロダクトマネージャーに転身したサイボウズの河合氏

Herokuの織田です。仕事はテクニカルサポートエンジニアです。Herokuという製品はアプリをのせるためのプラットフォームです。 私は大学を卒業して日本のSI(システムインテグレーション)の会社に入りました。3年間くらいJavaのエンタープライズのエンジニアをやった後、アメリカに語学留学に行きました。その際、サンフランシスコのエンジニアを見て「私もこういうところで働きたい」と思い就職活動をしました。最終的にHerokuという会社で働くことになりました。今は日本に住みリモートで働いています。

リモートということは?

Herokuには日本法人がありません。本社がサンフランシスコにあり、リモートで働いている人はたくさんいます。日本、イギリス、ドイツ、アメリカの東海岸や中西部など同僚が自宅で働いています。親会社がセールスフォースなので、親会社のオフィスで働くこともあります。

日本の自宅にいながら各国の同僚たちとチームで働くHerokuの織田氏

私も自己紹介します。7年間はSIの会社でWEBのエンジニアとして開発をやっていました。徹夜や出張も多く体を壊すこともあり「この先30代に入ってもこの生活がずっと続くのかな?」と思いました。そこは男性が多い会社で働き方が変わりそうもなかったので「女性が多い会社に入ってやりたい働き方が実現できないか」とパソナテックに転職しました。

パソナテックの執行役員である粟生氏は名古屋から東京まで新幹線で通勤しているという

最初の5年間は営業職です。営業はやったことなかったのですが、やりたいことをやるためには、まずは会社から求められたミッションを達成しようとがむしゃらに営業をやりました。 おかげさまで3年目くらいからは3年連続全国1位となりました。「営業面白い!」となった時に出産し育休を取りました。復帰してからは地域活性やIT業界の働き方を変えることに真剣に取り組んでいます。私自身も地方(三重県)出身です。地方にいてもできるIT業界やITエンジニアという職種だからこそ自由な働き方を増やしたいと思っています。今は地域活性事業を5年間役員としてやっています。

仕事で得られる楽しさ

一つ目の質問ですが、ずばり「今、みなさん仕事・プライベートは楽しいですか?」もしくはこの瞬間「楽しかったー!」という時のお話を聞かせていただけますか?

今の仕事は一番楽しいです。本当に面白いです。

どんな時に感じますか?

2つあります。1つはサポートという仕事なので、お客さんから「ありがとう」と言ってもらえる時です。あともう1つは、同僚と話すことが楽しいです。くだらないことからプロフェッショナルな話までいろいろな話ができるメンバーに恵まれているのが楽しいです。

私も今の仕事がすごく楽しいです。自分がやりたくて手をあげて掴んだ仕事だというのもあります。製品を作る上で総括責任者みたいな立場なので、決定権を委ねられています。10月に「サイボウズ Office 10」という大きな製品をリリースしました。 それまで一年くらいプロジェクトで本当に日々、いろいろな問題がありました。メンバーとはお客様にいいものを届けたいという思いが一緒なので乗り越えてきました。最後にリリースできた瞬間の喜びは今の役割だから一際強く感じました。

鳥肌が立っちゃいました。自分で掴んだチャンスで責任を持って製品を世の中に出すってエンジニアとしては最高ですね!

一生私、女子力は全開

私、奥田さんに初めてお会いした時にはあまりのインパクトで「こんな女性がいるの?!」という感じでした。奥田さんのズバリ楽しい時、もしくは楽しかったことを教えてください。

今は本当に全てが楽しいです。どこまでがプライベートでどこからが仕事かが見えない状態です。何が楽しいかというと、自分が動いたことが日本や世界の中で私が生きているこの時代にさざなみが立っている感じですね。やったことに反応が出てくるのが楽しくて仕方がないです。

奥田氏は、ムンバイ大学大学院で社会福祉を学んだ後、ITが幸せな世界を作ると信じIT業界に飛び込んだ。91年に26歳で起業。01年、子どもが1歳の誕生日に株式会社ウィズグループを設立。12年にITを軸にした地域活性メディアfin.der.jpを立ち上げ、株式会社たからのやまを設立。地域でのIT活用、創業支援を行っている。

私は1989年からITの技術を生活に落とし込むためのエバンジェリストとして20年やってきました。ここ数年ですごく結実してきて今すごく私は楽しいです。 粟生さんが私の何にインパクトを受けたかというと「私はいくつになっても女の打席からは降りない」みたいな発言だったそうですね(笑)。

結構強烈でした。管理職や役員になったりして社会的な地位があがっていくとなんか「もう女子力とかいっていたらダメかな?」と思い始めた時期だったのです。その時に奥田さんから「一生私、女子力は全開。降りないから!」という言葉に衝撃を受けました。

毎日いくつも楽しい瞬間があると語る奥田氏

別に若さとかそういうのに固執しているのではないのです。世界の変え方、管理の仕方、マネジメントができるようになったこの年が昔よりすごく楽しい。多分来年はもっと楽しい。

両立ではなくシェアを

限られた時間で仕事やプライベートを両方やるために工夫していることなどはありますか?

私は独身で子どももいないので比較的自分の時間がいっぱいあります。両立しないといけないことが、あまりないという感じです。 そのせいかプライベートと仕事の境目がなくなっています。朝起きたらパソコンを開いて寝る前にパソコンを閉じる。パソコンが友達。子どもも彼氏もいないという感じですけど(笑)。それはそれで私はエンジョイしているので、いいのかなと思っています。

離れていても上司とは信頼関係で結ばれていると語る織田氏

私の同僚で30代のお子さんが2人いる男性は家で働ける利点を生かしています。朝と夕方にお子さんの送迎で仕事を抜けるのです。仕事はきちんとしています。そういう働き方ができるということは、自分がこどもをもつ勇気を高めてくれます。

リモートで働く時に意識していることはありますか?

正直あまり考えていないですね。 リモートで不便なことはあります。ちょっと聞きたい時に誰もいないとか。特に私はアジアのタイムゾーンなので誰もいないことがあるのです。チームメイトでオーストラリアに住んでいる人が一人いるのですが、その人が休みの時は、わからないことがあっても聞けません。 でもマネージャーが私たちのことを信用してくれています。私も期待に応えようとしますし、結果的に双方が信頼し合ってすごくいい関係で働けています。

お互いの信頼関係の中でしっかり責任を持つということですね。河合さんは、いかがでしょうか?

まだ6歳の息子はやっぱり手がかかりますし、自分自身も一緒にいる時間を大事にしたいです。朝は必ず送るようにしています。迎えは親に頼っていますが、週に1回とか2回は、自分で迎えに行ける日を作っています。会議を日中に集中していれて、メンバーにも18時には「帰るよ」と周知してお迎えに行きます。

ボロボロこぼすことが大事

奥田さんは、よく出張されていますが、どうしているのですか?

私は会社を2つ経営し月に4,5回は出張しています。子育てもしています。父の介護のために月に3日くらい鹿児島に帰っています。 たくさんやるとボロボロこぼれます。ボロボロこぼすことが大事です。こぼすと周りの人が拾ってくれます。だから「私、頑張っている!」と言いながら、ボロボロボロボロこぼしていく(笑)。そうすると周りが「奥田さん、大変ですよね」とか、夫も「いろいろ大変だよね」とか、私の周りが拾ってくれる人だらけになります。

なるほど。

夕飯が作れないとかも、私が何をやっているかをクリアにしておけば「夕飯ぐらい」になるし。それが夫との2人の範囲じゃなくて、実家の親だったり、友達だったり、会社の人だったり。とにかくボロボロ落したものを拾ってくれる人に、百倍くらいありがとうというとみんな嬉々としてやってくれる感じです(笑)。 家のことを人に任せなければ絶対両立はできません。そもそも両立という言葉自体が違うと思っています。男性の上長に「両立していますか?」と質問したことある?

ないですね。みんな両立していないですもんね。

だから私は、女性に「両立」という言葉を忘れてほしい。両立ではなく誰とシェアするのかということです。

“大丈夫”と“ありがとう”

わかりました。シェアですね。奥田さんの名言に「“大丈夫”と“ありがとう”のサンドイッチで人生なんとかなる!」がありますね。

マネジメントとか人生って、だいたい「大丈夫」というパンを出せば、その上にいろんな人が具を乗せてくれます。私はその後に「ありがとう」というパンを挟めば、だいたいサンドイッチは出来てくるのです。

皆さんも例えばチームとかで少し上になった時に自分でやるのではなく、まず「大丈夫」といって、そこにみんなから美味しいものを集めて「ありがとう」という形で頼っていくといいですよ。

子ども、ITが生き方を変える

会場から「自分の人生を変えた出会いは? どんな人に影響を受けましたか?」というご質問を頂きました。奥田さんはいかがですか?

私がムンバイ大学での研修時にマザーテレサに影響を受けました。「目の前の人を幸せにしなさい」「世界を変えたいならあなたの家族をまず幸せにしなさい」といった言葉などは、人生を変えられました。もう1人は娘ですね。子どもを産んでから、自分が格好よく生きているかを娘に見張られている気がするのです。あとは日々自分を変えてくれる人を見つけるようにしています。

河合さんはいかがですか?

子どもの影響はすごく大きいです。子どもは欲しいなと思っていました。会社に産休・育休を頂きますという時には、絶対に復帰するかどうかの自信がなかったのです。戻ってこられる制度はあったので籍は残しておいてくださいと伝えました。絶対に戻ってきて「この仕事をやる!」というテンションではありませんでした。 子育ては24時間365日営業です。0歳児には3時間おきに夜中も起こされました。それと比べると今の仕事は、なんかぬるいです(笑)。出産・育児は、留学以上のかけがえのない経験だったなと感じます。すごく楽しかったです。 けれど子育てをしてやっぱり仕事をしていることが自分にとっては楽しかったのだということにも、逆に気づかせてもらいました。

復帰した直後は、まだまだしっかり面倒を見なければいけないのに仕事をして申し訳ないという気持ちもありました。でも今は子どもが大きくなった時に、この時はこんな仕事をしていたんだよと伝えられれば良いなと思います。 現在、プロダクトマネージャーの仕事は、もう1人男性とパートナーを組んでいるのですが、そのひとの仕事の仕方には尊敬できる部分がたくさんあり影響を受けています。お客さんの課題解決のために物事を前に進めようとする姿勢などを真似ていきたいです。

織田さんいかがでしょうか? アメリカに留学をするなどチャレンジをしていますね。

留学を決めたきっかけには、ブログやツイッターで発信する方々に感化されたということがあります。Twitterやブログを見ていると、その人がどんな人で、どんな生活を送って、どういう人になったのかがリアルに伝わってきます。そこで、自分ももっと変われるのではないかなとヒントをもらったのです。

ソーシャルメディアですね。

IT業界の人は新しい働き方をしやすいので、どんどん成功事例を作るべきだと思います。

まさに私たちからですね!「ITは人の幸せを作るもの」とおっしゃっていましたものね。IT業界はチャンスがあるということですね。

日本人は転職に対して臆病な人が多いと感じます。もっと自分のやりたいことに合わせて職を変えていっても良いのではないかと思います。自分のスキルが足りていないと思うのなら、スキルのつくコミュニティに参加して足りないところを補えばいいのです。私も前はJavaしかできなかったのですけれどJavaScriptやPython、Rubyもやっています。ほとんど無料で身につけられます。

「どんどんチャレンジしていこう」ということですね。一番若い織田さんに勇気づけられました。ありがとうございました!

撮影:橋本 直己  文:渡辺 清美 関連リンク: パソナテック エンジニアカフェ【Engineer Woman Meetup レポート①】奥田流 ピンチの乗り越え方

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執筆

編集部

渡辺 清美

PR会社を経てサイボウズには2001年に入社。マーケティング部で広告宣伝、営業部で顧客対応、経営管理部門で、広報IRを担当後、育児休暇を取得。復帰後は、企業広報やブランディング、NPO支援を担当。サイボウズ式では主にワークスタイル関連の記事やイベント企画を担当している。

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編集

写真家

橋本 直己

フリーランスのカメラマン・エディトリアルデザイナー。趣味は尺八。そして毎日スプラトゥーン2をやっています。

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