-
-
- 新人エンジニア
- 技術書に興味のある人
- プログラミングを学びたい人
- IT業界のトレンドを知りたい人
-
-
この記事は、新人エンジニアに向けてお勧めの書籍を紹介する内容で、主にサイボウズ社内のエンジニアにアンケートを取った結果をもとにしています。18名のエンジニアからの回答を基に、複数のオススメがあった書籍として「リーダブルコード」「プログラミング作法」そして「徳丸本」が挙げられており、それらは良質なプログラミング技術を身につけるのに役立つとされています。この記事はさらに計15冊の技術書や技術者向けの書籍を紹介しており、その選択基準として書籍が技術的知識の向上に寄与することを重視しています。
また、この記事では新人エンジニアに向けた先輩からのアドバイスも紹介されており、問題解決力の強化や睡眠の重要さ、積極的な学習の姿勢を持ち続けることなど、実践的な助言が含まれています。加えて、様々なIT企業で同じアンケートを実施し、その結果を比較することで各企業の雰囲気や価値観の違いも感じられるようにしていることも特徴です。
記事は、わかりやすくプログラミングやIT技術に関する洞察を深め、キャリアの初期段階でどのようなリソースを活用するべきかについて考えるきっかけを新人エンジニアに提供しています。
-
-
tech
新人エンジニアに勧める一冊──エンジニア100人に聞きました(第3回)
恒例コラボ企画「エンジニア100人に聞きました」の第3回です。今回のお題は「新人エンジニアにお勧めする一冊」。この春に入社した新人エンジニアに向けて、「これは読んでおくといいよ」という書籍を紹介してもらう、という趣旨です。
サイボウズ社内でアンケートを募ったところ、今回は18名から回答を得ました。第1回の「チェック柄のシャツは持ってる?」は33人、第2回の「ながら聴き」は35人だったので、回答数は減少してしまいました。人に書籍を勧めるのはそれほど簡単なことではない、ということなのかもしれません。
回答者の年代比率は以下の通りです。
グラフ1:回答者の年代構成
なお男女比率は、今回は男性100%でした。
お勧めは「リーダブルコード」「プログラミング作法」「徳丸本」
18人の現役エンジニアが「お勧めの一冊」として挙げた書籍は、計15タイトル。 このうち、以下の3冊は、それぞれ推薦者が2人ずついました(他のタイトルは、すべて1人ずつ)。
プログラミング作法
著者:Brian W.Kernighan、Rob Pike
翻訳:福崎 俊博
出版社:アスキー
ISBN:978-4756136497
発売日:2000年11月28日
判型:A5判
ページ数:344ページリーダブルコード──より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック
著者:Dustin Boswell、Trevor Foucher
翻訳:角 征典
出版社:オライリー・ジャパン
ISBN:978-4873115658
発売日:2012年6月23日
判型:A5判
ページ数:260ページ体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方
脆弱性が生まれる原理と対策の実践
(いわゆる「徳丸本」)
著者:徳丸浩
出版社:ソフトバンククリエイティブ
ISBN:978-4797361193
発売日:2011年3月1日
判型:B5変型判
ページ数:496ページ今回のアンケートは、書名(タイトル)を自由記入式にしたので、同じタイトルが挙げられる可能性はそれほど高くないだろうと考えていました。そんな中で、この3タイトルについては、それぞれ複数の人が「お勧め」と挙げたのですから、他のタイトルよりも、より「お勧め度」が高いと言えるかもしれません。
ほかには、
Effective Java 第2版
著者:Joshua Bloch
翻訳:柴田 芳樹
出版社:丸善出版
ISBN:978-4621066058
発売日:2014年3月11日
判型:B5判
ページ数:327ページUnix/Linuxプログラミング 理論と実践
著者:Bruce Molay
翻訳:長尾 高弘
出版社:アスキー・メディアワークス
ISBN:978-4048700214
発売日:2008年4月22日
判型:B5変型判
ページ数:656ページや、
- 「達人プログラマー──システム開発の職人から名匠への道」(Andrew Hunt、David Thomas 著/村上雅章 訳/ピアソンエデュケーション)
- 「入門UNIXシェルプログラミング 改訂第2版」(Bruce Blinn 著/山下哲典 訳/ソフトバンククリエイティブ)
のような、プログラミングに関する書籍が挙げられていました。
プログラミング以外の技術解説書としては、
詳説 正規表現 第3版
著者:Jeffrey E.F. Friedl
翻訳:株式会社ロングテール、長尾 高弘
出版社:オライリー・ジャパン
ISBN:978-4873113593
発売日:2008年4月26日
判型:B5判
ページ数:528ページを勧めている人がいました。「自分が新人のとき、実際に読んでみてためになったから」だそうです。正規表現をそこそこ使えるようになるだけなら、こんな大部な書籍を読む必要はありません。もっと手頃な資料がたくさんあるでしょう。しかし、正規表現の概念や、様々な実装(言語による違い)、効率の良い正規表現の作り方など、「一歩進んだ」理解を得るためには、本書は唯一無二の存在と言っていいでしょう。
中には、洋書を挙げている人もいて、
- 「Structure and Interpretation of Computer Programs」(Gerald Jay Sussman、Julie Sussman、Harold Abelson著/MIT Press)
- 「The SPARC Architecture Manual, Version 9」(SPARC International 著)
がお勧めだそうです。ちなみにこの2冊とも、上記のリンク先にて、全文が公開されています。また、「Structure and Interpretation of Computer Programs」のほうは、「計算機プログラムの構造と解釈」(和田英一 訳/ピアソンエデュケーション)という翻訳が出版されています。
技術解説書ではありませんが、技術者向けの書籍として、以下の2冊が挙げられていました。
情熱プログラマー
ソフトウェア開発者の幸せな生き方
著者:Chad Fowler
翻訳:でびあんぐる
出版社:オーム社
ISBN:978-4274067938
発売日:2010年2月26日
判型:A5判
ページ数:200ページ誰のためのデザイン?──認知科学者のデザイン原論
著者:DA Norman
翻訳:野島 久雄
出版社:新曜社
ISBN:978-4788503625
発売日:1990年1月25日
判型:B6判
ページ数:427ページ「情熱プログラマー」は、プログラマのキャリアについて書かれたユニークな書籍です。お勧めの理由は「今にして思えば、自分が新人のときにこれを読んでおけば良かったと考えているから」だそうです。
また「誰のためのデザイン?」は、認知心理学の視点からデザインについて論じたもの。この書籍を推薦した人は「モノづくりに関わる人なら誰が読んでもためになる本だと思います」というコメントを残しています。
「お勧めの一冊」として挙げられた15タイトルの中には、一般向けの書籍も3冊含まれていました。
[文春文庫]田宮模型の仕事
著者:田宮 俊作
出版社:文藝春秋
ISBN:978-4167257033
発売日:2000年5月10日
判型:文庫判
ページ数:320ページシンギュラリティは近い──人類が生命を超越するとき(Kindle版)
著者:Ray Kurzweil
監訳:井上 健
翻訳:小野木 明恵、野中 香方子、福田 実
出版社:NHK出版- 「理科系の作文技術」(木下是雄 著/中公新書)
「田宮模型の仕事」は、プラモデルメーカー「タミヤ」の物語です。この書籍を推薦してくれた人は、以下のようなコメントを添えてくれました。
ものを作る側に回るなら共感できる内容だと思います。やる気がなくなったときに是非。実用書(特にプログラミング関連)を読む機会は腐るほどあるはずなので、それ以外の何かも積み上げると良いでしょう。
「シンギュラリティは近い」は、人工知能が高度に発達し、人類が生物としての「特異点」(シンギュラリティ)を超えたら──という未来について論じています。こちらも、エンジニアとしては興味がそそられるテーマですね。これは、紙の書籍として発刊された「ポスト・ヒューマン──誕生コンピュータが人類の知性を超えるとき」のKindle版です。
「理科系の作文技術」は、もはや説明不要でしょう。学生時代に誰しも一度ぐらいは勧められたことがあるのでは、というぐらいの古典的名著ですね。
先輩エンジニアから贈る言葉
今回のアンケートでは、「先輩エンジニアとして、新人エンジニアに贈る言葉をお願いします」という項目を設けました。そこに寄せられた言葉を紹介して、この記事を終わりにしたいと思います。
やりたい放題やったらいいと思います。
問題解決方法の提案をすぐ出せるようになるといいと思います。
睡眠時間は重要です。回らない頭で作業をすると品質が著しく低下します。
ぜひ貪欲に学習してください。その上で分からないことは、積極的に先輩に質問してくださいね。その時は 「何が分からないのか」 を自分の中で整理してから聞くと先輩も優しく教えてくれると思います。
かんばりが足りない人は、がんばれ。
がんばりすぎて疲れてしまった人は、もっとのんびりと。
どんなことでも、やるとなったら全力で。手抜きでやったら成功しても失敗しても何も得られない。(了)
「エンジニア100人に聞きました」は、同じアンケートを複数のIT企業で実施し、それを同時に公開して、それぞれの違いを味わうという、お楽しみ企画です。会社ごとにそれぞれ独特な社風があるように、エンジニアにも、それぞれの企業に特有の「気風」といったものがあるのかも──という素朴な好奇心から始まりました。
今回コラボした企業は以下の通りです。ぜひアクセスして、それぞれを見比べて楽しんでみてください。なお、以下の情報は、リンク先が判明し次第、随時更新していく予定です。
- エンジニア100人に聞きましたプロジェクト」に参加しました!!(株式会社アクシス)
- GREE Engineers’ Blog(グリー株式会社)
- ドリコムのエンジニア100人に聞きました(株式会社ドリコム)
変更履歴:
2014年4月18日:記事末に、コラボ企業の記事へのリンクを記載しました。
書籍の表紙画像は、各社から許諾をいただいて掲載しています。
この記事(書籍の表紙画像を除く)を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。タグ一覧
- #e100q
SNSシェア
- シェア
- Tweet