サイボウズ株式会社

人を潰すチームより、生かすチームがいいですよね? 「チームワーク向上のために大切なこと」講義の実況中継

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 企業経営者
  • チームリーダー
  • マネージャー
  • 人材育成担当者
  • ビジネスパーソン
Point この記事を読んで得られる知識

この記事では、効果的なチームワークの重要性とその向上の方法について詳しく解説されています。理想的なチームは、メンバーそれぞれが役割を分担しながら協働し、4つの成果—効果、効率、満足、学習—を生み出すことができます。この成果を達成するためのプロセスとして、理想の明確化、役割の分担、コミュニケーション、ノウハウの蓄積、そしてモチベーションの向上が挙げられています。

チームの効果を高めるためには、信頼関係が不可欠であり、信頼はスキルと覚悟の掛け合わせで成り立つと説明されています。信頼があることで効率的に業務を進めることが可能になります。チーム内では、個々の長所を伸ばし、短所を他のメンバーで補うアプローチが有効です。そのため、チームのメンバー間での信頼とコミットメントの重要性が強調されています。

また、約束や行動指針を明文化することで、理想に近づきやすくなり、チーム全体の目標に向かって協力することがしやすくなると述べられています。さらに、記事では具体的な事例などを交えながら、実践的なアプローチの重要性も示され、一人一人の役割とコミットメントがチームの成功に寄与することが強調されています。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

人を潰すチームより、生かすチームがいいですよね? 「チームワーク向上のために大切なこと」講義の実況中継

おしぼりは、日本のおもてなし文化の一つ。藤波タオルサービスは触感、衛生、香りにもこだわった様々な製品を開発し、海外にも市場を拡大している。

注力すべき業務ではなく、チーム内での摩擦に時間をとられ力を消耗していく。そんなことでは、もったいないですよね? せっかく働くのであれば、高め合える関係の中で力を発揮し、成果を出して喜びを分かち合えるほうが断然よいはず。
では、チームワークを良くしていくためにはどうしたらよいのでしょうか? おしぼりのレンタル・販売事業を営む藤波タオルサービスでは、チーム力を強化するため社長と社員が共に学ぶ機会を設けています。そんな藤波タオルサービスの研修で、サイボウズの山田理副社長が紹介したのは「サイボウズで大切なこと」。チームワーク向上のためのメソッドを、実況中継形式でお届けします。

チームワークの4つの成果

チームワークとはなんでしょうか?
チームワークとは、チームのメンバーが理想を達成するために、役割を分担して恊働することです。
では、チームワークを良くすると、どんないいことがあるのでしょうか?  効果・効率・満足・学習がという4つの成果がでるというメリットがあります。

この4つの成果を説明します。
例えば会社の中では、アウトプットがどんどん増え、売上などが増えていく。これが一つ目の「効果」ですね。
2つ目の「効率」は、同じリソース、同じインプットで、たくさんのものができたり、同じことをやるのに、少ないインプットでできたりすることです。
3つ目の「満足」は、このチームで働いていたら「めちゃくちゃ楽しい」と社員の人の満足度が高くなることです。
4つ目の「学習」は、社員の成長の度合が高まることです。学んでいき、いろんなことができるようになっていきます。
だいたいのチームでは、この4つを無意識のうちにやっています。
売上が増えなくてもいいから、社員の満足度を徹底的に上げていこうという方針にするのもいいと思います。ブラック企業などは、厳しくて、皆が「いやだ、いやだ」といっても、すごく成長しているといったこともあると思います。
4つに優先順位をつけてもいいですし、何かに絞ってもいい。万遍なく取りにいってもいいのです。


チームワークを良くするための5つのプロセス

今度は、「どうやったらチームワークが良くなるのか?」です。5つのプロセスに分けることができます。
1つ目は、理想をちゃんと創って、明確にしていくことです。できるだけ多くの人がワクワクして「やりたい」と心が動き、熱くなれるような理想をまず創ることが、一番大事なことです。
しかし、理想と言っても「何かイマイチ燃えない」、「わくわくしない」ということもあると思います。
そういう場合は「何をやったら一番ありがとうといって欲しい人にありがとうといわれるんだろう?」ということを考えていけば、気持ちよく一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

2つ目は、理想に対して役割が分担されているかです。役割分担がないと、非効率なチームになります。
3つ目は、コミュニケーションをすることです。「自分はこんなことをやっています」「自分はこんなことで困っています」「私はこんなことを助けられます」という情報をメンバーと交わすのです。
4つ目は、ノウハウを蓄積することです。自分がやったことを明文化し、残していくことで他の人もノウハウを得ることができます。より多くの人が効率的に成長できます。
サイボウズは、3や4などコミュニケーションのサポートやノウハウ蓄積のためにグループウェアというツールを提供しています。
5つ目は、モチベーションを上げることです。みんなが「イキイキと頑張ろう」と思うことです。モチベーションが上がるほど、チームワークは良くなります。
モチベーションを上げるためには、どうするのか? 選択肢を増やすのです。やれといわれたことだけをやるのは、嫌ではないですか? 「AとBがあるけれど、どっちがやりたい?」と選択できる。これがモチベーションになっていきます。
矛盾するかもしれませんが、人は選択肢が多くなればなるほどモチベーションが上がるかというと、そうでもない。迷ってしまうこともあります。
選択肢がゼロではなく、ちょっとした選択肢を作る。モチベーションを高めるために主体性は、重要な要素です。


「信頼」があれば強固なチームで効率的に仕事ができる!

チームワークで最も重要なものは、なんでしょうか? 信頼です。信頼がない状態は、疑いとなってしまいます。「やれないのでは?」「違うことをやるのでは?」「悪口をいうのではないか?」とか、いろんなことを考えるほど、コストがかかってきます。
下手をしたらコミュニケーションや役割分担もうまくできない状態が起こります。信頼をもってやっていくことで、より強固なチームで、より効率的にワークできます。信頼は、頼る人がいて成り立つものです。
信頼は、サイボウズの評価基準でもあります。信頼は「スキル×覚悟」です。覚悟が0だったら、スキルが高くても信頼は0、その逆も然りです。覚悟は、チームに対するコミットメントなのです。

では、信頼がスキルと覚悟の掛け合わせであることを、野球に例えて考えてみましょう。
9回2アウト満塁。1打逆転負けというピンチ。ここはスキルの高いピッチャーのルイスに任せたい。ところが「すみません、今日ちょっと気分が乗らないので、他の人をあたってもらえますか?」と言ったとします。
もしあなたが監督だったらどう思いますか? スキルはすごいかもしれないけれども覚悟が少なく、ピンチの時に頼りにならない。こういう人は、信頼できないわけです。

同じ場面でもう1つの場面を考えてみましょう。別のピッチャー、ジョージは「力の限り、投げ込みますよ」とチームに尽くす覚悟です。
でもジョージはこどもなんです。スキルのたりないジョージに、このピンチの場面を任せるのは難しいです。覚悟だけあってもスキルがないとダメです。
スキルと覚悟、両方が大事ですよね。


重要な約束は明文化し、メンバーが理想に近づきやすくする

信頼を得るためには何が必要でしょうか? 一番、基本的なところは、約束です。約束を守る人は、信頼されます。約束には、明文化されたものと、暗黙のものがあります。

藤波タオルサービスのミッションは「新しいおもてなしの感動を創造し、世界中に笑顔をお届けします」。企業理念や行動指針を「コンパス」という手帳にまとめ社員に手渡ししている。

藤波タオルさんであればコンパスに書かれたことが約束です。「うちの会社、こういうことを大事にしよう」「これを守ろう」「ここ目指そうね」これは、明文化されている約束になります。
おもてなし、ベンチャー精神、伝え方、Try&Error、一人の人間としての笑顔、感謝とか。 重要な価値観を明文化し共有しやすくすることで、メンバーの一人一人が、理想に近づきやすくなります。
サイボウズでは、Action5+1という行動指針を大切にしています。なかでも「公明正大」であることを最も重視しています。「公に明るいところで、正しいと大きな声でいえる行動、または言えること」です。

Action5+1に基づいて、半年に1度、「こういうことができるようになったね。次はこういう課題をおこう」と振り返りと次の課題設定のための面談をしています。


チームなら弱みは克服しなくてもよく、強みだけを伸ばしていけばいい

サイボウズでは、チームワーク創造メソッドというものを研修でやっています。ほんのさわりだけですが、やってみましょう。
藤波社長の頼りになるところ、得意なこと、強みを共有して下さい。ご本人の意見はいりません。

新しいことを見つけ出して、それを取り入れようというところ。

即決力がある。

人脈が多い。

行動に移すスピードが速い。

もっとあるのではないですか?

気配りがすごい。

あと1ついきましょう

お酒が強い。

藤波タオルサービスの藤波克之社長(左)とおしぼり工場を見学するサイボウズ山田副社長。藤波タオルサービスでは月曜から金曜まで1日2回、1回1組限定で無料の工場見学ツアーを実施している。

頼りになりますねぇ。ははははは。たぶん強みはたくさんあると思います。
一方で、藤波社長ご自身の弱みもあると思うのです。他人に言われたらむかつくので、御自身で答えてください。「こういうところが苦手だな」「弱みだな」というところはありますか?

周りが見えなくなるところですね。集中しすぎたり、すごく気合いが入っているときに、我が出ます。

なるほど。

人の話を聞かなくなったりするところがあります。

もう1つくらい出しますか?

悩みやすい。

ありがとうございます。
皆さんの中には、その弱みと逆の人がいると思うんです。「こういう選択もあるのでは?」とアドバイスされ、視野が広がったとか、悩んだときに明るい人が元気をくれたとか、「横にいてくれてありがたい」と思うこと、ありますよね?
個人なら、弱みがあったら足かせになります。でもチームでは、その弱みを補う強みをもつ人がいればいいのです。弱みは克服しなくてもよく、強みだけを伸ばしていけばいい。
マネジメントは、いかにその組み合わせを上手くするかということです。リーダーが工夫していくところです。
今回は、社長だけでしたが、チームメンバーで強みと弱みを共有しあうと、補い合える組み合わせが成り立ちます。社内研修では、弱みを補えるメンバーに起立してもらって「よろしくお願いします」とやっています。
一番覚えておいて欲しいのは、チームワークなら強みを伸ばせるということです。「弱みなんか言ってはまずいのではないか」と思いがちです。しかし助けてくれる人がいます。
皆さん、理想の実現のために、ぜひチーム一丸となって頑張って下さい。


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