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洗濯はなぜ非効率なのか──コデラ総研 家庭部(7)

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 家事の効率化に興味のある人
  • 洗濯の負担を軽減したい家庭の主夫・主婦
  • 家事を分担する家庭の男性
  • ライフハックや生活の改善に関心がある人
  • 技術系ライターやコラムニストに興味がある読者
Point この記事を読んで得られる知識

この記事では、洗濯という家事が大変非効率であること、特にそのプロセスの後半において多くの時間と労力を要することが詳しく説明されています。洗濯物を一つ一つ干す必要があり、通常の家庭ではこの作業が非常に大変です。さらに、洗濯物を取り込んで仕分けし、それぞれの場所に収納する作業があり、これが家事における負担となっています。このような日常的な労力をどうすれば効率化できるのかを考えることの重要性が示唆されています。記事は、家庭における洗濯の効率化についての提案や考察を求めており、最終的には読者に改善策を検討させる形で締めくくられています。

Text AI要約の元文章

tech

洗濯はなぜ非効率なのか──コデラ総研 家庭部(7)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第7回目。今回のお題は「洗濯はなぜ非効率なのか」。

本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)

文・写真:小寺 信良

おっさんのおっさんによるおっさんのための家事の効率化を研究する本連載では、いよいよ本丸とも言える洗濯の領域に足を踏み入れてゆく。大抵の場合、おっさんが家事分担として割り振られる羽目になるのが、掃除と洗濯だ。だがそもそも会社でも自分の机周りすらろくに掃除できないような人間が、自宅の敷地面積すべてという広大な面積を効率的に掃除できるとは思えない。ほとんどが雑に終わってしまうので、ほとんどのケースで「失格」の烙印を押されることになる。

それに代わって割り振られることになるのが、洗濯である。洗濯は、よほど特殊なもの、例えばおしゃれ着洗いや色落ちするもの、襟汚れのひどいといったケースを除けば、日常着るものの洗濯なら誰がやってもそんなに失敗するものではない。洗濯機に入れればあとはなんとかなる系のルーティンワークだからである。だが、実際に洗濯という家事は、1サイクル完結するまで面倒見ると、ものすごく時間も体力も消耗する作業である。

なぜか。実はそのほとんどが、衣類の運搬およびその個別対応に追われるからである。僕が家事一切を面倒見る事になって、もっとも苦痛に感じたのが、洗濯だ。だがその反面、効率化すると劇的な効果がある作業でもある。

まず現代の洗濯がいかに非効率であるかを考えるため、一般的な家庭をイメージしてみよう。おそらくほとんどの家庭では、洗濯物は脱衣所に自動的に集まる事になっている。風呂の時に脱ぐことを基本に、洗濯物はそこに出すという取り決めが家庭内で行なわれているからだ。

そして大抵は脱衣所に洗濯機が置かれており、貯まった衣類を洗濯槽に移して洗濯を行なう。ここの移動はまあ大したことはない。ここまでは半分自動化しているようなものなので、大したことはない。洗濯が自動化されていないのは、そこから先であり、その労力が半端なくかかる。

洗濯した後の労力

多くの家庭では、洗濯・脱水を1ユニットで行なう単槽全自動式が主流である。洗濯機で処理後の洗濯物は、1つずつ取り出してひろげ、物干しハンガーに吊るしていくことになる。これが洗濯で一番労働力が取られる部分だ。夏場ならまだしも、寒い冬に暖房設備のない脱衣所で、冷たく冷え切ってねじり上がった洗濯物を1つ1つ広げては干していく作業は、地味を通り越して非人間的ですらある。

あるいはもの干し場で広げる人もいるだろう。だがこれは天気のいい昼間ならできることで、専業主夫でもなければ毎日そんなタイミング良く洗濯できるわけがない。

そうしてつり上がった洗濯物は、物干しハンガー1つ2つでは済まないだろう。4人家族程度なら3つ4つにはなっているはずだ。これらを物干し台まで運ぶ。もちろん1回では済まないだろうから、2階に運ぶにしても、同じ階のベランダに運ぶにしても、2往復ぐらいする。冷え切ったワイシャツの袖がペターッと首筋に貼り付いたりなんかした日にゃ、「なんでオレがっ!」と声を荒げたくもなろう。以前も書いたが、男が家事を行なう時に「なんでオレがっ!」と感じたら、それはもはや何らかの改善を図っていかないと、続けられないということなんである。

時間によっては、夜だったりもするだろう。寒い寒い冬の最中に、ずっしり重い物干しハンガーを両手に提げたおっさんがベランダに出て懸命に洗濯物を干す。場合によっては物干し竿も滑って落ちたりもするだろう。クソッと悪態をつきつつそれを足で拾い上げようとして股関節が攣ったりもするだろう。これを哀しいと呼ばずして一体なんと言おうか。

干してる間も、油断はできない。軒のない物干し台では、雨が降ったら台無しだ。もっとも軒があっては日当たりも悪いだろうから、乾きも遅くなる。

干し上がったら干し上がったで、今度はそれを取り込み、1枚ずつハンガーから外してはたたむ。これは誰のパンツ、これは誰の靴下、などと仕分けているうちに、靴下が片っぽしか見つからなかったりするだろう。そういう半端な靴下が、洗濯物たたみスペースにどんどん貯まってゆく。あるいはブラジャーのたたみ方がわからず適当にグルグル巻きにしてたら、型崩れがするじゃないのと奥さんに叱られて半べそになったりもするだろう。

仕分けした洗濯物は、それぞれの家人の洗濯物をしまうべき場所へしまう。家族が多ければそれだけ仕上がり品の仕分けと分配・収納に時間が取られることになる。

こうしてわかるように、洗濯における大半の人的労力は、実は洗濯の後に起こっている。そしてこれがほぼ毎日、生きている限りエンドレスで発生するのが、トータルで言う「洗濯」という業務だ。

このワークフローをどのように改善できるか。皆さんも次回までに考えておいていただきたい。(了)


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