松永 映子
イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。
この人が撮影した記事をもっと読む
この記事では、会議の効果的な運営方法について考察しています。特に、"関係ない人を会議に出席させない"ことが重要であり、関係のない人を巻き込まないことが会議の資源の無駄を減らすという点を強調しています。会議に参加するためには強制的に自分の業務を中断する必要があり、そのためコンテキスト切り替えに伴うコストも発生します。そのため、参加者を慎重に選ぶことが重要です。
また、定例会議の有用性も疑問視されており、目的が情報共有であるならば、非同期のコミュニケーション手段を活用すべきだと述べています。会議を開く際には、冒頭でゴールの確認を行い、全員がその目的を共有することが有効であり、その後の議論がスムーズに進行するようになります。また、会議中は議事録をスクリーンに映しながらリアルタイムで作成し、脱線を防ぎつつ、会議を効率的に進める方法が推奨されています。
会議の終了時には、決まったことや次回のアクションを明確にし、会議をただの討論の場に終わらせないことが重要であると解説されています。これらの取り組みにより、会議がチーム全体の生産性を高める手段になることが示されています。著者の日野瑛太郎氏は、これらの視点が個々人の効率的な働き方にも寄与し得ることを示唆しています。
ブロガーズ・コラム
突然ですが、あなたのチームの「会議」はうまくいっていますか?
ここで自信を持って「うちのチームの会議はうまくいっている」と答えられる人は、おそらくあまりいないのではないかと思います。
「長い時間をかけて話し合っている割には何も決まらない」「いつも話が脱線して、時間ばかりかかって困る」「そもそも、なんで会議をしているのかすらよくわからない」などなど、会議にまつわる悩みはよく耳にします。
人が複数集まって働くのであれば、程度の差はあれどうしても「話し合い」の場は必要になります。基本的に、チームと会議は無縁ではいられません。
そしてよいチームほど、会議のやり方が上手です。これは、会議のやり方を見ればチームのレベルがある程度はわかってしまうということでもあります。
そこで今日は、チームを円滑に運営するための「よい会議のやり方」について考えてみたいと思います。
大前提ですが、会議に関係ない人を巻き込んではいけません。
「そんなのあたりまえじゃないか!」と思われるかもしれませんが、これが全然守られていないケースが多々あるのです。
当然のことですが、会議に参加するためには自分の仕事を一時中断しなければなりません。1時間の会議に参加するということは、1時間自分の仕事をする時間が減ることでもあります。
もっと言うと、ここで減るのは実際には1時間だけではありません。会議に参加するのと自分の仕事をするのとでは「コンテキスト」が異なりますから、この「コンテキストの切り替え」についてもコストを払わなければなりません。
仕事を「集中モード」でバリバリやっていたところで会議が入りそれが中断された場合、また「集中モード」に戻るためには結構な時間が必要になるのが普通です。どんなに短時間なものであっても、会議に参加することはそれだけで「大イベント」なのです。
それゆえ、ある人を会議に参加させるか否かは、慎重に判断しなければなりません。1つの目安として、その人が参加しても一言も発言することがない状況が予想されるのであれば、その人を会議に巻き込むべきではありません。あとで会議の内容を共有したいのであれば、議事録だけメールで見てもらえば十分です。
「◯◯さんにもいてもらったほうがいいかも」といった漠然とした思いつきで、会議に人を巻き込むのはやめにしましょう。誰かに会議に参加してもらいたいのであれば、その人にどのような役割を期待しているのか、明確に説明できる状況にしてからでなければいけません。
会議で特に気をつけなければ「定例会議」です。「情報共有のため」と称して、週1回1時間程度の定例会議を設けているチームも多いことと思います。
これは意見の分かれるところだと思いますが、僕は「朝会」のようにショートに情報共有する時間が確保できているのであれば、改めて「定例会議」を行う必要はないと考えています。たしかにチーム内の情報共有は密に行う必要がありますが、そのための方法として定例会議がベストかというとそれは微妙です。
「たったの1時間ぐらい……」と思う人がいるかもしれませんが、仮に10人のチームで1時間の定例会議を開催した場合、チームから10時間分の工数が奪われることになります。
前述したコンテキスト切り替えの負担まで考慮すると、実際のコストはそれ以上になります。情報共有が目的の定例会議に、果たしてそれに見合うだけの価値はあるのでしょうか?
チーム内で情報共有がしたいのであれば、メーリングリストにメールを流してもいいですし、グループウェアなどを使って済ませることもできます。
これらの方法が優れているのは「非同期」なところです。各自、仕事に集中していないタイミングを見計らって確認できるので、コンテキスト切り替えの負担を払わずに済みます。自分にはあまり関係ないと思った情報は、斜め読みで済ませることもできます。
一方、定例会議はどうしてもみんながその場に出席するという形で、「同期」して行わなければなりません。チームの一部の人にだけしか関係ない情報も、全員が聞かなければなりません。これはやはり、ムダの多いやり方だと言えます。
会議の出席者を絞り、会議そのものの回数を極限まで減らした上で、いざ会議をすることになったら、どのように進めるのがよいのでしょうか。
どんな会議であっても、冒頭で絶対にやらなければならないことがあります。それは「会議のゴールの確認」です。この会議は何のための集まりで、どうなったら終了するのか、ファシリテーターはそれを何よりも先に明確にしなければなりません。
また「あたりまえじゃないか」と思われた方もいるかもしれませんが、この「あたりまえのこと」ができていないケースが本当にたくさんあるのです。これをしない状態ではじめると、ほぼ間違いなく会議は不毛に陥ります。「どこに行けばいいか」が明確になっていない状態で、走りだせば迷ってしまうのは当然です。
もう1つ大切なことは、議事録をリアルタイムでスクリーンに映しながら会議をすることです。
事前にアジェンダをまとめておき、それにリアルタイムで追記する形で議事録を作成します。各アジェンダの横には話し合う時間の目安を書いておくとよいでしょう。議事録を「みんなが適当にしゃべったことをただまとめるだけの書類」にしてはいけません。
議事録をスクリーンに投影しながら会議をすることで、会議の天敵である「脱線」を防ぐことができます。それでも脱線しそうな場合は、ファシリテーターが元の話に戻します。
また、脱線でなくてもひとつのアジェンダに嵌り込んでしまって時間を使いすぎる場合は、切り上げて先に進める勇気も必要です。参加者の一部だけが深い議論をしはじめてほかの参加者が置いてきぼりにされそうな場合は、あとで一部の人だけが集まって話すように決めて、アジェンダを先に進めたほうが生産的です。
会議の終了時には必ず「決まったこと」と「決まらなかったこと」をまとめ、次回までの「ネクストアクション」を策定します。ネクストアクションを策定する際には担当者も確定し、「誰がいつまでに何をするか」を必ず明確にします。会議が「ふわっとはじまり、ふわっと終わる」ようなことは、絶対にあってはいけません。
会議のレベルが上がるだけで、チームの生産性は大きく向上します。どんなに能力の高い人が集まっていても、会議のやり方がマズいとその力はチームには反映されません。「会議を効率よく実施できること」は、よいチームであるための必要条件でもあるのです。
ハイレベルな会議で、ハイレベルなチームを目指してください。
イラスト:マツナガエイコ
タグ一覧
SNSシェア
イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。
この人が撮影した記事をもっと読む