サイボウズ株式会社

なぜサイボウズは企業ロゴをクラウドソーシングで3つも作るのか?

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 企業のマーケティング担当者
  • デザイナー
  • クラウドソーシングに関心のある人
  • IT業界の関係者
  • ロゴデザインに興味のある人
Point この記事を読んで得られる知識

記事から得られる知識は、サイボウズが企業ロゴを新たに作り直す理由と、その際にクラウドソーシングを利用して3種類のロゴを作成する理由についてである。サイボウズは創業以来17年間使用してきたロゴを刷新する必要性を感じており、その背景には企業自体がクラウドサービスに移行し、多様な働き方やチームワークの価値を重視する新しい方向性を持っていることがある。クラウドソーシングを選択した理由としては、1つの固定されたロゴではなく、多様性を持った複数のロゴを作成することで、サイボウズの企業文化を反映しようとしているためである。

また、クラウドソーシングを通じて多様な視点のデザイン案を募ることで、参加するクリエイターにとっても新たな創作の機会を提供し、その過程において企業とクリエイターがともに成長していくことが期待されている。さらに、サイボウズは企業の変化や成長に合わせてロゴも進化させる必要があると考えており、これにより企業の新たなフェーズを象徴するものとしたいとの意図がある。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

なぜサイボウズは企業ロゴをクラウドソーシングで3つも作るのか?

突然ですが、サイボウズの企業ロゴってどんな感じか、ぱっと頭に思い浮かびますでしょうか?




……


…………


ハイ、なかなか思い浮かばないですよね。今のサイボウズのロゴはこちらになります。

この企業ロゴ、創業から17年間ずっと使い続けてきました。しかし、このたび新しい企業ロゴを作り替えることにしたんです。しかも1種類じゃなく、3種類のロゴを作ってみようと。それをクラウドソーシングで募集をしようと――。

普通、企業ロゴは1つに定めるものですが、その常識をあえて破り、数種類のロゴ制作に挑戦します。なぜこんなことをするのか? 企業ロゴ制作プロジェクト起案者であるサイボウズ式編集長の大槻と、社長の青野に聞いてみました。

青野さん、なぜ今企業ロゴを変えるんですか?

今日から2014年4月23日まで、ランサーズさんとタッグを組み、サイボウズの新しい企業ロゴデザインを募集することになりました。こんな感じです。

大槻

ほー、いいね。

ランサーズさんと開始する企業ロゴコンテスト

今回の企画は青野さんから「そろそろ企業ロゴを新しくしたい」というリクエストを受けて出来上がったものです。そもそも、なんで企業ロゴを変えようと?

大槻

使っていてワクワク感を感じないんですよね(笑)。今のロゴは「斜体でカッコつけた感じ」。こういうロゴは最近あまり見なくなっていますし、シリコンバレーのWeb企業ではほとんど見たことがない。

思い返せば、Web2.0が流行ったころはどんどん新しい会社ができてきましたよね。みんな面白い会社名にして、先進的なロゴを作っていた。Yammerというサービス名の最初のアルファベットは大文字だけど、ロゴではあえて小文字にしたり。ロゴにも変化と多様性があったよね。

Flickrもそうですよね、アルファベットで遊んでてポップな印象です。

大槻

そうそう。他にも、DeliciousのURLは「del.icio.us」で、いい感じで遊んでいましたね。最近ですと、Instagramもいいロゴだし。それに比べると、サイボウズのロゴはレガシー感があるというか……。

新しい働き方、チームワーク――ロゴに期待する要素とは?

2014年はサイボウズにとって創業17年目になりますが、これまでロゴはずっと創業当時につくったものを利用していましたね。ロゴの刷新は常に考えていたんですか?

大槻

もちろん、ロゴ変更は社長が意思決定することですし、常に考えていました。けどタイミングが難しいんですよね。緊急の課題でもないだけに、「今ロゴ刷新に力を割くべきではない」といった意見が社内から出ることも考えられますから。

タイミングを図っていたと。

大槻

はい。そういう意味ではクラウドサービス「cybozu.com」を2011年11月にリリースしたときに、BBCのロゴ制作にも携わっていたイギリスのデザイナーさんにロゴを作ってもらったのが良かったね。あのロゴを見た社員はみんな「かっこいい」って思ったはずだし、あれが小さな成功体験だったなと。

契約数がうなぎ登りのクラウドサービス「cybozu.com」のロゴ

サイボウズでは数種類のデザインの名刺を自由に選んで使えます。企業ロゴだけでなく、cybozu.comのロゴも選択できるようにしたところ、このロゴが入った名刺を選んでくれる社員が結構多くて。そしてメインの企業ロゴが追いやられている(笑)

確かに……。

大槻

だから、ロゴはいろんなパターンがあってもいいんじゃないかと思っているんです。そんな中大槻さんから「クラウドソーシングでロゴを作ります。しかも1つではなく3つのロゴを」と来た。これは面白いね。自分ではまったく考えつかなかった、斜め上からの企画でした(笑)。

今、サイボウズはさまざまな節目なんですよね。「選択制人事制度」や「ウルトラワーク」、「育自分休暇」といった新しい働き方の制度が世の中の注目を集めています。 また、事業自体もパッケージソフトから、クラウドサービスへ変化していますし、何より「チームワークを提供する企業へ」と企業ミッションを再定義しました。もう昔のサイボウズとは違う会社になりつつあるんです。とにかく大きく変化している。

大槻

古かったサイボウズが新しい方向に大きくかじを切っているという意味での節目ですね。ビジネス面では業態がメーカーからサービスへと変化し、単なるスケジュール共有ソフトの会社から「クラウドプラットフォーム」を提供する企業へと変化しています。そしてお客様層も、中小企業から大企業、そしてグローバル一般層へと拡大している。この変化に応じてロゴも変えていこうよと。僕達が進むべき方向である「チームワーク」を指し示しつつ、企業文化である「多様性」をロゴにも持たせようと思ったんです。

なぜ、クラウドソーシングで企業ロゴを制作するのか

青野さんのこだわりは「1つのロゴにこだわらないこと」でした。この方向性があったので、クラウドソーシングというイメージが浮かんだんです。著名なデザイナーと1つのロゴを作るのではなく、多様な方々から集まったアイデアを基にした複数のロゴが作られてもいい。この多様性こそがサイボウズなんですよね。

大槻

クラウドソーシングでロゴを3種類作るときいて、これはとてもおもしろいなと。少なくとも、私はまったく考えていなかったアイデアです。 1人のデザイナーさんと密にして1つのロゴを作るのではない。日本中のクリエイターと一緒に「3つくらいロゴ欲しいんですけど」ってブレストして、色々な感性で「こんな感じですか?」と多様なロゴアイデアを頂けるのではないかと。東証一部上場規模の企業はまだチャレンジしていない面白い分野ですよね。

ロゴ制作で期待することは?

大槻

今回「エンタープライズ市場」「グローバル市場」「国内市場」という3つの市場に向けたロゴを募集します。それぞれにコンセプトがありますので、それをうまく表現してほしいな、と。大槻さんは何か懸念していることはあります?

発想が広がらず、似通ったパターンのロゴしかそろわなかったとなったら、ちょっと残念ですね。「一人のデザイナーさんに頼めばよかった」ではなく、「ロゴの提案数にボリュームがあってアイデアも多様。選ぶのが難しい」という嬉しい悲鳴をあげられることを期待しています(笑)

大槻

うん、3つ作ったロゴがどれも似通ったものだともったいない。そういう意味では、3種類のロゴの全然違って、イメージに振れ幅があるといいね。その振れ幅の3点をつないだ面積の大きさが「サイボウズの多様性の大きさ」を示すものであればいいな、と。 僕たちの存在意義は「あらゆるチームのチームワークを向上させること」。それこそ、企業以外にも、家庭でも、サークルでも、PTAでもマンション管理組合でも、至る所にチームはありますし、まだサイボウズを知らない人にも伝わるようなロゴがあってもいいと思っているんです。

高度なお題になってきましたね(笑)。3つのロゴはそれぞれ違うけど、組み合わせたらサイボウズを象徴するロゴになる、なんてものがあってもいい。

大槻

「Twitterのロゴは素材集サイトで見つけたらしいです」「いいね、そういうノリ(笑)」

3種類のロゴを作りますけど、メインのロゴが1つないと困るよね。結局どれが本物のコーポレートロゴなの? みたいになるかも(笑)

そういう意味では、「1つにロゴを絞らない」というのは、固定観念を破ろうとする挑戦ですよね。最近ではGoogleのWebサイトを見ると、いろんなデザインのロゴが日替わりで表示されますし、ロゴは多様であっていい。

大槻

ふむふむ。

Twitterのロゴの裏話も参考にしました。Twitterの鳥マークは素材集サイトから15ドルで購入したものだったとか。それを知って、「あ、ロゴって意外と緻密に考え込まなくてもいいのかも」と。「じゃあ、サイボウズならもっと面白くできる」ということで今回の企画が形になりました。

大槻

確かにあの鳥のロゴを見ると、「あ、Twitterだ」ってすぐに想像できるよね。いやー、面白い。新しいロゴはどうなるのか楽しみになってきましたよ。

「クリエイターの皆さん、3つのロゴの"振れ幅"に期待しています」

青野さんがクリエイターの皆さんに期待することは?

大槻

やっぱり「振れ幅」が欲しいよね。全体最適で1個のロゴを作るのではなく、振れ幅を出してほしい。3つのロゴの1つ1つはバラバラに見えるけど、その3つを結ぶと新しいロゴが見える、みたいな。あとはサイボウズの企業文化――ワークスタイルの多様化やチームワークの価値――が感じられるロゴになればと思っています。

3つ企業ロゴを作り、その3つの総和で企業ロゴを定義するなんて、今までないでしょうね。

大槻

確かに! 後はサイボウズユーザーの皆さまも応募してくれるんじゃないかな。500万人のお客様がいますから、その中に我こそはと思って頂けるクリエイターさんが参加してくれたら嬉しいね。クラウドソーシングですから。

クラウドソーシングなので、クリエイターの多様性にも期待しています。例えば「主婦の方」がサイボウズのロゴを作った、となるととてもおもしろい。もしかしたら社員もいるかも(笑)

大槻

もしその人のロゴが選ばれたら、その人は「サイボウズという東証一部上場企業のロゴを作ったんだ」って言えるよね。その人のクリエイター人生にもきっと良い影響が出てくるはず。

その方の代表作になれたら嬉しいですね。

大槻

これまでいろいろありましたけど、なんとかサイボウズを東証一部に上場させることができました。僕達ももっとサイボウズというブランドを高めていかないといけませんね。制作いただいたクリエイターさんのブランドと一緒に上がっていこうと、という感じです。

サイボウズ 企業ロゴ(3種類)制作コンテストについて

募集期間は2014年4月23日まで。総額100万円のロゴコンテストです。ご応募いただける場合は、この画像をクリック!

期間 2014年4月03日(木)~4月23日(水)
コンテストサイト http://www.lancers.jp/work/detail/306048
概要 サイボウズの新しい企業ロゴを、3種類デザインしてください。
賞金 総額100万円
募集ロゴ 1)エンタープライズ市場向けロゴ2)グローバル市場向けロゴ3)国内市場向けロゴ

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