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「朝イチ定例」で「今日やらないこと」を決めよう

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • ビジネスパーソン
  • プロジェクトチームのマネージャー
  • 効率的な会議運営に興味がある人
  • 働き方改革に関心がある企業の経営者や管理職
Point この記事を読んで得られる知識

この記事からは、効果的な会議の方法として「朝イチ定例会議」が紹介されていることを学べます。この記事では、資料が不要で、短時間で行う立った状態の会議の利点が強調されており、全員が一日に取り組むべきタスクを明確にし、共有するための方法として提案されています。また、この形式の会議を通じて、メンバーの健康状態や作業の優先順位についても把握しやすくなるとされています。

さらに、過去の情報共有だけではなく、それを元に今後の行動を計画する場であるべきだと述べられており、一日の中で何をやらないかを決めることが重要であることが述べられています。特にマネジメントにおいて、チームメンバーの優先順位にズレが生じた場合、すぐにフォローし調整することが重要だとされています。これらの工夫を通じて、チーム全体のモチベーションを維持し、日々の業務を効率的に進めることができると述べられています。

Text AI要約の元文章

ブロガーズ・コラム

「朝イチ定例」で「今日やらないこと」を決めよう

【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回ははせおやさいさんが考える「朝イチ定例会議の活用方法」についてです。

定例会議をしよう

定例会議をなくせ」 で「会議のやり方を見ればチームのレベルがわかる」と指摘されていましたが、「会議」という時間にかかる見えないコストは膨大です。
2014年8月19日定例会議をなくせ

会議を設定する際にはそこに集まる人的コストを算出し、そのコストを支払ってまで話し合うことかどうか、を常に意識する必要がありますが、一方で顔を合わせる機会が減ると「聞いてみようと思っていたささいなこと」がコミュニケーションから落ちてしまいがち。

致命的に影響があるわけではないけれど、「こういうことできたりしないかな?」「あれってどういう狙いなの?」のような小さいけれど共有して/されておくことで後々の業務にじわじわ響いてくるような細かい情報というのは、意外と多かったりしませんか。

話が少し逸れますが、いわゆる「喫煙所コミュニティ」のようなものって、こういう「小さいけれど重要な情報」が細かに交換できる場として機能するケースもあり、タバコを吸わないわたしは喫煙者がうらやましいなと思うことがあります。

では「定期的に顔を合わせて状況の共有をしましょう」ということで、いつもどおりの定例会議を執り行えばよいのかというと、それもまたNOなわけで、個人的におすすめしたい定例会議のスタイルを今回ご紹介してみたいと思います。

「朝」「立ったまま」「5分だけ」がコツ

以前、かかわっていた中規模プロジェクトではメンバーの数が多く、エンジニア、ディレクター、セールスと役割もバラバラだったため、時間を取ることが難しくなってしまったため、「定例会議はなくそう!ぜんぶオンラインでやろう!」という試みをしたことがありました。

確かに事前に作ってきた資料を持ち寄って、そこに書いてある数字――売り上げ進捗であったり、開発進捗であったり――を読み上げるだけの会議は不要だったのですが、顔を合わせなくなってしまうことで、今度は「今、誰が、どんなことをやっていて、どんな状態なのか」が見えにくくなり、全員がそれなりのタスクを抱えているため、メンバーそれぞれが遠慮して「なんとなくほかの人に話しかけにくい」状態に陥ってしまったのです。

そこで緊急対処として実施したのが、「朝イチ定例」でした。

朝、始業時間になったら全員が規定の場所に集まり(会議室などは取らず、「Aさんの席のあたり」というレベル)輪を作るように立った状態で、「昨日までで終わったこと」「今日やるつもりのこと」「みんなの前で共有しておきたいこと」の3つを全員が言う、というスタイル。資料もなし。フリーハンドでこの3つだけをパッと言って問題なければすぐ解散し、業務に入ります。

このスタイルのメリットは、全員の「今、自分は何をしているのか」が明確になり、それを周囲にも同時に共有できることでした。また、マネジメント側としては毎朝同じ時間にメンバーの顔と声に接するので、「今日はちょっと元気がないな」「このところ疲れてるな」というのが察知しやすくなるメリットもありました。

もちろん特例はあって、前日にトラブル対応などで深夜残業をした人などに参加を強要したりはせず、いっしょに担当しているメンバーが代わりに発表するようにしていました。このルールも、同じ業務を担当しているメンバー同士で「あの人は今これをやってる」が把握できるようになるという、思わぬ副産物を産んでくれました。

やることよりやらないことを決めよう

この経験をもとにおすすめしたいのは、「定例会議とは、過去を共有して終わるのではなく、過去を元に、これからを話し合う場所である」と意識してほしいということ。

仕事をしていく上で常に状況は変わりますし、メンバーそれぞれが不確定要素を抱えています。その不確定要素同士がぶつかってハプニングが起きたとしても、すぐに微調整できるように目を配る、その情報収集をするのが会議の目的です。

さらにマネジメントレイヤーとしては各メンバーが業務の優先度を誤って設定してしまったときに、早めにフォローすることも重要で、朝イチ定例で「今日これをやろうと思っている」が共有されていれば、違和感を覚えたときに「それってなんで今やるんだっけ?」とすぐ確認することができます。

何より一番大切なのは、「あれもやれ、これもやれ」ではなく、「これだけは今日絶対にやり終える」ことは何かを適正に割り振ってあげること。もし「これだけは」までに絞れていないなら、そのタイミングですぐに優先度の振り分け直しをしてあげることです。

真面目なメンバーほど業務を抱えて、全部を同時に進めようとしてしまいがちですが、上司が「それは今やらなくていい」とジャッジすることで手を離せることも多いように感じます。

最後にもう1度まとめると、「朝イチ定例会議」のポイントとしては、

・過去の共有ではなく、過去をもとにこれからを話し合う場にすることを意識する
・「今日、自分が何をやるべきか」を各自が明確に見えている状態にし、共有する
・メンバーが設定している優先度にズレを感じたらすぐに状況の確認をする

の3点。これをやるだけでも「毎日ちゃんと前進している」手応えが感じられ、モチベーションの維持にもつながるのではないかと思います。

「今日やらないこと」を決めるため、朝イチ定例会議、ぜひ試してみてもらいたいと思います。

はせおやさいさんよりインターネットの備忘録」というブログを書いています。ブロガーズ・コラムでは、仕事を通じて他人とかかわることの楽しさ、おもしろさ、難しさみたいなことを書いていきたいと思います。今のところ唯一の女性なので、そのへんの視点も盛り込めるといいかなと思ってます。

イラスト:マツナガエイコ

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執筆

ライター

はせ おやさい

会社員兼ブロガー。はてな(id:hase0831)を中心に活動。仕事はWeb業界のベンチャーをうろうろしています。

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撮影・イラスト

イラストレーター

松永 映子

イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。

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