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リーダーはメンバーに助けてもらうのが仕事

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 会社員やビジネスパーソン
  • リーダーシップに関心のある人
  • チームワークについて学びたい人
  • 自身のリーダーシップに不安を感じている人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事は、リーダーシップについての考察を通じて、多くの人がリーダーになることに対して抱く不安や、そこに潜む誤解について述べています。特に、日本の企業文化では、個人の適性や意向に関わらずリーダーに指名されることがあることを指摘しています。カリスマ的なリーダー像を求めず、自分にできる形でリーダーシップを発揮する方法として、他のメンバーに助けを求めることの重要性を強調しています。リーダーはチームのトップであるが、単に能力の高い人が担うわけではなく、必要な場面でメンバーに頼り、協力を得ることができるかどうかが大切であるとしています。

また、ビジョンを示すことがリーダーにとって必須であり、メンバーとの協力体制を築くためには、そのビジョンを丁寧に説明し、共感を得ることが重要であると強調しています。リーダーは一人で全てを解決するのではなく、チームの力を引き出す役割を担っているという視点が新しいリーダー像の提示として示されています。日野瑛太郎氏は、この視点を通じて、誰もがリーダーになる可能性があることを認識し、それにどう向き合うべきかを考える機会を提供しています。

Text AI要約の元文章

ブロガーズ・コラム

リーダーはメンバーに助けてもらうのが仕事

【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回は、日野瑛太郎さんによる「理想のリーダー像」について。

突然ですが、あなたは自分がリーダーに向いていると思いますか?

ここで自信を持って「自分はリーダーに向いている」と答えられる人は、実はあまりいないのではないでしょうか。世の中には率先して自分からリーダーになりたいと手を上げる人もいますが、そういう人は決して多数派ではありません。多くの人は「できればリーダーになんてなりたくない」「頼りがいのある優秀なリーダーの下でストレスなく働きたい」と考えているのではないでしょうか。

問題は、このように「自分はリーダーになりたくない」と思っていたとしても、「自分がリーダーにならざるをえない」というシチュエーションが多々存在することです。特に日本の会社の場合、ある程度プレイヤーとしての経験が蓄積されてくると、本人の適性や意向は考慮されずに、そのまま何らかの形でリーダーにされてしまう場合が少なくありません。

プレイヤーとして優秀な人をそのままリーダーとしても優秀な人だと推定してしまう考え方には問題があると思うのですが、現実にそのようなことが少なくない以上、どんな人でも「リーダーになってしまったらどうするか」については考えておいたほうがよさそうです。

そこで今日は、「意図せずリーダーになってしまった時には、どのような姿勢で望めばよいか」について考えてみたいと思います。

誰もがスティーブ・ジョブズになれるわけではない

リーダーと聞くと、スティーブ・ジョブズのような「偉大なカリスマ的リーダー」を真っ先に思い浮かべる人がいるかもしれません。創造的かつ魅力的なビジョンを呈示し、圧倒的な求心力でメンバーの心をとらえ、パワフルにミッションを遂行する――これはたしかにリーダーシップの1つの完成形だとは思うのですが、誰もが真似できるようなものではありません。僕も含めて、生まれ変わりでもしない限りどう頑張っても彼らのようにはなれっこない、と感じてしまう人だって当然いるはずです。

思うに、彼らのような「偉大なカリスマ的リーダー」だけが、リーダーの正しいあり方だというわけではないはずです。むしろ、世の中に大量に存在するであろうリーダーの中では、彼らのようなリーダーは少数派なのではないでしょうか。

先頭に立ってぐいぐいメンバーを引っ張って行くというのも1つのリーダーのあり方ですが、そういうリーダー以外にも優れたリーダーはいるはずです。「偉大なカリスマ的リーダー」に自分がなれないからといって絶望する必要はありません。

リーダーだって誰かの助けを借りてもいい

突然リーダーを任されて「自分にリーダーは務まらない」と困ってしまう人は、「リーダーはものすごく能力が高い人でなければ務まらない」と思い込んでいることが多いようです。リーダー=チームのトップ=チームで一番できる人、と単純に考えてしまうと、このような間違った考えに帰着してしまいます。

現実には、リーダーが「ものすごく能力が高い人」であるとは限りません。リーダーがチームの代表者であることは確かですが、それは能力の序列によって決まったわけではありません。あくまでリーダーは「役割」でしかないのです。当然、リーダーにもできないことはあります。

そういう時は、誰かの助けを借りればよいのです。むしろ、他人の助けを借りることこそが、リーダーの仕事だと言ってもいいかもしれません。他人の助けを借りることで問題が解決できたのであれば、その人は立派にリーダーの仕事を果たしています。助けを借りずに問題を1人で抱え込むのは、リーダーが一番やってはいけないことです。

プレイヤーとして能力が高い人ほど、「他人の助けを借りる」という発想ができずに、リーダーとして失敗していることが多いように思います。チームで成果を出すことは、個人で成果を出すこととは違います。1人ではできないことを成し遂げたいから、チームで仕事をしているということを忘れてはいけません。メンバーがリーダーを頼るのと同じぐらい、リーダーもメンバーを頼ってよいのです。

助けてもらうためにビジョンを示す

もっとも、ただ単に「助けてください」「教えてください」とメンバーに働きかけるだけでは、リーダーの仕事としては微妙です。ここで大事なのは、助けを借りるためにしっかりとビジョンを示すことです。

以前、「民主的なチーム」が崩壊した話という記事を書いた時にも定義しましたが、ここでいうビジョンとはチームの未来におけるあるべき姿、理想状態のイメージのことです。「わたしはこのような理想状態をイメージしています。それを実現するために力を貸してください」という形でチームのメンバーに働きかけることこそが、リーダーに求められる「助けの求め方」です。

カリスマ的リーダーのように示したビジョンで「メンバーを惹きつける」レベルまではいかなくても、ビジョンを丹念に説明して納得してもらったうえで「メンバーから助けてもらう」ことは比較的ハードルが低いと言えます。「自分はぐいぐい人を引っ張っていくタイプではない。リーダーには向いていない」という人でも、このような「周囲に助けてもらいながら目的を達成するリーダー」なら目指すことができるのではないでしょうか。

ビジョンなくしてリーダーなし

ただし、ビジョンが貧弱すぎたり、あるいはビジョンがまったくない状態では「助けてもらう」ことすらできません。そういう意味で、ビジョンはいかなる場合でもリーダーが持っていなければならない不可欠な要素です。

リーダーとして行き詰まってしまった時には、ビジョンに立ち返って考えてみるとよいでしょう。すべてはここから始まり、ここに帰ってきます。

日野瑛太郎さんより
普段は「脱社畜ブログ」というブログで、日本人の働き方の記事を書いています。このブロガーズ・コラムでは、チームワークという観点から働き方について新たな視点を提供できればと思っています。

イラスト:マツナガエイコ

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執筆

ライター

日野 瑛太郎

ブロガー/「脱社畜ブログ」管理人。著書に『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)などがある

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撮影・イラスト

イラストレーター

松永 映子

イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。

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