サイボウズ株式会社

編集長交代のお知らせ

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 企業のメディア運営に関心のある人
  • オウンドメディアを活用したいと考える企業関係者
  • サイボウズの活動に興味のある読者
  • メディア業界の人々
  • 編集やメディア戦略に携わるクリエイター
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読むことで、サイボウズ式という企業メディアの編集長交代に関する背景と、新たな編集長が掲げる意気込みやチャレンジ姿勢についての詳細を知ることができる。初代編集長の大槻から2代目の藤村へのバトンタッチは、新しい企業メディアの方向性を探る上での一つの節目である。これまでの運営を振り返り、サイボウズ式が成し遂げてきた成果や、その過程での試行錯誤が明らかにされている。特に注目は、情報発信のスタンスを自社の都合よりも読者の興味に重点を置く方向に転換したことが大きく、これがメディアの成長に寄与している点だ。

また、オウンドメディアの枠を超え、外部との連携やより広範なメディアとしての影響力を高めていくことを目指す姿勢が示されている。この背景には、メディア運営の変遷や失敗から学んだ柔軟なアプローチと、情熱を持って試行錯誤を重ねることの必要性が強調されている。メディアコンテンツが意外なところで反響を呼ぶ例や、内部のクリエイティブな意見を尊重することで生まれた成功も描かれ、企業メディアが持つ可能性とその運営戦略の一端を理解することができる。編集部内の雰囲気や企画の立て方、アイデアの扱い方についても、ユニークな運営スタイルが紹介されている。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

編集長交代のお知らせ

サイボウズ式 初代編集長の大槻(左)と2代目編集長 藤村(右)。眼鏡の色は茶色にクリーム色

2015年の幕開けとともに行われたのが、サイボウズ式の編集長交代だ。初代編集長を務めた大槻が卒業し、2代目を藤村が引き継ぐ。「新編集長として大きくぶちあげてくれるんでしょ?」という大槻の無茶ぶりを受け流さず、最大限のパフォーマンスを発揮するのが年始の最大級の仕事である。ノープランで対談を持ちかけてみたところ……。

燃え尽きた私は、もうお役御免だ

初代編集長を卒業されるんですね。率直な心境は?

やりきったな、と。もう疲れました……。

何言っているんですか(笑)

マジメに話すと……。今年はサイボウズ式やベストチーム・オブ・ザ・イヤーに加えて、ワークスタイルテーマでのさまざまな取り組みを予定しています。公開したムービー「大丈夫」「パパにしかできないこと」は反響も大きく、ここに注力したいのと、新オフィスへの移転など全社的な取り組みも増えてきます。だから私は全体統括に専念しようかと。

ふむふむ。

そこで、サイボウズ式は開設以来一緒にがんばってくれた藤村さんに託して、引っ張っていって欲しいと思っています。

なるほどです。

「編集長やってね」と言われた時はどう思った?

半分はうれしくてやってみたいと、もう半分は「ちょまっ、ちょ待てよ」と。

まだ早いとw

無茶ぶり来たー、と。でもやりがいありますよ。サイボウズ式は企業メディアとして伸びていく可能性にあふれていますからね。

藤村さんのキャラが立ってくるといいよねー。リクエストとしては眼鏡の色を変えてみてください。

迷ったらやる、つまり攻めまくる

改めて、新編集長としての意気込みは?

自分たちの影響範囲を超えて多くの人とコミュニケーションができる企業メディアに、もっと大きく育てていきたいですね。それこそ5年、10年と運営していきたいですね。

長く、というところですね。

後はもっと攻めていきたいですね。

編集長が代わっても関係なく、どんどんと新しいことに挑戦してほしい。2015年は「迷ったらやる」のスタンスで。

出た! そのチャレンジの集合体がいまのサイボウズ式ですからね。

もう迷って、もがいて、もがき苦しんで、やっと今の感じになりましたからね(笑)

後はオウンドメディアというくくりで語られてきたんですけど、その枠を越えていきたいなと。

「企業が運営するオウンドメディア」から脱皮すると。予告ホームラン出たね。

一緒にやってくれる外部の人、いろんな企業やメディアとも連携して、より影響力のあるメディアになっていければ、というのが思いですね。

やっぱり眼鏡の色を変えるべきじゃないですかね。

「正直、こんなに大きなメディアになるとは思っていなかった」

対談しているようでいい写真を撮ることに夢中。しかし私(藤村)は眼鏡の色を変えなければならないのだろうか……。

ここからは、ちょっとサイボウズ式の歴史を振り返ってみようと思います。興味がある方に読んでいただけるとうれしいです。「サイボウズが自社メディアを始める理由」から始まり、2年半以上が経ちましたね。

2012年5月14日サイボウズが自社メディアを始める理由

想像以上の成果ですね。正直なところ、こんなにメディアが大きくなるとは思わなかった。2008年に企業ブログにチャレンジして断念し、そのリベンジとなるのがサイボウズ式。ソーシャルメディアを通じて広がりが作れるかなと思いつつも、3年後にはどうなるか? という不安もあったり。

今年の5月でまる3年の運営ですね。あっという間です。最初の記事が多くの人に読まれて「これは行けるかも」という雰囲気がありつつ、最初の1年は体制作りに苦労しました……。

僕はいいだしっぺだからもちろんやるんだけど、ほかの編集部員は「これで成果がでるのか?」と思っていたかも。「この仕事でキャリアは作れるのか?」といった迷いもあり……。

そこであーみんですよね。大爆発大ヒット。彼女がいたからこそサイボウズ式の今がある。

イノベーションは辺境から生まれるというか、あーみんみたいな個性を社内が認めていたからこそというか。最初はやってほしいことをあーみんに伝えていたんですけど、「わたしはこれがおもしろいと思う、やらせてほしい」と意見を出してくれて。じゃあやってみて、となって出した記事が大ヒット。

大変申し訳ございませんでした。うれしさで涙目ですね。記事を出してみるまで、本当の反響は誰にも分からない。これがメディアですよね。

時間を掛ければ結果が出るわけでもないのが、難しいところですね。気合を入れて作った企画が意外と伝わらなかったり、逆に15分くらいでサクッと書いた記事が読まれたり。

そういう意味でも、眼鏡の色を変えてみてはどうだろう。

自社メディアを超えて外に出ること

サイボウズ式はチームワークというテーマはぶらさないようにしていました。あとはメディアでありたいということも大事にしていました。僕達が言いたいことを言うのではなく、読み手が面白いと感じることを考えようと。

情報発信をしていると、どうしても自分たちの伝えたいこと発信で考えてしまいますよね。

これまでの企業の情報発信は、私達が伝えたいことを言うのが一般的でした。そのマインドでメディアを運営すると、自分たちにとって都合の良い情報やキラキラした言葉を発したくなる。その発想から抜け出すのが大変でした。

こういうスタンスでメディアを運営してきて、思った以上に反響がありました。

記事ごとに読む人が違うのが大きな気付き。青野さんビフォーアフターの記事はアパレル関係の人に読んでもらえたり、メディア運営のプロの方に「サイボウズ式は良い」と言ってもらったり。こちらとしては意外で「え、そうなの?」みたいな。

BLOGOSさんやハフィントン・ポストさんから「転載してもいいですよ」と言っていただけて。このおかげでコンテンツが広がっていった。

外と組むことは大事だよね。企業のメディアは単にブログとして記事を充実させるだけでなく、メディアとしてのスタンスを出すことが大事かな、と。オウンドメディアの素養が磨いていくことで、自社以外のメディアでも、サイボウズという企業のあり方をコンテンツとして展開できる。

企業でオウンドメディアをやりますというと、自社のブログプラットフォームを拡充することだけにこだわってしまいますよね。

どうしても「社内で記事を書こう、自分たちのメディアだけで展開しよう」と考えたくなる。最初はそれでも良いですが、メディアとして運営していくには社内以外の力も必要ですね。あと眼鏡も。

自分たちがおもしろいと思わなければ徹底的にやらない


自分で撮影する時だけ姿勢がいい人(左)。今の眼鏡のクリーム色も結構お気に入りなんですけど、次はブルーカラーにしようかしら

開設当初、こういうメディアを作りたいという方向性はあったんですか?

取材もさせていただきましたが、「ほぼ日刊イトイ新聞」のスタンスが素敵だと思っていました。企業としてのPRではなく、このようなスタンスを崩さなければ、インターネット上で評価いただけるメディアになれるんだなと。

スタンスとは「自分たちがおもしろいと思うことをやり続ける」こと?

僕が感じたのはそうですね。ほぼ日のみなさまに聞くと「誰からも面白いと思っていただくこと」など、いろいろお話いただくと思いますが。

メディアって、好きなことをやらないと続かないと思います。義務でメディアを作っても、絶対に面白くはならない。

サイボウズ式の編集会議なんか「おもしろいかそうでないか」を判断する最たるものだね。みんな思いついたアイデアを社内のグループウェアにだーっと書き込んでおいて、会議で振り返る。普通の会議では出てきたアイデアを検討して、タスクに分解して、誰かに割り振って、みたいにやるんですけど、まったくそんなことをしない。面白いと思えば自然とアイデアが企画になるし、やりたい人が形にする。だれも反応しなかったら「はい、次ー」って流されちゃう(笑)

誰の興味にも引っかからないアイデアは容赦なく流します(笑)。やっぱり編集部の誰かがまずは面白い、と思えないと絶対面白くならないので。そういえば、最初から言っていますよね。「私が知りたい」と思った対象を取材するって。

確かに。これは多分ほぼ日の何かからヒントを得て書いているね。

記事だけじゃないですもんね。物販もするし、商品開発の途中もそのまま共有するし、読者とのあらゆる接点があって、その集合体がメディアなんですよね。サイボウズ式もそんな感じで、新しいメディアの形を追求していきたいですね。これからも宜しくお願いします。

眼鏡もね。


変更履歴:初代編集長の要望により、眼鏡の言及を増やしました。(2015/01/13 17:50)

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