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障子の効能──コデラ総研 家庭部(33)

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 日本の伝統的な家屋に興味がある人
  • 障子の効果や使用法に興味がある家庭の主婦や主夫
  • ペットを飼っている家庭で障子に関する問題を抱えている人
  • DIYに興味がある人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読むことで、日本の家屋で使われている障子の効果や実用面についての知識を得ることができる。障子は採光や断熱、通気性、吸水性に優れた素材である和紙を使っているため、厚手のカーテンを超える断熱効果があるとのことで、特に冬の寒さ対策にもなる。また、障子が室内のホコリやニコチンを吸着する効果も持っているとされる。障子を破れにくくする工夫として、プラスチックの障子紙やアイロンで貼り付けるタイプの障子紙が紹介されており、これらはペットのいる家庭やDIYが好きな人にとって有用な情報である。さらに、障子を定期的に貼り替えることでその性能を維持できるという見解が示されている。加工方法や取り扱いの難しさも紹介されており、障子の設置や維持管理についての実用的な情報が得られる。

Text AI要約の元文章

tech

障子の効能──コデラ総研 家庭部(33)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第33回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「障子の効能」。

文:小寺 信良
写真:風穴 江(「tech@サイボウズ式」編集部)

筆者宅は3LDKの借家だが、そのうち2部屋が和室だ。小さな四つ角に建っているため、南西向きの和室が一番日当たりがいい。角に面した2辺が障子張りの窓なので、トータルでの障子の面積は結構な広さである。

日中はほぼずっと日が差し込むのだが、直射日光が当たると中のものが日焼けするため、ほとんど障子は閉めっぱなしである。だが和紙は明るく光が拡散するので、閉めていても部屋はかなり明るい。

障子にとっては日当たりが良すぎるのもまた考え物で、夏場は糊がパリパリに乾いてしまい、障子紙が剥がれてくる。従って、年に1回はどこかの障子を貼り替える羽目になる。そんなわけで、我が家では結構な種類の障子紙を試してきた。ここではその成果をお話ししたいと思う。

ネコがいると障子の桟を使って上に上ろうとするので、障子が破れたりする。ちょこっと破れるたびにいちいち塞いだり貼り替えたりするのも面倒なので、一時期プラスチックの障子紙を貼っていたことがある。これは障子紙の背面や両面にプラスチックのフィルムを貼り付けることで、破れにくくしたものだ。ネコを飼うお宅に人気があるという。

これはただの紙の障子と違い、伸縮性はまったくない。従って、多少たるみがあっても霧吹きをかければピンとするみたいなテクニックがまったく使えない。また桟に貼り付けるのも糊ではなく、細い両面テープを使用する。まず桟に両面テープを貼り、その上に障子紙を載せていくので、最初に水平垂直をきちんと合わせて貼り始めないと、斜めになって隙間が空いてしまったりする。貼り直しがきかないので、割と難しい部類に入るだろう。

結果的にはネコが飛び込んでも破れないぐらい丈夫なのでその点は良かったのだが、夏の強い日差しで両面テープの糊がダメになり、上の方から剥がれてきてしまった。紙自体に重さが結構あるので、剥がれるときは自重でベロッと一気に剥がれ落っこちてくる。そうなると、もうちょこっとした手当でどうにかなるものでもなく、いったん全部剥がして両面テープの貼り直しである。それほど日当たりがない部屋ならもっと長持ちするのだろうが、うちの環境にはあまり向いていなかった。

ただネコ的には、これは破れないと学習する効果はあったようで、あまり障子にイタズラはしなくなったのは幸いであった。

手間いらずのアイロンタイプ

しばらくは糊で貼るタイプの普通の紙のものを使っていたのだが、先日久しぶりに違う方式のヤツを試してみようと思い、アイロンで貼り付けるタイプを買ってみた。片面が全部糊が付いており、紙を当てて桟の部分にアイロンがけするだけで、簡単に接着できる。特にコードレスアイロンがあれば、手が届かない奥の方は反対側に回って自由に作業できるというメリットもある。

障子の中心から端へ向けて、シワやたるみを伸ばしながら桟に沿ってアイロンがけするイメージである。従って仕上がりもいい。さらにはプラスチックの障子紙とは違って紙には違いないので、霧吹きをかけてピンと張るというテクニックも使える。ただ一部の紙はこの霧吹き技が使えないものもあるようなので、その辺は購入時にチェックしていただきたい。

夏場の日差しで一部剥がれるところも出てきたが、その部分だけもう一度アイロンをかけるとまたすぐにくっつく。貼り替えるときは、またアイロンを当てながら剥がすだけなので、水も使わず、さらに乾燥するまで待つ必要もないので、その点でも楽な障子紙である。

今和室があるお宅がどれぐらいあるのか分からないが、日本の家屋に障子が長い間定着している理由は、和紙が採光と断熱、さらには通気性、吸水性といった条件を満たした素材だからである。一節によれば、障子の断熱効果は厚手のカーテンを超えるという。

実際にうちでは換気する際に、ガラス窓を開けて障子だけにするのだが、暖気が逃げずゆっくりと換気できるので重宝している。また室内中のホコリやニコチンなども吸収する効果があるとも言われており、通気性や吸着性を確保するためには、年1回の貼り替えが推奨されている。

さすがに毎年全部貼り替える家庭は少ないだろうが、いっぺんにやらず、傷んだところから順次貼り替えていけば、結果的に2~3年で貼り替えられることになる。障子はあとから簡単に付けられるようなものでもないので、ないところにはないわけだが、最近になって和室の良さを見直しているところである。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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