桐谷 ヨウ
ブロガー、週末コラムニスト。主なコンテンツは恋愛関係、人間関係全般です。親指シフトユーザー。
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この記事を読むと、キーボードショートカットの活用が仕事の効率化に大変有効であることを理解できます。特に、一連の作業が単純化されることで余計な時間を取られずに、実際に考えるべきこと、つまり創造的な仕事や計画のための時間を確保できる点を強調しています。ショートカットスキルは慣れによって習得できるものであり、一度覚えてしまえば長期的には作業の簡略化につながります。ただし、この記事では、ショートカットを覚えることが効率化に直結するとは限らないとも伝えています。ショートカットの習熟が重要ではなく、効率化によって生産的でない作業時間を削減し、思考の時間を増やすことで、より高いパフォーマンスを発揮する方法を探ることが大切であるとしています。また、ショートカットを利用することで肩の負担も減り、身体的にも健康に良い環境を作れるということも知ることができます。
ブロガーズ・コラム
【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズ外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回はファーレンハイトさんが考える「キーボード・ショートカットの活用から考える仕事に対する考え方」についてです。
会議に出た際に「あ、この人きっと要領悪いな」と思う瞬間がある。
資料を映すためにパソコンをプロジェクターに接続し、パワーポイントを全画面表示にするために右下にカーソルを当てて、クリックする瞬間だ。「F5を押せよ!」と思う。(環境がWindows、アプリケーションにOfficeを使用しているケース)
会社員ならご存知かと思うが、キーボード・ショートカットという機能がある。機能に対して割り当てられた複数のキーを操作することで、任意の操作を可能にするものだ。有名どころでいえば、Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Vで貼付け、みたいなね。
これくらいメジャーなものだとさすがに使っている人も多いけれど、ちょっと難しいものになると途端に使わなくなる人が多い。たとえばアプリケーション切り替えに使用するAlt+tab(めっちゃメジャーだと思うけれど)を使うのではなく、マウスを使ってアプリをぽちっとしていたり。
おそらくソフトウェア開発をしているような技術職の方々は、このあたりにマジヤバのスキルを持っていると思うのだけど、一般的な事務職の面々(特にIT系じゃない業界・業種)はあまり使っていないケースが多い。かくいう俺自身も複雑なショートカット(3つ使うような)は熟知していなくて、自分がPowerPoint、Excel、Wordで頻繁に使うものだけを把握しているにすぎない。
今日は"まったく・ほぼショートカットを使っていない人"をターゲットにこれを書いているわけだけど、俺が個人的に思うのは「多くの人は"マウス病"にかかっているなぁ」ということ。GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)は本当に素晴らしくて、というか俺はDOS時代のパソコンは知らないのですが、それでもマウスだけを使って作業をするのは非効率的だ。
キーボードから目も手も離して、マウスをつかんで、カーソル合わせて、カチッ。で、またキーボードに手を戻す。文字に起こしてみるといかに非効率的な作業をしているかが分かります。これがなくなるだけで時間が短縮される上に、肩も凝らない。けっこうマウスは肩こり・腕のしびれの原因ですからね。
俺が新人時代に受けた洗礼なのですが、先輩が作業をしているのを横で見せてもらっていたんですね。そしたらその人がマウスを全然使わないの。キーボードをちゃっちゃかやってるだけで、サクサクと資料ができていく。<圧倒的なスピードの違い>を目の当たりにした。
「できるから良いじゃん」ではなく、「より効率的にできる」ということを目の前で見せてもらったんです。頭をガツンと殴られた気分でした。いわゆるコンサル部隊の人と仕事をしたときもそのあたりの効率を重要視していたのが記憶に残っています。
で、使っていない人は単純に「慣れ」の問題なんですよね。1)グラフィカルでない動き方と頭のなかが一致しにくい、2)ショートカットを覚えるのが面倒。これだけだと思う。
マウスと比較して、自分の操作とパソコンの動作がひも付きにくいのは事実なんだけど、「視覚」に頼らずに、"自分の出した命令にパソコンが従っている"と意識すると、少しとっつきやすくなる。ガシガシにコマンドを打つわけじゃないので、しばらく「とりあえず試してみる」だけで自分になじんでくるものだと思います。
そしてショートカットは自分なりに法則を作っていくことです。たとえば俺はCtrlをファイル系の操作、Altをアプリ系の操作みたいなイメージでつかんでいます。「Ctrl+F4はファイルを閉じる」「Alt+F4はアプリごと閉じる」「Ctrl+tabはアプリ内でファイルを切り替え」「Alt+tabはアプリの切り替え」という風に。「+tや+nは新規を開く系」みたいに。
だいたいは頭文字になっている(a=all, s=save/sendみたいに)ので簡単なものはすぐ覚えられると思いますよ。本当に「使ってみる気があるか?」だけだと思います。Excelのシート切り替えとかすげー便利よ。
個人的には右クリックした際に出てくるメニュー・アプリケーションメニューをクリックした際に出てくる「カッコ内のアルファベット」は覚える必要もなく、マウスでクリックする必要もないショートカットの便利さを体感するのにうってつけなので、お試しにすごく良いなぁと思う。
さて、話をまとめにかかりますが、俺はキーボード・ショートカットを使えること自体が仕事のできる人とは決して思っていない。世の中にはショートカット・オタクのような人はざらにいて、そこまで習熟する必要もないと思う。
ただ、仕事を<頭を使って考える>と<作業>という要素に切り分けたとき、なるべく作業(特に単純作業)の時間は減らしたほうがいい。そして、考える時間を多く取る時間配分にした方が良い。そういった意味で、生産的でない時間を極力減らす一助という側面として、ショートカットのようなスキルは意味があるんじゃないんでしょうか。
仕事のできる人は、作業時間を多く取ることで「仕事をした気分になる」こととは無縁な存在のように俺は感じます。
また、別の側面として「いったんできてしまえば後ですごく楽になるのは分かっているが、覚えるのが面倒/やるのが面倒」ということに対して非効率的なことを繰り返す人は多い。たとえば二時間かかってExcelのマクロを組んだとしても、数ヶ月に渡って使い続ける集計の手間を削減できるのであれば、それは価値のある投資でしょう。このあたりはコンサル部隊のお兄ちゃん、お姉ちゃんに教わった仕事のスタンスだったりしました。
ひとえに仕事は「自分が高いパフォーマンスを出せる場で戦う」ことが大事であるのと同時に、「いまだスキルは伴っていないのだけど、やっていくなかで自分の未知のスキルを高めていく」ことが有能な人になっていく秘訣なんだと思う。
イラスト:マツナガエイコ
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イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。
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