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家電の機能をフルに使ってピークシフト──コデラ総研 家庭部(43)

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 家庭内で電力消費を管理したい人
  • 環境問題に関心がある人
  • 節約を考えている家庭経済者
  • 技術製品に興味のある方
  • 電力ピークシフトに取り組みたい人
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を通じて得られる知識は、家庭内での電力消費を効果的に管理し、省エネを図るための方法です。著者は自身の経験をもとに、エアコンやテレビなどの家電製品を新しいものに買い換えることで、電力消費を大幅に削減することができたと述べています。特にエアコンのクリーニングや消費電力の少ない製品への更新が推奨されます。

さらに、電気料金を削減するために、夏季の電力需要の高い時間帯を避け、電力消費を夜間にシフトするピークシフトプランの紹介があります。このプランは昼間の電力料金を高くし、夜間の料金を低く設定することで、生活スタイルに合わせて電力使用を調整できるものです。実際に、このプランを試行する際には、家庭内の家電の使用を時間帯に合わせてスケジュールすることが効果的であることが示されています。洗濯機や食洗機、ホームベーカリーなどにタイマー機能を活用し、夜間に稼働させることでピークシフトが実現可能となります。

また、近隣の住環境に応じた配慮も不可欠であり、生活様式にマッチした方法でピークシフトを実践することが推奨されています。この知識は家庭の電気料金削減と環境への負荷低減に直結し、生活のクオリティを維持しながら環境にやさしいライフスタイルを実現する手段を提供します。

Text AI要約の元文章

tech

家電の機能をフルに使ってピークシフト──コデラ総研 家庭部(43)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第43回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「家電の機能をフルに使ってピークシフト」。

文・写真:小寺 信良

今年もまたエアコンの季節がやってきた。もうすでに稼働させているご家庭もあるかと思うが、エアコンのクリーニングはお済みだろうか。フィルターを掃除機で吸うだけで効率が上がるので、やらない手はない。また最近のエアコンは、普及モデルでも自動掃除機能がついているものが増えた。10年前の機種を、まだ冷えるからと使っているのであれば、省エネの面から考えても買い換えを検討すべきだろう。

うちは僕が家で仕事をする関係もあって、従来からかなり電力消費の多い家庭だった。以前は50A契約でもたまにブレーカーが落ちることもあるぐらいだったが、ここ最近は電力消費がグッと減っている。そこで思い切って契約を見直し、40Aにした。今のところブレーカーが落ちる気配はない。

これは家電製品の買い換えによって、消費電力が下がったことが大きい。昼間でもつけっぱなしのことが多い仕事部屋の照明は、LEDタイプのシーリングライトに変えた。バリアブルで必要な明るさにできるため、昼間でも煌々と明かりが点いているという感じでもなくなった。

特に減少幅が大きかったのが、テレビだ。5年前のHDテレビからワンサイズアップの4Kテレビに買い換えたにもかかわらず、消費電力は250Wから133Wと半分近くになった。前のテレビは子供部屋へ移動したが、アンテナ線を繋いでおらず、ゲームで遊ぶときにしか電源を入れないので、ほとんど稼働していない。

2011年の原発事故以来、日本中の原発が軒並み停止している。夏の電力需要に対して電力がひっ迫するようになったのはご存じの通りだ。そうは言っても、温めるのと違って冷やすのは、エアコン以外にあまり手段がないため、どうしても使わざるをえない。我慢して健康を損なうようであれば、本末転倒だ。

電力のひっ迫に対応するには、ただひたすら我慢するより、電力需要が高まる時間帯のピークをずらすことが求められる。具体的には、午後1時~午後4時ぐらいまでの間、いかに電力を使わないかがポイントとなる。使うのを我慢するのではなく、別の時間帯に電気を使うよう、ずらすことを考えるわけだ。

ピークシフト生活へ

東京電力には、「でんき家計簿」というサイトがあるのをご存じだろうか(編集注:「でんき家計簿」は2021年1月31日で終了しました。後継サービスとして「くらしTEPCO web」が提供されています)。これは自宅の電力消費を年間でグラフ化してくれるサイトで、似たような家庭の平均と比較したり、もっとお得な料金プランへの変更をアシストしてくれる。

でんき家計簿

このサイトを使っていろいろシミュレーションしてみたところ、どうやらうちには「ピークシフトプラン」というのが向いているらしいということが分かった。これは、夏期の午後1時~午後4時までは電気料金が倍になるが、午後11時~午前7時までは料金が半分になるというプランである。夏期でなければ、単純に夜の間が電気料金が半分になるだけだ。午後1時~午後4時の間に電気を使わず、そのぶん夜中に回せるかが勝負なわけである。

午後1時~午後4時という時間帯は、家で原稿を書いていることもあるが、実は打ち合わせや取材が一番入りやすい時間帯である。出かけていることも多いのだ。もちろん、勤め人と違って100%留守なわけでもないので、夏場は例年より料金が上がるのは覚悟の上だ。だから夏期以外の10月~6月までの間で使用量を下げて、年間での電気料金が安くなれば、損はしない。さらにピークシフトできれば、電力ひっ迫に対して貢献もできる。

東京電力に問い合わせてみたところ、効率が悪いということになればいつでも通常のプランに戻せるということだったので、試しに1年間やってみることにした。

このプランに変更するにあたっては、電力メーターの交換が必要だ。スマートメーターとまでは行かないが、内部にカレンダーと時計が内蔵されたメーターじゃないと検針できないらしい。メーターの交換は無料だった。

実はすでに5月からピークシフトプランをスタートさせているが、5月はまずまずの成績であった(図1)。

図1:5月からピークシフト生活をスタート

6月はエアコンを使わざるをえない日もあったため、通常の家庭並みに戻っている。プラン変更前は例年の使用料も確認できたのだが、どうもプランを変更すると過去データを見ることができなくなってしまった。プラン変更による変化量が確認できないのは、どう考えてもダメだ。これは改善すべき点である。

さてそうは言っても、午後11時~午前7時という時間帯にピークシフトできるようなものがあるのか。家庭内をいろいろ探してみたところ、洗濯機がタイマーで動かせることを発見した。うちは斜めドラムの乾燥機一体型で、干す手間を削減するために毎回乾燥まで行なっているが、タイマーで仕上がり時間を指定できる。

この機能を使って、この6月からは毎晩、夜11時以降に回り出すようセットしている。うちは戸建てなので、夜に洗濯機を回しても誰にも迷惑はかからないが、マンションなどでは難しいところもあるかもしれない。そのあたりはご近所付き合いもあることだろうから、柔軟に考える必要があるだろう。

食洗機にはタイマーはないが、夜11時ぐらいならまだ起きているので、夜のぶんはその頃から使うようにしている。ホームベーカリーなども焼き上がり時間を指定できるので、これも夜中にスタートするようタイマーセットだ。

まだ夜はエアコンを使うほどでもないが、来月になったら子供にもタイマーの使い方を教えて、家族でピークシフトに励みたい。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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