サイボウズ株式会社

海外のメンバーに「自分の言葉で思いを伝えたい」──サイボウズの社長が、英会話に4カ月本気で挑戦してみた

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • ビジネスパーソン
  • 英会話を学びたい社会人
  • グローバルなコミュニケーションに興味がある人
  • 働きながら語学を学びたい人
  • リーダーシップを発揮したい企業のリーダー
Point この記事を読んで得られる知識

この記事を読むことで、45歳のサイボウズ社長である青野慶久さんが、英語の読み書きは得意だったものの、英会話に苦手意識を持っており、海外のスタッフと自分の言葉でコミュニケーションをとるために英会話を本気で学ぶことにした様子が描かれています。青野さんは仕事と育児で非常に多忙な中、オンライン英会話レッスンを4か月間続けることで英会話力を向上させ、最終的にはアメリカのスタッフと現地言語でのコミュニケーションに成功したことが述べられています。また、青野さんが学習時間を捻出するために家族の協力を得つつ、独自の方法で日常的に英語に触れる努力をしたことが具体的に描かれています。この経験を通じて、英語の習得には継続的な努力と工夫が必要であり、目標を達成するには具体的な計画が重要であることが理解できます。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

海外のメンバーに「自分の言葉で思いを伝えたい」──サイボウズの社長が、英会話に4カ月本気で挑戦してみた

サイボウズ社長の青野慶久は、45歳にしてついに本格的な英会話レッスンに挑戦することを決めました。独学でTOEICは800点を越えているとはいえ、「英語の読み書きはできるけれど、会話はムリ……」という日本人に多いパターンに陥っている青野さん。

サイボウズは海外にも拠点を持ち、本気でグローバル化を進めている真っ最中。海外のメンバーに「自分の言葉で思いを伝えたい」と重い腰をあげ、ついに苦手意識を持っていた英会話に取り組む事にしました。

しかし、3人の子どもを持つイクメンであり、東証一部の社長である青野さんは、仕事に育児に超多忙な日々……。果たして英会話をマスターすることができるのでしょうか? 約4カ月間に渡るオンライン英会話「レアジョブ英会話」での英会話学習の様子を追ってみました。

レッスン開始、たどたどしい会話……「英語が出てこない!!」

2016年10月某日、英会話レッスンの初日。


ついにこの日が来てしまった……もう逃げられない。

インタビューさせていただくライターの河野です。いよいよレッスン開始ですね。

青野さん、なんだか表情が暗いですが、大丈夫ですか?

はい。もうやるしかないです。

4カ月でどれほど上達されるのか、期待しています。でも、青野さんはすごくお忙しいのに学習時間をとれるんですか?

うーん、ちょっとスケジュール見てみましょうか。


ぎっしり予定が詰まった青野さんのスケジュール。


うわあ……青野さん、お忙しそうですね。日中は会議や講演会ばっかり……。

夜は家に帰ると子どもがいますからね。子どもの世話をしたり、料理をしたり。家族との時間も大事にしたいので、どこで英会話学習をしようか……時間をつくることが最初の課題ですね。

こんなに忙しいなか、青野さんはどうして英語を学習しようと思ったんですか? そもそも日本の企業の社長にとって、英会話は本当に必要なんでしょうか?

必要だと思います。とくにサイボウズはアメリカをはじめ海外進出していますから、海外のスタッフともコミュニケーションをとらなければいけません。

通訳してくれるスタッフもいますが、会社の代表である社長は、誰よりも自分の言葉で思いを語れることが大事だと思うんです。

たしかに……。では今回のレッスンの目的は、海外のスタッフと話せるようになること、ですか?

そうですね。まずは、“アメリカの現地サイボウズスタッフと英語でディスカッションできるようになる”ことが目標です。

今までは、アメリカとテレビ会議をしていても相手の英語が理解できず、日本人スタッフに通訳してもらっていたんです。僕からは、会議の最後になんとかカタコトの英語で「頑張りましょう」と伝えることが精いっぱい。

でも「社長が自分の言葉で思いを伝えられなくてどうする!?」と、やっと重い腰をあげることにしました。


終業後の会議室で、「やるからには成長しますよ」と意気込みを語る青野さん。


今まで、青野さんは英会話を勉強されたことはあるんですか?

はい、独学や英語塾など、いろんな方法に挑戦してきました。でも、どんな英会話レッスンを受けても喋れるようにならなかった……。

今回もまた「上達するかなあ」という不安はありますが、一対一の対面方式で講師の方とガッツリ英語を話さなければならないレッスン方法なので、期待しています!

私も、どれほど上達されるのか期待しています。今回は1回25分のレッスンを90回ほど受けた時点で、どれくらい喋れるようになったのかを測ることになりますので、頑張ってください!

はい、頑張ります!



第一回 公開レッスン

初回はレベルチェック。自己紹介やQ&Aを通して、現在の英会話レベルを判定。この結果で、これからの学習方法を決めていきます。

さて、本人は「喋れない」と言っていますが、TOEICの点数は800点である青野さん。実力はいかほどでしょう?


基本的な自己紹介は、たどたどしいながらも問題ない様子。


スカイプ越しの先生がときどき「グッジョーブ!」とうまく乗せてくれる。


「あ〜……」と、何度も言葉に詰まる青野さん。


25分のレッスンを終えた頃には、どっと疲れた様子



<初回レッスン動画>



ぜんぜんできなかった~!!

いえ、でも簡単な会話はできていたと思いますよ。カタコトでしたが……。

ですよね(笑)でも、質問されてから答えるまでに詰まってしまいますね。会話というよりは一言返すだけの一問一答になってしまいました。

心なしか、表情も強ばっていたような気がします……(笑)

焦りが顔に出ちゃいました。これじゃあビジネスの場でディスカッションをするのはほど遠いなと、自分でも思います。


反省する青野さんですが、休んでいられません。すぐさま日本人カウンセラーの方と、現状の問題点や細かなゴール設定、今後の課題について整理をはじめました。

カウンセラーの方に、「どうやったら英語を聞きとれるようになるんですか?」と質問する青野さん。


次々と質問をする青野さん。どうやら、かなり悔しいようです。
初回レッスンの振り返りによって、『ヒアリングができない』『動詞がどれかわからない』といった課題があることがわかりました。

通常は、スカイプを通したオンラインでのカウンセリングが可能。


現状の課題をふまえ、学習計画を立てていきます。英会話をマスターするには、単語やフレーズ、文法などの基本的な情報を覚えることも必要だそう。
青野さんに合いそうなインプットの方法についても、カウンセラーが提案してくれます。それを受けて青野さんは……。

やるべきことが見えてきた気がする!

よかったです! では、いよいよ明日から本格的なレッスンスタートですね!

が、頑張ります!

    ■英会話学習のワンポイントアドバイス
    ・英語に触れない時間を48時間以上つくらないこと

2カ月後 、途中経過チェック。多忙な中、どれくらい学習時間はとれているのか?

仕事の合間に会議室でのレッスンを重ねる青野さん。


はやくも2カ月たちました! 青野さん、手応えはいかがですか?

どうでしょう……なんとか時間を見つけて学習したので、すこしは上達してないとヤバいなと思っています。

1日の学習量の目標は25分×2回ですよね。合計50分……、そんなに時間とれました?

朝礼の前、来客・会議の前後などすきま時間をみつけては、25分間のオンラインレッスンを行いました。

ときには、帰宅して子どもたちとの時間を過ごし、その後0時近くから就寝前に学習することもありました。


「23時からリビングでレッスンを開始する」、という情報を家族に共有するためのメモ。


家でのレッスンには、家族の協力が必要でした。リビングのホワイトボードにレッスン開始の時間を書き出し、「この時間に英会話の学習をする」という情報を家族とも共有し、その間は集中できるようにしました。

ご家族の協力があってこそ、学習時間をつくれたんですね。

そのとおりです。睡眠時間を削りながらもなんとか学習できたのは、家族のおかげ。レッスンをはじめてしまえば、あとは集中するのみです。

カウンセリングを定期的に受け、そのたびに課題を整理し、カウンセラーからのアドバイスを実施していきます。
    ■英会話学習のワンポイントアドバイス
    ・自分の意見を5センテンス以上の文章でまとめて話す習慣を身につける
    ・レッスンを録音して自分で聞いてみる
とにかく、言われたことはすべて素直にやった青野さん。そしてカウンセラーの「48時間あけてはならない」という言葉を守るため、レッスン以外にも日常的に英語について考える独自の学習法を編み出していきます。

電車移動の時に、車両内のステッカーに書かれた日本語を脳内で英語に変換してみたり、子どもに話しかける時に「これはこの棚の下に片付けるんだよ」などの言葉を、頭の中で英訳してみたりもしました。

レッスンを開始して約2カ月。ハイペースで取り組んだ結果、全90回のレッスンのうち、60回を終えていました。 途中経過となる今回は、ニュース記事をもとに「ロボット」というテーマで講師とディスカッションをしていきます。

第二回目 公開レッスン

この日は、自宅でのレッスン。会社だけでなく家でも学習を重ねている青野さんにとって、リビングでのレッスンはあたりまえになっているようです。

先生の言葉に対して、答えるスピードが上がっている。

さらには質問に対して長い解答ができるようになっています。

「けっこう上達したんじゃないかな?」と、ほっとした表情を浮かべた。

<2ヶ月後レッスン動画>

傍目で見ていると、折り返し地点にして初回と比べてかなりの成長を感じます! 上達のコツはあるんですか?

コツは頭に浮かんだ単語をとにかく口にすることですね。毎日講師の方と話していると、うまく話さなければいけないというプレッシャーも、間違えたら恥ずかしいという気持ちもなくなりました。 もう45歳。恥じらっている場合じゃないですよね(笑)。

今の様子を見ると、旅行などの日常会話は問題ないレベルに到達したように思います。とはいえ、文法にまだ不安が残っているようなので、ビジネスの場での会話となるとまだ難しそうな気が……。

そうなんですよね。今は知っている単語をとにかく並べているだけなので、英語圏の方が聞いたらかなりカタコトだと思います。“アメリカの現地サイボウズスタッフと英語でディスカッションできるようになる”という目標にはまだ遠いですね……。

5カ月後 、最終テストでアメリカの現地スタッフと会話をしてみると……!?

さらに2カ月たちました! ついに、英会話学習の成果を最終チェックする日です。4カ月前の青野さんの英会話はまだたどたどしかったですが、どうなっているのか……私も緊張します。

もう90回近くもレッスンしたのかぁ。 ここ最近は英語のことばかり考えていました。イベントや出張などが重なってレッスンの時間がとれないこともありますから、ヒマがあれば脳内で英語をしゃべって、朝も夜も英語のことを考えて……もう4カ月前に自分がどんな風に話していたか思い出せないですよ。

あら、なんだか自信があるようですね!

ははは、どうかなあ。

なんだか表情が明るく見えます! レッスン初日に「もう逃げられない……」と低い声でぼやいていた時とは、別人のようです。

この日は、どれくらい英会話が上達し話せるようになったのか、成果を見るためにサイボウズのアメリカ拠点とテレビ会議でディスカッションをすることになりました。その前に、まずは通常のオンラインレッスンを実施して、成長過程を先生に見てもらいます。

第三回目 公開レッスン

87回目のレッスンとなる今回は、「日本の出生率」をテーマにディスカッションを行います。

講師と時折冗談を交わしながら会話を楽しんでいる青野さん。



<5ヶ月後レッスン動画>



おお! これまでとずいぶん違いますね! 先生の言葉にすぐに反応しています。しかも一問一答ではなく自分の意見も言えていて、会話のキャッチボールができているなと感じます!

よかった! 自分でも先生がなにを言っているのかわかってきたなと実感します。

初回のレッスンでは先生の言葉のあとに沈黙が続いていたことを思い出すと、かなりしっかりコミュニケーションができていますよね。先生の質問に、笑顔で返す余裕もありますし、発音もきれいだなあと思います。

では次は、いよいよ目標としていたアメリカ拠点メンバーとの会議です!


アメリカ拠点のメンバーとのテレビ会議、諦めていた英語が身についた自信


<最終テスト動画>



お疲れさまです! すごいですね! 自分の意見を長文で流暢に話せていました。アメリカのスタッフのお二人もびっくりしていましたね。

スタッフに成果を実感してもらえて安心しました! 自分でも、「英会話ができてるな」と感じましたよ。

これまではアメリカとのテレビ会議はレコーダーで録音をして後で聞き直しても理解できなかったんですが、今回は二人の「英語のクセ」まで感じとることができました。


現地スタッフから英会話の上達を褒められた青野さん。ほっと胸をなでおろした様子。


スタッフの方も「素晴らしい! 4カ月の集中レッスンの成果は驚くべきものでした!」と褒めてくれました。4カ月頑張ったかいがありましたね。

とにかく仕事と子育ての合間に時間をつくるのが大変でしたけど、成果を実感できたのでよかったです。

とはいえ、平均週3回くらいしかレッスンを受けることができなかったので、時間がないのは言い訳なんですけどね……(笑)。

いえいえ、英会話学習の時間を捻出するために、毎日の睡眠時間を1時間以上削っていたこと、知ってますよ!? 体力的にもかなり大変だったと思いますが、成果が得られてよかったです。

まとめてレッスンの時間がとれないぶん、独自の方法で学習されていましたよね?

通勤電車内のポスターの文字を英語に訳してみたり、子どもとしゃべりながら、頭の中で英語に変換してみたり。

とにかく少しでも英語に触れなければいけないと工夫していました。



そういった工夫のおかげで、脳が英会話に慣れてきたんですね!

レッスンをはじめるまでは、テレビでハリウッドスターが英語でコメントしていても念仏のようにしか聞こえなかったんです。でも、今はなにを話しているのか、字幕がどれほど簡略化されているのかもわかるようになりました。

社内で回覧される英語のニュースも読んでいなかったけれど、今ではだいたい意味がわかるようになりましたね。

すごい! 4カ月前となにが違うんでしょう?

たぶん、頭のなかで英語から日本語へ変換するスピードが上がったんでしょうね。“48時間あけてはいけない”ルールがよかったです。

学習のコツが掴めるまでは48時間ルールの縛りが辛かったけれど、今は英会話が楽しくなりました。

さまざまな方法で英会話の学習に取り組んできましたが、30年目にしてやっと、巷でよく言われる“英会話は中学レベルの単語でできる”という感覚がわかった気がします。

4カ月の学習が身になったんですね! もちろん、これからも英会話の学習は続けるんですよね?

当然です! これからも英会話の学習は続けていきます。45歳でもなんとかなると実感できましたから!

本当に、目覚ましい成長ぶりでした。では、今後も学習するにあたっての目標はなんでしょうか?

海外でのプレゼンテーションや質疑応答ができるようになりたいです。サイボウズの社長として、国外のイベントで英語のスピーチをすることもあるかもしれません。

また、実際にアメリカで交渉の場にも立って、自社の製品や思い、これから会社が向かう夢を自分の言葉で語ることができたらいいですね! 

やっぱり自分が先頭に立ってサービスを届けていくことで、取引先にもサイボウズの社員にも、意気込みが伝わると思うんです。

青野さんの意気込み、伝わりました! 最後に、この企画、挑戦していかがでしたか?

もう諦めていた英語が、これからでも身につくんだと自信が持ててよかったです。

でも企画としては……ほんときつかったですわ〜!(笑)



<英会話チャレンジまとめ動画>




レアジョブの「RareJob English Lab」では、今回のチャレンジの青野さんの具体的な学習法を読むことができます。




文:河野桃子/ 撮影:石川駿人/ 企画・編集: 木村衣里(プレスラボ)、小原弓佳



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