
[Vol.8] 建国の歴史と文化を伝える カナダのリドー運河

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この記事では、カナダの首都オタワを流れるリドー運河について詳しく紹介されている。リドー運河は北米で最も古い運河として、1826年から1832年にかけて建設され、2007年に世界遺産として登録された。もともとは軍事目的でアメリカからの侵攻を防ぐために設計されたが、現在では観光のために利用され、ゆったりとしたボートが行き交う景色は、オタワののどかな雰囲気と調和している。
運河の途中には47カ所の水門があり、夏場には管理人が手作業で操作する様子も見ることができる。また、冬季には運河が凍り、世界最長のスケートリンクとして多くの観光客を引きつける。オタワを訪れる人々には、プーティンというカナダの伝統的な食べ物も人気で、スケートを楽しんだ後に温もりを感じることができる。この地域特有の体験を提供するために、トレイルやサイクリングのコースも整備されており、自然の中でアクティブに過ごすことも可能である。
さらに、記事ではこの運河を訪れることで、オタワからキングストンまでを数日かけて移動し、美しい自然と歴史を感じながら観光を満喫できるという提案もされている。
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写真:iStock
オタワ市内を流れるリドー運河。左手、尖塔がある国会議事堂も観光名所の一つ写真:iStock
カナダで広く愛されているプーティンは、ソースとチーズの濃厚なうまさにはまる 写真:iStock
全長約7.8kmのスケートリンクは世界最長。スケート靴のレンタルサービスがあり、観光客でも気軽にスケートを体験できる全長約202km。カナダの世界遺産「リドー運河」は、首都オタワからオンタリオ湖畔、アメリカとの国境に位置するキングストンを結ぶ水の道だ。運河として北米では最も古い歴史を誇り、一帯がイギリス領だった1826~1832年に建設された。当時緊張関係にあったアメリカからの侵攻を防ぎ、輸送ルートを確保するのが目的だったという。運河とともに誕生した小さな村オタワは、やがて物流の拠点として栄えていく。リドー運河の存在はオタワの歴史の礎、といっても過言ではない。建設から180年近くたっても往時の姿を変えない北米最古の運河として2007年に世界遺産に登録された。
軍事目的として造られた運河は、幸いにも争いに巻き込まれることなく時代が過ぎ、現在は観光用のボートがゆっくりと行き交う。その眺めは、カナダ随一の大都市トロントとは異なり、首都とはいえ、どこかのどかな雰囲気が感じられるオタワの街と調和し、運河沿いの散策路を歩くだけでも、せわしない日常を忘れてのんびりと和む気分になる。
その際に注目したいのは、オタワ~キングストン間の標高差を解消するために設けられた、水位を調整する水門(ロック)。47カ所ある水門の一部には、夏場、ロックマスターと呼ばれる管理人が常駐し、ボートが通るたびに昔ながらの手作業で歯車を回す。水門がゆっくり、ゆっくりと開閉する様子から目が離せなくなることだろう。
オタワは、カナダでも有数の寒冷地。冬は日中でもマイナス10度前後までしか気温が上がらないが、実はこの時季も観光客でにぎわう。というのも運河が凍り、巨大な天然のスケートリンクになるからだ。地元の人にとっては、スケート靴で通勤・通学ができる氷の道。その中に混じり冷たい風をきって滑りだせば、最初は足もとがおぼつかなくても、だんだんと童心に返る楽しさを覚える。運動の後はカナダのソウルフード、フライドポテトにたっぷりのグレイビーソースとチーズをかけた「プーティン」でおなかに温もりを。
日程に余裕があるなら、オタワ~キングストンを数日かけて移動する客船に乗り、リドー運河を制覇するのもお薦め。春や夏は緑の木々が、秋には紅葉が彩る道中の街には、トレイルやサイクリングのコースも設けられており、カナダの美しい自然も堪能できる。
キヤノン単独提供番組 「世界遺産」
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