
まだ見ぬ世界を、追い求めて写真家 上田優紀さん

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- プロの写真家
- 写真撮影に興味がある人
- 冒険や登山が好きな人
- 海外旅行に関心がある人
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上田優紀さんは考古学者の父親の影響で幼少期から多くの国を訪れ、特に子供のころから海外に関心を持っていました。その結果、24歳で45カ国を訪れる世界一周の旅に出た際、初めてカメラを手にしました。この旅により、写真が人々の好奇心をかきたて心を豊かにする力を持つことに気づき、写真家として未だ見ることのない世界を伝えたいという思いに駆られました。
彼女は帰国後に働きながら写真を学び、2年後から写真家としての活動を開始。特に世界の偏地での撮影を行っており、特にヒマラヤの名峰に魅了されました。エベレスト登頂を目的に標高8848メートルの挑戦を果たし、エベレストのさまざまな表情を写真で捉えました。上田さんはリアルなエベレストを写真で伝えることで多くの人にこの地の体験を感じてもらえると信じています。
彼女はエベレスト以外にも砂漠や森などの変化し続ける自然を長期間撮影したいという目標を持ち、美しい地球をもっとたくさんの人々に紹介することを目指しています。
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© Yuki Ueda好奇心をかきたて心を豊かにするような写真を撮り続けたい
© Yuki Ueda考古学者の父親の影響で海外へ行く機会が多かった上田優紀さん。幼いころから"外の世界"に関心があり、24歳のときに1年半をかけて45カ国を旅した。
「写真好きな父の勧めで、初めてカメラを手にし、世界一周の旅に出掛けました。その途中で、アイスランドの子どもたちに砂漠の写真を見せたら、目を輝かせて驚いてくれたんです。写真には誰かの好奇心をかきたて、心を豊かにする力がある。そのことに気付いてから、まだ見ぬ世界を写真で伝えたいと強く思うようになりました」
帰国後は働きながら写真を学び、2年後に写真家としての活動をスタート。ボリビアのウユニ塩湖など世界の僻地で撮影を続ける中、ヒマラヤの名峰に惹かれていった。アマ・ダブラム、マナスルの登頂を経て、2021年4月、標高8848メートルの頂を目指し、エベレストに足を踏み入れた。
上田さんが撮影したエベレストの写真を見ると、さまざまな表情があることにはっとさせられる。3枚目の写真は、標高約6000メートルに位置するウェスタンクームという雪原で撮影した一枚。左手にはエベレストの南西壁がそびえ、巨大なクレバスを避けながら歩を進める登山者が写っている。
「自分が見た風景をそのまま写真で伝えることで、リアルなエベレストにリンクしてもらえる。常に登山者がいるのも、エベレストの日常なんです」
過酷な登山の合間には、静寂の時も訪れる。1枚目の写真は、標高7300メートルに位置するC3(第三キャンプ)から見上げた空だ。
「夕方と夜の境目で、これから目指すエベレストの頂上付近だけが夕日に照らされていたんです。濃紺の空には白い月が浮かんでいて、まるで宇宙にいるかのような不思議な光景でした」
ゴールが目前に迫った標高8500メートルの稜線から、太陽が昇る一瞬を捉えた(2枚目の写真)。
「深夜12時に最後のベースキャンプを出発したのですが、マイナス40度という過酷な環境での山頂へのアタックに心が折れそうになったとき、眼下に広がるチベット高原から太陽が昇ってきたんです。その暖かさに、気持ちも体も助けられました」
そして5月23日、見事エベレスト登頂を成し遂げた。
「頂に立ったとき、地球には伝える価値のある風景がまだたくさんあると実感しました。達成感は、エベレストで撮った作品を多くの人たちに届けられたときに初めて得られると思います」
撮りたい風景は山だけではない。砂漠や森など、変化し続ける自然を長いスパンで撮影したいという。
「美しい地球を全部撮りたいですね」
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上田優紀(うえだ ゆうき)
1988年、和歌山県生まれ。京都外国語大学卒業後、24歳で世界一周の旅に出発。帰国後アマナに入社し、2016年よりフリーランス。世界中の僻地を旅しながら撮影を行う。2018年アマ・ダブラム(6856メートル)、2019年マナスル(8163メートル)、2021年エベレスト(8848メートル)登頂。2017年「SHINES」(キヤノンマーケティングジャパン主催)入選。 -
主な撮影機材
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EOS R5 * RF24-105mm
F4 L IS USM装着時 -
RF70-200mm F2.8 L IS USM
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RF24-70mm F2.8 L IS USM
EOS 製品情報
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